Epic GamesがライバルのSteamからデータをひっそり収集していた問題の修正を約束
by steamXO
人気バトルロイヤルゲームの「フォートナイト」や、数々の最新ゲームで採用されているゲームエンジン「Unreal Engine 4」の開発元であるEpic Gamesは、PCゲーム向けの独自ストア「Epic Gamesストア」を2018年12月からスタートさせています。Epic Gamesストア経由で購入したゲームを遊ぶには、「Epic Games Launcher」という名前のソフトを使う必要があるのですが、これがライバルサービスのSteamからこっそりデータを収集していることが判明して大きな問題となっており、Epic GamesがEpic Games Launcherの改修を約束する事態にまで発展しています。
EPIC Promises to Fix Game Launcher after Privacy Concerns
https://www.bleepingcomputer.com/news/security/epic-promises-to-fix-game-launcher-after-privacy-concerns/
Epic Gamesの競合サービスであるSteamは、ユーザーのフレンド情報やゲームプレイ履歴を収集するため、プロパティ情報を保存する「config\localconfig.vdf」というファイルをユーザーのPC上に作成します。Epic Games Launcherは、このSteamがユーザー情報を収集するために使用している「localconfig.vdf」を秘密裏に収集していたことが明らかになり、インターネットユーザーから批判の声が噴出する事態となっています。Epic Games LauncherがSteamのデータをこっそり収集していたことが発覚したあと、Epic Gamesの副社長であるダニエル・ヴォーゲル氏は「明示的な許可を得て、Steamのフレンドやlocalconfid.vdfをインポートしています。ただし、このファイル情報はSteamのフレンドをインポートすることを選択した場合にのみEpic Gamesに送信され、その後フレンドのハッシュIDのみが送信され、ファイルからその他の情報は送信されません」と述べていました。
人気バトルロイヤル「フォートナイト」の起動ソフトがSteamのデータをこっそり収集していたことが判明 - GIGAZINE
その後、Epic Gamesの創業者であるティム・スウィーニーCEOは、海外掲示板のReddit上で、ランチャーの修正を明言しています。スウィーニーCEOは「ユーザーがSteam上のフレンドをインポートすることを選択したときのみ、localconfig.vdfファイルにアクセスすべきであるという意見は正しいものです。現在の実装は、フォートナイトの初期の頃のソーシャル機能実装時に急いで作成したものが残っています。これは私がランチャー開発チームにソーシャル機能のサポートをすぐさま行うようにと推し進めたため起きた間違いであるため、我々はすぐにこれを修正するつもりです」とコメントしています。
加えて、Epic Games LauncherがSteam APIを利用していないのは、サードパーティ製のライブラリ数を最小限に抑えることでセキュリティとプライバシーの問題に対応するため、とスウィーニーCEOは説明しています。
これに対して、Steamの運営元であるValveのスポークスマンは、「我々はEpic Games LauncherがSteamから情報を収集しているという事態の詳細について調査中です。Steamクライアントはユーザーが所有するゲームのリスト、フレンドリスト、保存されたログイントークンといったデータをローカル上に保存します。これはユーザー個人のデータであり、ユーザーの自宅のコンピューターに保存されているもので、他のプログラムで使用したり、サードパーティーのサービスにアップロードされることを意図したものではありません」と語り、Epic Games側が意図しない形でSteamのデータを使用していると非難しています。
加えて、「興味のあるユーザーは、Steamクライアントのインストールディレクトリにlocalconfig.vdfやその他のSteam設定ファイルを見つけることが可能で、これらのデータをテキストエディタで開けば、ファイルに含まれているデータを確認することができます」とコメントしています。
なお、Steamアカウントに関連するすべてのデータを表示することも可能で、そのためには以下のページにアクセスすればOKです。
Steam Help
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