インドが「第4の宇宙大国入り」を目指す宇宙進出計画の全容が明らかに
インド宇宙研究機関(ISRO)は2019年6月12日~13日に相次いで会見を開き、インド製月面探査機の打ち上げに関する日程や、インド独自の宇宙ステーション建造計画を発表しました。両計画が実現すれば、インドは世界で4番目に月面への軟着陸を成功させた「宇宙大国」となります。
India to have its own space station: ISRO - The Hindu
https://www.thehindu.com/sci-tech/science/india-to-have-a-separate-space-station-isro/article27898707.ece
India hopes to become fourth country on the moon in September - CNN
https://edition.cnn.com/2019/06/13/india/india-moon-mission-intl/index.html
インド宇宙研究機関(ISRO)の長官Kailasavadivoo Sivan氏は2019年6月12日の会見で、月面探査機「チャンドラヤーン2号」を搭載した宇宙ロケットを2019年7月15日午前2時51分(日本時間は同日午前6時21分)に打ち上げると発表しました。
????????#ISROMissions ????????#Chandrayaan2
— ISRO (@isro) 2019年6月12日
“The launch of Chandrayaan-2 is planned on July 15, 2019 at 02.51 Hrs from Sriharikota. Soft landing of Vikram lander on lunar surface is likely to be on September 06, 2019" Dr K Sivan announced in today's Press Meet pic.twitter.com/5R8dneN3lF
ヒンディー語で「月の乗り物」という意味の名前を持つこの月面探査プロジェクトは、ISROが2008年10月に打ち上げた「チャンドラヤーン1号」の後継機で、軌道上から探査を行う「オービター」、月面に着陸する「着陸船:ビクラム」、月面探査を行う「探査ローバー:プラギヤン」の3つで構成されています。
「チャンドラヤーン2号」の主なミッションは、月の南極にある一切太陽光が当たらない領域・永久影の探査や地震活動の観測を通じて月の起源や成り立ちを明らかにすることです。また、打ち上げにはインドが独自に開発したGSLV-MkIIIロケットが使われるほか、月面探査の要となる着陸船やローバーもインド製とのこと。
会見でSivan氏は、「着陸船が月面に到着するまでの15分間が正念場です」と、困難なミッションに臨む意気込みを語りました。月面探査計画が成功すれば、インドはアメリカ・ソ連・中国に続き、世界で4番目に月面着陸を成功させた国になります。
by miniyo73
また、Sivan氏は翌日の6月13日にも会見を開き、2030年までにインド独自の有人宇宙ステーションを開発する計画を打ち出しました。インドはかねてから世界で4番目となる有人宇宙を実現させる「ガガニャーン宇宙飛行船」の打ち上げ計画を発表しており、宇宙ステーションの建造はこのプロジェクトを発展させたものだと見られています。
インドが2022年までに有人宇宙飛行を目指すことを発表、実現すれば世界で4番目 - GIGAZINE
宇宙ステーションは20トンクラスの比較的小規模なもので、微小重力実験を実施することが主な目的です。また、宇宙ステーションはほかの国際プロジェクトに依存しない100%インド単独のものになるとのことですが、「将来的には月より遠くの国際的な有人宇宙探査ミッションにも参加していく予定です」とSivan氏は語っています。
インドのメディアThe Hinduによると、ISROは今回発表したプロジェクトの他にも、地球周回軌道から太陽光コロナを観測する「Aditya-L1」や金星探査ミッションなども計画しているとのことです。
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