飛行機で3時間の台湾にハワイがあると聞いて行ってきました、食&費用&行き方など「墾丁」まとめレポート
青い海、白い砂浜、太陽の光の中でのんびりできる憧れの地・ハワイですが、実際に行くには飛行機で6時間半から8時間強かかり、しかもランチに3000円は必要というほど物価が高いので滞在費もかさんでしまうという、スケジュール的にもお財布的にも高い壁がそびえています。そんな時に「飛行機で3時間の台湾にもハワイ(のような場所)がある」と聞き、「『安くてうまい』で有名な屋台や夜市がある台湾なら滞在費も安くすんでハードルがかなり低くなるはず!」ということで、実際に行ってどんな感じなのか確かめてきました。
◆台湾のハワイ「墾丁」行き方まとめ
◆泊まるところ&宿泊費
◆現地の食まとめ
◆何ができるのかまとめ
◆で、トータルでいくらかかるのか?
◆台湾のハワイ「墾丁」行き方まとめ
「台湾のハワイ」と呼ばれている場所は、台湾の最南端にある墾丁国家公園のこと。台湾の北側にある台北市からも行くことはできますが、かなり距離があるので、高雄市から行った方が時短になります。
ということでまずはかかった時間から。日本の空港から台北までがだいたい3時間なので、台湾にハワイがあると聞いた時は「やったー!近い!」と喜んでいたのですが、ハワイと言われるだけあってやっぱり遠かったです。渡航日のスケジュールはこんな感じで、11時に関西空港発の飛行機に乗って19時にホテル着。台北着の飛行機にすると、台北→高雄まで新幹線で2時間ほど移動する必要があるのでさらに時間がかかります。
ということで今回は高雄空港への直行便を選択。空港の到着ゲートを抜けて左側に、外貨両替カウンターやSIMカードの購入カウンター、高雄捷運(MRT)につながる出口があります。
SIMカードは3日~5日が300台湾元(約1060円)、7日~10日が500台湾元(約1770円)ほど。このほか1日120台湾元(約420円)で借りられるルーターもありました。
MRT出口から建物の外へ出ると、地下へと続くエスカレーターにたどり着きます。
地下鉄に到着。高雄国際空港から左営駅(左營駅)まで移動します。
移動に必要な時間は28分ほどで、価格は50台湾元(約180円)です。
左営駅に到着後、1番出口から地上に上がると、高速鉄道の新左営駅プラットフォームに続くエスカレーターが見えます。向かって左側はバスターミナルですが、墾丁までの快速バスのチケットはエスカレーターを上った先で購入可能。
「墾丁快線」とかかれているこのカウンターでチケットを購入できます。チケットは片道400台湾元(約1410円)で、往復だと600台湾元(約2110円)
時刻表はこんな感じで、15分~30分おきにバスが出ています。なお、高雄国際空港からもバスが出ていますが、本数が少ないので時間があわなければ左営駅まで出るのがよさそうです。
朝食を食べてから時間があき、お腹がすいたのでバスの出発時刻までの合間にご飯タイム。台湾のモスバーガーでご当地メニューをみてみました。
台湾のモスバーガーはライスバーガーの種類がかなり豊富で、「モスライスバーガー焼肉」(75台湾元/約260円)台湾の名産であるレッドキヌアが使われています。なお、日本のモスライスバーガー焼肉は390円なのでちょっと安めです。
こっちは中華まんっぽいふわふわの生地に照り焼きチキンが使われた「テリヤキチキンパオ(ピーナツソース)」(90台湾元/約320円)。うまし。
おなかが満たされたところでバスターミナルへ。
「墾丁快線」と書かれたバスに乗り込みます。
中のシートは広々ゆったり仕様。リクライニングが壊れていて背もたれが勝手に倒れ、強制的にリラックスモードにさせられる席もありました。
USBで充電が可能&Wi-Fi無料なのもうれしいところ。
ということでしばしバスに揺られます。公式では移動時間は2時間ほどとされていますが、街中を通るため、交通状態や乗降の影響もあり2時間半ほどかかりました。
「小湾」という場所で降車。到着した時はすっかり夜で、にぎやかな夜市のど真ん中に下ろされます。
◆泊まるところ&宿泊費
今回宿泊したのはバス停から歩いて8分ほどの距離にあるシーザーパークホテル ケンティンという宿。なお現地ではシーザーではなく「カエサー」と発音しないと通じません。
このホテル、台湾初の5ツ星ホテルでプール&バー付きのビーチまで直結とめちゃめちゃリゾート感があるのですが、オフシーズンなら1泊2人で8000円台の時もあり、「ハワイなのに……安い!」と思わず予約ボタンを押してしまったのでした。8月だと1泊2人で3万円台の時もありましたが、12~1月は1泊2人・朝食付きで1万2000円ほどでした。日本だとビジネスホテルくらいの価格帯なので本場ハワイに比べれば断然手が届きやすい価格です。
部屋は一番安いのが以下のスーペリアダブル。ジャグジー付きの部屋やヴィラもありました。
ロビーはこんな感じ。12月25日が過ぎてもクリスマスツリーの片付けが行われる気配は一向にありませんでした。
1月でもプールで泳いでジャグジーで体を温めて……を繰り返す人がちらほら。ただし、2019年は1月3~18日の間は屋外スイミングプールがメンテナンスのため使えなくなっていたので、ホテル予約の際には注意です。
ホテルから直結のビーチには白いパラソルが並び、手前にはビーチバーもあります。
墾丁周辺は台湾の若者がビーチを求めてやってくる、日本でいうところの沖縄のような雰囲気なので、このほかにもより安くていい感じの宿がわんさかあります。
Happinessというホステルはスタンダード ダブルルームが朝食付きで2019年1月28日から1泊2人が4570円。1人あたり2300円ほどです。
上記と同条件で調べたケンディン ホステル ダワンは1泊2人で3500円ほど。
ヨーヨー リゾートは同日で1泊2人朝食付きで4000円。
アップル ルーム ホステルも1泊2人朝食付きで5200円でした。洗練された雰囲気の比較的安い宿が多いので、ビーチリゾートのゆったりした空気を味わえそうでした。
またシーザーパークホテル ケンティンの近くにある「墾丁青年活動中心」は台湾伝統家屋を使ったユースホステルで、ノスタルジーある雰囲気が楽しめます。1泊2人、朝食付きで6000円ほど。
◆現地の食まとめ
シーザーパークホテル ケンティンを選んだ理由の1つが、目の前に夜市があるということ。歩いて2~3分の場所から長~い夜市が始まり、毎日お祭り状態でにぎわっています。この夜市は台北の夜市の雰囲気とはちょっと違って「ザ・台湾」という感じではないものも多かったです。
「鐵板山猪肉」という文字を発見。
めちゃめちゃいい匂いが漂っていたので買ってみました。
台湾で「猪」はイノシシではなく豚のことですが、「山猪」はイノシシとのこと。肉と共にニンニク・玉ネギ・青ネギなどがスパイスと一緒に炒めてあり、パックにたっぷりはいって100台湾元(360円)です。
同じ鉄板で焼かれていた台湾名物「大腸包小腸」は50台湾元(180円)。腸詰めしたもち米のソーセージの間に、ちょっと甘い焼きソーセージを挟んだもの。
焼き小籠包は8つ入りが70台湾元(約250円)。フレーバーが選べるのでオリジナルとガーリックを選択しました。餃子のような羽の部分はサクサクの食感ですが、皮の中にはたっぷりの肉汁が入っており、かむと肉のうまみが口の中にじゅわ~っと広がります。
台湾でおなじみの臭豆腐も発見。
これまで食わず嫌いしていた臭豆腐ですが、せっかくなので挑戦したところ、味は表面をカリカリに焼いた厚揚げという感じで、「何かソースを付けたい」と思うシンプルさなのですが、名前の通り匂いがすごい。「口の中に動物園が広がっている……」と思わず呟きました。
お店もいろいろあります。タイ料理のお店が目立ちましたが、ローカルな匂いのする渋い店構えを見つけたので入ってみます。
店頭で調理するスタイル。
注文したのは鴨肉麺(70台湾元/約250円)と肉燥飯(40台湾元/約140円)。台湾で鴨として流通しているのはアヒルのことで、鴨肉麺はあっさりしただしの中に柔らかく煮た肉の塊が入っており、肉燥飯は温かいご飯の上で煮込んだ豚肉の脂がとろっと溶ける食欲をそそる1品。
よくわからない調味料がずらっと並んでいるのでトライ&エラーで味付けを変えて食べていけばOK。
そして、台湾といえば!ということでタピオカミルクティーのお店へ。
タピオカミルクティーは50台湾元(約180円)。ドリンク自体は甘みがほぼないロイヤルミルクティーのような感じで、むちむちしたタピオカに甘さがあるので、甘すぎずよいバランスでした。
「炸鮮奶」と書かれた屋台。奶は牛乳の意味なので、揚げ牛乳的なものの様子。
目の前で揚げてくれます。1串にもちのようなものが3つ通って20台湾元(約70円)
サクッとした表面をかじると、中から熱々のとろ~っとした餅のようなものが現れます。ミルクキャンディのような優しい甘さで、デザートに最適。
……とここまで食べて1500円以下。屋台は目移りする多様さで、買い食いしているうちにあっという間にお腹が一杯になります。ということで、ここからは見て楽しむスタイル。
「東山鴨頭」という看板の屋台には……
焼き鳥っぽいスタイルでお肉が並んでいます。
店名の通り、鴨(アヒル)の頭もありました。
海沿いの夜市なので、海鮮のお店もかなり並んでいました。
積み上げられたカキの殻の山。
帆立1皿150台湾元(約530円)、有頭えびが1皿250台湾元(約880円)で、海鮮焼きはやや高めの印象。食べるものを選んだらその場で焼いてくれるスタイルのようです。
台湾ソーセージや……
鉄板ステーキなどもありました。
ちょっと変わったところでいえば、「精神病院」と書かれたお店では、輸血パックに入ったカクテルが売られていました。1つ150台湾元(約530円)
「玉子焼」とありますが……
どう見てもスイーツのような食べ物が並んでいます。1つ70台湾元(約250円)程度でした。
窯焼きピザの屋台も複数ありました。1枚180~250台湾元(約640~880円)です。
その場で生地をのばし……
トッピングして……
釜で焼いてくれ、ものの数分で完成していました。
ホテルまで歩いて2~3分の位置に屋台があるので、部屋まで持って返って食べても温かい状態でした。
夜市はお祭りの屋台のような感じで、ゲームの屋台も多かったです。
射的。
この風船を割っていくようです。
スマートボールや……
バスケットボールコーナー。
サンダルやTシャツを販売するお店もありましたが、値段は「安い!」と感動するほどではなく、サンダルが100台湾元(約360円)、Tシャツが500台湾元(約1800円)くらい。
車を半分カットしてお店として利用しているユニークなところもありました。
お昼は屋台が出ていないので、レストランなどで食べることになります。
墾丁のレストランは「高い」と言われることが多く、メニューで「時価」と書いてあるものを注文したら恐ろしい値段だった……という声もしばしば見かけました。そんな中、「巷子内海鮮熱炒」という海鮮レストランがGoogleマップで味・価格面でやたらと高評価だったので、行ってみました。
こぢんまりしたカジュアルな雰囲気ですが、お店にはかなり人が溢れていました。
カキと豆腐を炒めた「豆腐鮮蚵」(202台湾元/約700円)とえびのだしで空心菜を炒めた「蝦醤空心菜」(152台湾元/540円)を注文しました。いずれも大・小があり小を注文しましたがかなりのボリューム。瓶ビールは80台湾元(約280円)で、セルフサービスでお店の冷蔵庫から取り出す形です。
空心菜の炒め物は日本でも珍しくありませんが、えびの旨みが凝縮されており、ひと味違います。新鮮な生唐辛子が使われているのでキリッと辛く、お酒やご飯がめちゃくちゃ進む味わい。
豆腐鮮蚵は、マーボー豆腐っぽい見た目ですが四川料理のようなスパイシーさはなく、豆鼓醤のうまみでご飯が進みまくります。たっぷり入った小さめのカキは柔らかく、豆腐と同じような滑らかな食感でした。このお店では料理2皿とビール・白ご飯で合計1400円くらい。
そして、墾丁から車で15分ほどの場所には城壁に囲まれた恒春鎮という街があり、古い街並みが残っていて非常にいい雰囲気でした。
恒春にはオシャレなお店もアリ。日本統治時代の建物を利用した波波厨房というイタリアンレストランに行ってみました。
1階はジェラート屋さん&パン屋さんになっていて……
2階がイタリアンレストラン。
タコのグリルが200台湾元(約700円)で……
トリュフのパスタが330台湾元(約1160円)でした。
また「柯記古早味緑豆饌」というかき氷屋さんも有名どころ。
小豆やおもち、ピーナツ、緑豆をお皿に入れて……
温かいもちっとしたものを注ぎ……
さらにかき氷をのせます。
黒糖のシロップをかけて完成。これで40台湾元(約140円)
温&冷の組み合わせなので、体が冷えない不思議なかき氷です。黒糖ベースの優しい味で、おもちやナッツがたっぷり入っているのでしっかりお腹にたまりました。
このほか、恒春には牛肉麺屋さんの小牛村や……
「郷村冬粉鴨」といった台湾料理のお店や……
お肉モリモリのハンバーガー屋さん「肉 Meat」など、さまざまなお店が並んでいます。
◆何ができるのかまとめ
恒春の街は台北のように高い建物が並ぶのではなく、昔ながらのお店や、レトロな建物を再利用したおしゃれなお店が多く並んでいて、街歩きするだけでも楽しめます。
街には4つの門があり、以下はラウンドアバウトの中央に位置する「南門」
南門の周囲にはレストラン・マッサージ屋さん・服屋さんなどお店がたくさん。病院も近くにありました。
西門の近くにはアート作品っぽいものが配置され……
デパートの屋上遊園地にありそうなアレコレが道ばたに無造作に置かれ……
猫バスが走っていました。
高雄よりも南にある恒春・墾丁は熱帯モンスーン気候で、冬でも暖かく雨が少ないのが特徴。12~1月の最高気温はだいたい曇りの日が22~24度で、晴れていれば27度以上になる日もあります。ただし風が強く、寒くはないけれど上着が欲しくなる瞬間があり、同じ空間に半袖の人とダウンの人が共存します。素足サンダル+ダウンという人もよく見かけました。
年末年始は曇りが多かったのですが、晴れている日は海遊びをしている人も多く見かけました。海やプールの温度は「震えるほどではないけれど喜んでは入れない冷たさ」という感じ。海は、バナナボートなどアクティビティの多い「南湾」、白い砂浜が美しい「白砂湾」、シュノーケリングとダイビングのメッカ「萬里桐」&「後壁湖」など、複数の海遊びスポットがあります。運転に問題ない人であれば1日500台湾元(1750円)ほどでスクーターをレンタルすると便利です。なお、台湾で車やバイクを運転するには日本の免許証の中国後翻訳文が必要で、これはJAFに申し込んで発行することができます。
ホテル近くのバス停から5分ほどの距離にある以下のビーチが南湾。サーフィンやボディーボードをしている人の姿が見えます。
バナナボートの順番待ちなのか、水着姿でまったりくつろぐ人々。
この空気で膨らませるソファーのようなものや、バナナボートを水上バイクで引きずり回してもらうという遊びが1回400台湾元(1400円)、2回セットで600台湾元(約2100円)でした。
透明なカヌーのレンタルをやっているところもあります。これは1人1000台湾元(約3500円)
後壁湖のダイビング&シュノーケリングはこんな感じ。パラセーリングを行うこともできます。
ビーチだけでなく、山側の大自然も見どころがあり、墾丁の関山は世界で最も美しい夕日が見られる場所にも選ばれました。
今回宿泊したホテルの真ん前には「小湾」というビーチがあり……
バーもあるので、海辺でまったり過ごせます。ドリンクを注文すれば夜市で購入した食べ物を持ち込んでもOKというゆるさで、ホテル宿泊者でなくても使える様子。
◆で、トータルでいくらかかるのか?
高雄までの航空券の価格は時期にもよりますが、オフシーズンであればLCCの往復航空券が1万5000~2万5000円ほどで購入可能。宿は墾丁で3泊(1万8000円)+高雄で1泊(1700円)し、4泊5日の現地滞在費はお土産込み&バナナボートで遊んでタクシーも使って2万円だったので、合計5万5000~6万5000円を見ておくとよさそうです。今回は「ハワイっぽい過ごし方をする」というテーマで1泊1人6000円の5つ星ホテル選択をしましたが、ホテル選択を変えれば旅の予算をさらに抑えることが可能。ハワイに行くほどの時間や予算がない時でも、アジアの雰囲気を味わいつつ、海遊びやプール、ビーチでのんびり過ごしたい時の選択肢としてアリでした。
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