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Googleが次世代メッセージング規格の「RCS」をAndroid「メッセージ」アプリのチャット機能に対応させる予定

by Daniel Sancho

Googleは2019年6月中に一部の地域限定で、Android用「メッセージ」アプリのチャット機能をRich Communication Services(RCS)に対応させる予定だと、海外メディアのThe Vergeが報じています。

Google is finally taking charge of the RCS rollout - The Verge
https://www.theverge.com/2019/6/17/18681573/google-rcs-chat-android-texting-carriers-imessage-encryption


RCSはGSMAが2008年に採用した新しいインスタントメッセージプロトコルで、1990年代から使われ続けているショートメッセージサービス(SMS)に置き換わる次世代の規格として期待されています。RCSは通常のテキストに加えて、GIF形式のファイルや高解像度の画像やムービーを簡単に送信可能で、SMSよりも簡単にグループメッセージを処理することが可能です。

RCSの大きな特徴は、「RCSハブ」と呼ばれるプラットフォームがキャリア間を相互接続し、通信キャリアが違う端末同士でも相手の電話番号さえわかればテキストやファイルを送信することが可能だという点。2015年9月、RCSを次世代規格として支持していたGoogleは、RCS Universal Profileをクラウドサーバーで実装したJibe Cloud Platformを提供するJibe Mobileを買収したと報じられています。さらにGoogleは2016年11月、AndroidのメッセージアプリでRCSに対応したことを発表しました。

Googleが画像・ムービー送受信やビデオ通話に対応したSMSを置き換えるRCSプラットフォーム「Jibe」をAndroid端末に標準採用 - GIGAZINE


「メッセージ」アプリのプロダクトリーダーであるドリュー・ロウニー氏によると、Googleはエンドユーザーにメッセージを配信すると同時に、RCSバックエンドサービスからメッセージを削除し、自社のサーバーを通過するメッセージを一切残さないような仕様になっているそうです。ただし、ステッカー・画像・ムービーなど、メッセージに添付されたファイルについては全ての受信者がファイルを確実にダウンロードできるようにするため、一定期間サーバーに保持されるとのこと。


「メッセージ」アプリの製品管理責任者であるサナズ・アハリ氏は、RCSサポートの「チャット」アプリが2019年6月中にイギリスとフランスで始まる予定であるものの、それ以外の国ではどう展開するか公式のスケジュールはないと述べています。RCSチャットは端末が対応していれば利用可能とのことで、Androidに正式導入されれば、通信キャリアや地域を超えたより迅速で円滑なコミュニケーションが期待できます。

ただし、RCSはエンドツーエンドの暗号化ができないのが大きな欠点。アハリ氏は、GoogleはRCSチャットのセキュリティ面強化に努めていると語りました。

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in モバイル,   ソフトウェア,   ネットサービス, Posted by log1i_yk

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