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子ども向け・子どもが出演するYouTubeムービーの視聴回数はそれ以外のものよりはるかに多い

by NadineDoerle

YouTubeに投稿されているムービーは大人によって作られた大人向けコンテンツばかりではなく、YouTubeが開発した子ども向けアプリの「YouTube Kids」で視聴できるような子ども向けコンテンツや、親と子どもが共演しているYouTubeムービーも多くあります。アメリカのシンクタンクであるピュー研究所はYouTubeに投稿されたムービーと視聴回数を分析し、「YouTubdeでは子ども向けコンテンツや子どもの出演するムービーが、他のムービーよりも多くの視聴回数を稼いでいる」と発表しました。

2. Children’s content, content featuring children and video games were among the most-viewed video genres | Pew Research Center
https://www.pewinternet.org/2019/07/25/childrens-content-content-featuring-children-and-video-games-were-among-the-most-viewed-videos-genres/

YouTube videos with kids get three times as many views as videos without kids - The Verge
https://www.theverge.com/2019/7/25/8930070/youtube-videos-kids-pew-research-study-ace-family-jake-paul

ピュー研究所では2018年末の時点で登録者数25万人を超える英語圏の人気チャンネルを対象に、2019年1月の最初の週に投稿されたムービーの傾向と視聴回数を分析するという実験を行いました。YouTubeのムービーにはタグや概要欄があるものの、これらの情報だけで十分な分析を行うのは困難であり、情報が正確ではない可能性もあるため、ピュー研究所はクラウドソーシングサービスのAmazon Mechanical Turkを用い、人間が実際にムービー見た上で内容ごとに分類してもらったとのこと。

ムービーを見た人間は「ビデオゲーム」や「音楽・ダンス」といった一般的なカテゴリーに加え、「ムービーが13歳未満の子どもだけを狙った子ども向けコンテンツであるかどうか」「コンテンツの内容にかかわらず、ムービー中に13歳未満と思われる子どもが出演しているかどうか」といった点も判断するように求められました。人間の判断にはバラ付きがあるため、ムービーは3人のクラウドワーカーによって確認され、個人的な偏りなどが調整されたそうです。

人気のあるチャンネルが期間中にアップロードしたムービーのうち、34%が一般的な娯楽やVlog(ビデオブログ)に関するもの、18%がビデオゲーム、12%が政治や最新のトピックについてのものでした。


また、期間中に投稿されたムービーのうち4%が、13歳未満の子どもを対象にしたものだった模様。ピュー研究所によると、YouTubeに投稿された子ども向けコンテンツは他の一般視聴者層向けのコンテンツと比較して、より長い視聴時間と多くの視聴回数を得ていることも判明したとのこと。

一般的なムービーの平均再生数が9万9713回だったのに対し、子ども向けのムービーはなんと15万3227回の平均視聴回数を記録。ムービーの平均視聴時間も、一般的なムービーより子ども向けムービーの方が長くなる傾向がありました。子ども向けコンテンツが分類されるカテゴリーとしては、「おもちゃやゲーム」が28%で最も高くなっています。

by ddimitrova

「子どもがムービーに登場しているが子どもだけを対象にしたコンテンツではない」ムービーは、期間中に投稿された全ムービーのうち2%でした。これらのムービーは平均視聴回数が実に29万7574回に達しており、一般的なムービーの平均再生回数の9万9713回と比べて3倍もの視聴回数を稼いでいることがわかります。

さらに、「子どもが登場している子ども向けコンテンツ」の平均再生回数は41万6985とのことで、一般的なムービーより4倍以上も高い再生回数をゲットしているとのこと。「2018年にYouTubeで最も稼いだYouTuber」はライアン君という7歳の少年であり、ライアン君のYouTubeチャンネル「Ryan ToysReview」は記事作成時点で2000万人を超える登録者数を誇っています。

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子どもが登場する子ども向けコンテンツが人気を集める一方で、子どもが登場している全ムービーのうち子どもを対象にしたものは21%に過ぎず、79%はより高い年齢層に向けたコンテンツとなっているとのこと。子ども以外に向けたコンテンツだが子どもが登場しているムービーの多くは、子育てや家族のブログ的なチャンネルが投稿したムービーだったそうです。ムービーの内容としては、子どもが新しい服を着たり歌ったりしたものが人気を集めているとピュー研究所は述べています。

by Pexels

なお、YouTubeはThe Vergeの問い合わせに対して「ピュー研究所の行った調査の方法論や結果について話すことはできません」とコメント。それでも再生回数を増やすために「子どもを登場させる」という手段を採るYouTuberは多く、子育て系のYouTubeチャンネルが人気を集めたり、人気YouTuberが自身のムービーに子どもを登場させたりすることがあります。

しかし、YouTubeにおいて子どもの出演するムービーが人気を集める一方で、YouTubeに対しては「幼い子どもが登場するムービーが子どもの性的搾取を促進している」という非難する声もあります。これらの非難に対し、YouTubeは子ども向けコンテンツのコメント機能を無効にするなどして対策を取っています。

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in ネットサービス, Posted by log1h_ik

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