フォートナイトの制作会社Epic Gamesが1億3000万円をオープンソースソフト「Blender」に寄付

人気バトルロイヤルゲーム「フォートナイト」やFPSゲームの「Unreal」シリーズで知られるEpic Gamesが、オープンソースの3DCGソフト「Blender」を管理するBlender Foundationに120万ドル(約1億3000万円)の資金を提供したことが、両団体の共同声明により明らかになりました。拠出金は今後3年間にわたり段階的に提供され、Blender Foundationの事業に活用されるとのことです。

Epic Games supports Blender Foundation with $1.2 million Epic MegaGrant — blender.org
https://www.blender.org/press/epic-games-supports-blender-foundation-with-1-2-million-epic-megagrant/

Blender is Free Software — Blender Developers Blog
https://code.blender.org/2019/06/blender-is-free-software/

Blenderは3Dモデルの作成からレンダリング、映像の編集なども可能なオープンソースの統合型3DCG作成ソフトです。プログラムの実行やソースコードの閲覧、再配布などを許諾するGNU General Public Licenseの枠組みにより、商用・非商用問わず基本的に誰でも無料で利用することができて、多機能かつ高性能なので、3DCGコンテンツの作成に幅広く使用されてきました。

by Floyd Wilde

そんなBlenderに120万ドル(約1億3000万円)もの資金を提供したのが、人気バトルロイヤル「フォートナイト」の開発などで知られるEpic Gamesです。Epic Gamesはかねてからゲーム開発者の支援と育成に力を入れており、2015年に総額500万ドル(約5億4000万円)規模のクリエイター育成プログラムUnreal Dev Grantsを設立していたほか、同年3月にはゲーム開発エンジン「Unreal Engine 4」の無料公開を実施していました。

Unreal Engine 4が無料で公開された経緯や詳細については、以下の記事を読むとよく分かります。

無料で「Unreal Engine 4」が誰でも使用可能に、既存ユーザーには返金＆約3500円のクレジットを提供 - GIGAZINE

そして、2019年3月に終了したUnreal Dev Grantsに代わり新たに設立されたのが、総額1億ドル(約108億円)規模のクリエイター支援プログラムEpic MegaGrantsです。今回の資金提供もこのEpic MegaGrantsの取り組みの一環として行われたもので、拠出金はBlenderが実施するソフトウェア開発事業「Professionalizing Blender Development Initiative」に活用されるとのことです。

Blender Foundationの設立者兼議長のトン・ローセンダール氏は「今回の資金提供のおかげで、新規ユーザーへの継続支援やソフトの品質向上につながるベストプラクティスの奨励といった取り組みを一層拡充させることができます」と謝辞を述べました。

また、Epic Gamesの創設者であるティム・スウィーニーCEOは声明の中で「オープンソースのツール・ライブラリ・プラットフォームは、デジタルコンテンツの未来にとって必要不可欠な存在です」と語り、クリエイターたちの共有財産でもあるBlenderの開発を後押しすることの意義を強調していました。