取材

モンゴル料理は肉中心で強い力士が生まれることに納得


もはや「肉フェス」でした。アツアツに熱した鉄板の上でジュージューと弾ける肉汁。そんな料理が目の前に運ばれてきたら、テンションはいや応なく上がりますって。ここぞとばかりに食べまくったので、少し太ったのでした。

こんにちは、自転車世界一周の周藤卓也@チャリダーマンです。チャリダーマンからバックパッカーに変身して、中国から150カ国目のモンゴルを旅してきました。それほど期待もしていなかったのですが、モンゴル料理が意外といけました。ともかく「肉」でした。

◆モンゴルの料理
モンゴルの旅はザミンウードという国境の街からスタートしました。ウランバートル行きの寝台列車のチケットは昼前に入手したので、夕方の出発まで時間がありました。お腹も空いていたので、駅前の食堂に入ります。冬の寒さが厳しいからでしょうけど、ドアに布団のような厚手の布が貼り付けられました。ただでさえ初めての国で億劫になるのに、重厚なドアが拍車をかけます。それでも扉は開けたら世界は一変。暖かな空気に包まれました。お店の中は私もよく知る大衆的な食堂でした。

・ボーズ
その時に頼んだのは「ボーズ」というモンゴル風の肉まん。ホクホクとした皮が破けると熱々の肉汁が口の中いっぱいに広がります。


一帯に砂漠が広がるザミンウードはいかにも辺境の街という感じで寂れた雰囲気でした。そこからやって来た首都ウランバートルは見違えるほどの大都会。社会主義時代の集合住宅だけでなく、真新しい高層マンションも立ち並び、大型の商業施設も営業しています。意外と発展していました。モンゴル語しか通じないという難点はあるものの、物は豊富ですし安宿もあるので旅はやりやすい国でしょう

食堂が多いのも「旅向きの国」とお勧めできるポイントでした。キリル文字ながらメニューがあるので安心できます。「PECTOPAH」という表記のレストランは格式が高そうで利用せず。一般的な大衆食堂に通っていました。お昼のピーク時ともなれば席が埋まるくらい地元民で賑わっています。朝は宿でパンでしたが、昼と夜は外食にしていました。1食5000~6000トゥルグ(約275~330円)が目安です。飲み物は600トゥルグ(約33円)くらいの瓶ジュースを注文します。

食欲をそそる食堂前の写真。


キリル文字とモンゴル語の理解が求められるメニュー。


ウランバートルでは次のようなものを食べていました。

・グヤーシュ
旧ソ連圏を旅した経験から、簡単なキリル文字なら読むことができます。店前にあった写真の料理のキリル文字を解読して、店に入って注文しました。ところが「その料理はないよ」という残念な答え。「別の料理ならあるんだけど」というお誘いに、何が出てくるのか理解できなかったけど、それを頼んでみました。そうして出てきたのがグヤーシュという料理でした。

肉の塊を煮込んだソース、ご飯、サラダというプレート。


ハンガリーのグヤーシュというシチューのような料理が起源らしいのですが、モンゴルで見かけたのはぶっかけ飯のようなプレートでした。どの店にもメニューには必ずといってほどに「Гуляш(グヤーシュ)」と書いてあります。注文したらすぐに出てくるファストフードのようにお手軽な料理で、旅中も何度か口にしました。

このときのグヤーシュは、ご飯ではなくマントウでした。お肉はトロケるくらいの柔らかさ。食べやすい料理でした。


・鉄板焼き
食堂にメニューはあるので値段は把握できます。でも、キリル文字なので料理が把握できません。言葉ができれば何の料理か聞けますがモンゴル語は話せません。そういうときは適当に注文してみたくなります。ぱっと見では「大人気の定食メニュー」といった感じ。外れないという感触から、メニューを指でさして注文しました。そしたら大当たりでした。

ジュージューと肉汁を弾かせながらやってきた鉄板には、これでもかと肉が載っていました。羊肉でした。玉ねぎ、人参、ピーマン、フライドポテトと一緒に炒められています。ご飯も付いてきます。


この鉄板料理にはまってしまい、別の日にも注文してみました。料理名が分からないので、頭を下げながら誰かのテーブルを指差すという注文の方法。すいません。それだけ地元の人たちも口にしている料理です。

この時も熱々の鉄板がジュージューと肉を焼く音と一緒にやって来ました。このときは牛肉と玉ねぎといったシンプルな組み合わせでした。ご飯も付いてきます。


ウランバートルを離れる日も、最後にもう一度と鉄板料理を頼みました。お店の人は日本で滞在した経験もあって日本語を理解してくれました。モンゴルらしく羊肉にしたかったのですが「売り切れてしまって、豚肉しかないのよ」ということなので最後は豚肉。

この時も美味しそうな匂いを漂わせながら鉄板がテーブルに運ばれてきました。玉ねぎ、人参、ピーマンといった野菜と一緒の豚肉炒め。


濃い味で脂っこいのですが、白いご飯と一緒なので気になりません。


すっかり満足して帰る間際に、ずっと抱いていた疑問を思い出しました。「モンゴルの料理はお肉ばっかりですね。モンゴルのお相撲さんが強いのは、よくお肉を食べるからなんですか?」とおばちゃんに聞くと「そうね、小さい頃からお肉食べていますしね」と笑いながら答えてくれました。お相撲さんだけでなく、かつてはモンゴル帝国を築いた人たちですし、モンゴル人の強さの秘密には、こうした肉料理がある気がしてなりません。

かなりお気に入りの鉄板料理ですが、肝心の料理名は分からず。メニューに「Шарсан(シャルサン)」とモンゴル語で「焼く」にあたる単語があるので、その辺りなのでしょうけど……。

・ゴリルタイ・ショル
いわゆる肉うどんとのような料理です。きしめんのように平べったい手作りの麺。塩がベースの淡白なスープ。インパクトに欠ける味でしたが、これでもかという位に肉が入っていました。


・ツォイバン
いわゆる焼きそばのような料理です。味付けは塩こしょうが基本で、ジューシーなキュウリはアクセント。こちらにも意外な程にお肉が使われています。


モンゴル料理のお肉は羊肉がメインだと思うのですが、臭みなどはほとんどなかったので、何も気にすることなく食事をしていました。

◆草原の国
モンゴルと聞いて思い浮かぶのは草原でした。モンゴルではツアーに参加して遊牧民が暮らすゲルにホームステイするのですが、想像していた通りの緑の草原を目の当たりにします。そんな草原の海では、美味しそうなお肉がすくすくと育っていました。冬はかなり冷え込みますが「モンゴルの家畜は丈夫なので-20度くらいまでなら問題ないわ」というお話。

ハラホリンという街のゲストハウスから外に出ると、辺りを牛さんがふらついています。


同じ所に小ヤギさんも歩いていました。


こちらは、ホームステイ先で囲われていた羊さんたち。


ホームステイ先のお母ちゃんは、街で暮らす息子たちのためにビーフジャーキーを作っていました。息子さんたちは学校に通っているみたいです。ここもやっぱり肉でした。


時間の都合から諦めたのですが、モンゴルを自転車で走るのも楽しそうでした。一日走り終わってクタクタになった後に食らいつく肉料理とか最高ですよ。若き日の強靭な胃袋があったときにでも走っておく国でした。

他にもいろいろとモンゴル料理はありますので、お肉を目当てにモンゴルへ出かけてみるはいかがでしょう。そろそろ旅行シーズンだと思います。

(文・写真:周藤卓也@チャリダーマン
自転車世界一周取材中 http://shuutak.com
Twitter @shuutak
)

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in 取材,   , Posted by logc_nt

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