PCゲーム販売でSteamとEpic Gamesストアの競争が激化、「The Division 2(ディビジョン2)」がSteamではなくEpic Gamesストアで配信決定

PC版ゲームの販売プラットフォームといえば「Steam」を真っ先に思い浮かべる人も多いかと思いますが、ゲームエンジンのUnreal Engineや人気オンラインシューティングのフォートナイトを開発するEpic Gamesが2018年12月に発表したばかりの独自ゲームストア「Epic Gamesストア」が、その存在感を増しています。アサシン クリードシリーズやウォッチドッグスシリーズ、レインボーシックスシリーズなどを手がけるゲームメーカー・Ubisoftが2019年3月15日に発売するPS4・Xbox One・PC向けゲームの「The Division 2(ディビジョン2)」は、PC版の配信をSteamではなくEpic Gamesストアで行うことを発表して話題となっています。

The Division 2 – PC Features & Specs Detailed
https://tomclancy-thedivision.ubisoft.com/game/ja-jp/news-updates/342087/the-division-2-pc-features-specs-detailed

The Division 2 won't be on Steam, but it will be on the Epic Games store ? Eurogamer.net
https://www.eurogamer.net/articles/2019-01-09-the-division-2-wont-be-on-steam-but-it-will-be-on-the-epic-games-store

UbisoftはPC版「ディビジョン2」の配信をSteamで行う予定でしたが、それを取り止め、Epic Gamesストアで行うことに決めたと発表しています。過去のUbisoftタイトルはSteamで配信されてきましたが、「ディビジョン2」はEpic GamesストアおよびUbisoftの独自ストアであるUbisoft Storeのみでの配信となります。加えて、今後はUbisoftの最新タイトルのPC版がEpic Gamesストアで配信されることとなることも明らかになっています。なお、既にSteam上で事前予約がスタートしているFar Cryシリーズ最新作の「Far Cry New Dawn」については、Steamで販売が行われる模様です。

既にEpic Gamesストア上にはディビジョン2の専用ページが開設されています。

The Division 2

2018年12月に発表されたEpic Gamesストアは、Steamよりも開発者に売上を還元できるゲームストアとして話題になりました。登場以降、隔週で無料ゲームを配信するなど勢力の拡大に取り組んでおり、2018年12月にはSkyboundやThe Walking Dead：The Final SeasonといったタイトルをEpic Gamesストアで配信するための契約を締結しています。

過去の取り組みと比べてもUbisoftとの配信契約の締結は「大きな進捗」と、海外メディアのEurogamerは記しています。人気タイトルであるディビジョン2は全世界で何百万本もの売上を記録すると予想されているため、Eurogamerは「(Steamの運営元である)Valveは深刻な額を逃すこととなるだろう」と記しています。

UbisoftのChris Early氏は「Epicはこれまでのビデオゲーム業界を破壊し続けています。彼らの提唱するサードパーティーデジタル配信モデルはその最たる例であり、Ubisoftがサポートしたいものでもあります」と、SteamからEpic Gamesストアへの移行理由を語っています。

なお、ディビジョン2のPC版に関する詳細は以下のムービーにまとめられています。

Tom Clancy’s The Division 2: PC Features Overview Trailer | Ubisoft [NA] - YouTube