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EAがValveと業務提携でApex Legendsなどの人気タイトルがSteamでプレイ可能に


大手ゲームパブリッシャーのElectronic Arts(EA)は、デジタルゲームプラットフォームのSteamを運営するValveと事業提携を行い、EAのタイトルをSteamでも配信していくことを発表しました。EA独自のプラットフォームであるOriginで過去に独占配信されていたタイトルも、順次Steamでリリースされるとのことです。

EAとValveが提携
https://www.ea.com/ja-jp/news/ea-and-valve-partnership

So long, Origin? EA comes back to Steam with new games | Ars Technica
https://arstechnica.com/gaming/2019/10/so-long-origin-ea-comes-back-to-steam-with-new-games/


業務提携の第1弾として、EAは2019年11月15日リリース予定の「Star Wars ジェダイ:フォールン・オーダー」を、Valveが提供するデジタルゲームプラットフォームのSteamでもリリースすることを発表しました。また、「Apex Legends」「FIFA 20」「The Sims 4」「Battlefield V」などの人気タイトルも今後Steamで配信される予定で、各ゲームのマルチプレイはOriginユーザーとSteamユーザーが一緒にプレイできるようになるとのこと。さらに、月額有料のゲームサブスクリプションサービスであるEA-Accessも2020年春にSteamへ対応することをEAは発表しています。

EAは、当初はSteamで配信していましたが、2011年に当時の最新タイトルだった「Battlefiled 3」を独自開発のゲームプラットフォームであるOriginで独占配信することを発表。その後、EAは自社タイトルのほぼすべてをOriginで専売していました。


しかし、2003年から運営を続ける老舗ゲームプラットフォームのSteamに比べて、後発のOriginはフレンドやコミュニティといったソーシャル機能が弱く、ネットワークも安定していないと一部ゲーマーからの反発を受けていました。2013年にはEAのエグゼクティブ・ヴァイス・プレジデントを務めるアンドリュー・ウィルソン氏はゲーマーからの不満を正式に認め、「Originを改良する」と明言して話題となりました。

その後EAは、EA Access、Steamでも既に導入されていたゲームの払い戻し機能、ゲームの無料配布キャンペーンの定期開催など、さまざまな取り組みを実行し、盛り返しを狙いました。それでもSteam一強となるゲームプラットフォーム市場のシェアを奪うことはできず、EAのシニアマーケティングディレクターを務めるピーター・オライリー氏は「OriginはPCゲーマーの信頼を取り戻すために動いている」と2016年に発言しています

技術系メディアのArs Technicaは、EAがSteamでの販売を再開したことは、Epic Gamesが運営するゲームプラットフォームのEpic Games ストアとSteamの競争に大きな影響を与えるだろうと予想しています。


Epic Gamesは「Steamが設定する収益分配率は安すぎる」「Steamによる市場独占を防ぐべき」という考えを表明しており、パブリッシャーへの収益分配率を高くし、「ゲームファンからの期待を集めるタイトルをEpic Games ストアの時限付き独占配信にする」という方法も使ってSteamに猛抗。Ubisoftや2K Gamesなどの大手ゲームパブリッシャーも、Epic Games ストアでの独占配信を選択しています。

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また、Epic Games ストアの時限付き専売タイトルである「ボーダーランズ3」を開発したGearbox Softwareのランディ・ピッチフォードCEOは「Steamはあと5年から10年で衰退してしまうだろう」とコメントしています。

From a track record point of view, my expectation is that Epic’s investment in technology will outpace Valve’s substantially. When we look back at Steam in five or ten years, it may look like a dying store and other, competitive stores, will be the place to be.

— Randy Pitchford (@DuvalMagic)


しかし、Steamでのリリースを発表した後にEpic Gamesストアでの時限付き独占配信を急きょ発表する強引なやり口や、Epic Games ストアもOriginと同じようにソーシャル機能を初めとするさまざまな機能が不足していることに対しては批判も集まっていて、「ゲームそのものはEpic Games ストアでしか配信されていないのに、ゲームのファンコミュニティはSteamを使って情報交換を行っている」という状況も発生し、一部ユーザーからは大きな不満の声があがっています

Ars Technicaは「EAがSteamとの業務提携を決定したことは、Steamが多くのPCゲーマーにとって『ゲームを入手するための手段』として重要な役割を果たしていることを示しています」とコメントし、「EAがピッチフォードCEOの懸念には同調しないことは明らかです」と述べました。

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in ソフトウェア,   ネットサービス,   ゲーム, Posted by log1i_yk

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