ゲーム内の課金ガチャは「倫理的で楽しいもの」「カプセルトイと同じ」だと大手ゲームパブリッシャーがコメント

by Charles Nguyen

「Apex Legends」や「FIFA 19」などで知られる大手ゲームパブリッシャーのElectronic Arts(EA)と「フォートナイト」で知られるEpic Gamesがイギリスで開催されたパネルディスカッションの中で、近年規制強化されつつあるルートボックス(課金ガチャ)について「倫理的で楽しい」「カプセルトイと同じ手法」と語ったと報じられています。

EA: They’re not loot boxes, they’re “surprise mechanics,” and they’re “quite ethical” | PCGamesN
https://www.pcgamesn.com/ea-loot-boxes

EA: Loot boxes actually “surprise mechanics” that are “ethical and fun” | Ars Technica
https://arstechnica.com/gaming/2019/06/ea-loot-boxes-actually-surprise-mechanics-that-are-ethical-and-fun/

2019年6月19日(GMT)にイギリス議会で開かれたパネルディスカッションに、ゲームパブリッシャーであるEAとEpic Gamesから数人の代表者が参加しました。イギリスではゲームの不健康な中毒性を規制するため、ゲームメーカーに注意表記義務を課すべきだという意見が出ていて、このディスカッションの中でもゲームの中毒性についての議論が行われました。

「現実のお金を支払って、確率に応じてゲーム内アイテムをゲットできる」というルートボックスはギャンブルの一種だという批判が強く、近年は世界各地で規制の流れが強まっています。2018年4月にはベルギーで、EAの「FIFA 18」など一部のゲームにおけるルートボックスが賭博委員会によって違法と認定されました。

ゲームの「ルートボックス(ガチャ)」はベルギーでは違法 - GIGAZINE

EAの法務・政府問題担当ヴァイス・プレジデントを務めるケリー・ホプキンス氏はルートボックスの倫理面について尋ねられ、「ルートボックスはギャンブルではなく『カプセルトイの手法』だと見なしています。おもちゃ屋で昔から売られているカプセルトイを見れば、多くの人が楽しめるものだとわかります。人々は皆『驚き』を楽しんでいます」と答えました。

さらにホプキンス氏は「FIFA 19」で実装されたようなルートボックスは「かなり倫理的で楽しいものです。他の多くの製品と同じく、健康的な方法で楽しむことができます」と主張。また、ホプキンス氏はイギリスの賭博委員会が「ルートボックスはギャンブルではない」という声明を発表したことを引用し、ベルギーとオランダにおけるルートボックス規制は「違う国のギャンブル法による異なった基準によるもの」だと強調しました。

また、「世界保健機関(WHO)がゲーム中毒やギャンブル中毒を疾病及び関連保健問題の国際統計分類(ICD)に加えた」という話題に及んだ際には、Epic Gamesのマーケティングディレクターであるマシュー・ヴァイシンガー氏は「私たちは自分たちのゲームに中毒性があるとは思っていません。残念ながら『中毒』という言葉を使うことで、ゲームプレイヤーの情熱とゲームから得られる喜びが覆い隠されると思います。個人的には『中毒』という言葉が誤解を与えていると考えています」と発言しました。

by Lyncconf Games

議員から「10時間連続でゲームを遊ぶことは不健康だ」という意見が出ると、ホプキンス氏は「敬意を込めて言っているのですが、どうしてそんなことが言えるのですか？どう言えばいいですか。10時間ぶっ続けでプレーするのは健康に悪いと医者は言っていましたか？」と答えたとのこと。

EAのイギリス市場担当マネージャーであるショーン・キャンベル氏は「eスポーツでキャリアを積もうとするプレイヤーにとって、長時間ゲームをプレイすることは日課です。彼らはゲームの練習をして、ゲームのプレイに時間を費やすことが大好きです。過剰とは何かを特定するのは難しいものがあります。結局のところ、過剰とは人によってバランスを欠くものです」と述べました。

なお、パネルディスカッションの様子を収めたムービーは以下から見ることができます。

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