ロシアが2030年の有人月着陸を目指していることが判明
by Drew Tilk
NASAが2024年までに人類を再び月面に送る「アルテミス計画」を発表したのに続き、ロシアで宇宙開発全般を取り仕切る国営企業・ロスコスモスの最高責任者であるドミトリー・ロゴジン氏が、ロシアも2030年に宇宙飛行士を月へ送り込むことを計画していると発表しました。
Дмитрий Рогозин: «Посадите человека, если виноват, чего шуметь-то?»
https://www.business-gazeta.ru/article/425646
How Russia (yes, Russia) plans to land cosmonauts on the Moon by 2030 | Ars Technica
https://arstechnica.com/science/2019/05/how-russia-yes-russia-plans-to-land-cosmonauts-on-the-moon-by-2030/
計画は、モスクワ大学で行われたロゴジン氏による講義の中で明らかになったもの。講義の様子はPeriscopeで配信されています。
РОСКОСМОС: "Выступление Дмитрия Рогозина в МГУ им. М.В.Ломоносова"
ロゴジン氏の資料に寄れば、ロシアによる宇宙開発計画のスケジュールは以下のような感じ。
2021年7月:無人月着陸船・ルナ25号(ルナグローブランダー)打ち上げ
2022年:有人宇宙船・フィディラーツィヤの地球低軌道での飛行試験
2023年:フィディラーツィヤ、国際宇宙ステーション(ISS)へ向けて打ち上げ
2024年:フィディラーツィヤのクルー、ISSへ移動
2024年:月周回軌道から月探査
2025年:ルナ28号(ルナグルント)、月からのサンプル回収に向けて打ち上げ
2026年~2028年:フィディラーツィヤ、深宇宙で無人飛行試験
2027年:ルナ28号、月の土を持って地球に帰還
2029年:月軌道へ有人飛行
2029年:月着陸船・自律型月面車・月基地モジュールの試験
2030年:有人での月着陸
冷戦期にアメリカとソビエト連邦が宇宙開発競争を繰り広げたことがあり、ソ連は1961年4月にガガーリンを乗せたボストーク3KA-2で世界初の有人宇宙飛行を成功させていますが、有人月面着陸では1969年7月のアメリカ・アポロ11号が先行。ソ連は月到達を諦め、その後、ロシアでも月面到達はいまだ成し遂げていません。
しかし、こうした競争の歴史はあるものの、ロスコスモスの姿勢はNASAに対抗してのものではないようで、ロゴジン氏はNASAとの協力について質問を受けて「必要であり、自然なこと」と語っています。
РИА Новости. Интервью Дмитрия Рогозина - Интервью - Госкорпорация «Роскосмос»
https://www.roscosmos.ru/26381/
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