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親から離れたがらない子どもにはどう接すればいいのか?

by reaklop2

親が子どもを育てていく中で、「親の姿が見えなくなるたびに子どもが泣いてしまう」「外に出ても子どもが親から離れたがらない」「行事に参加しても子どもがずっと親にしがみついている」といった問題に直面することもあります。そんな親から離れたがらない子どもにどう接すればいいのかについて、ディーキン大学で心理学の上級講師を務めるエリザベス・ウェストラップ氏が解説しています。

Is my child being too clingy and how can I help?
https://theconversation.com/is-my-child-being-too-clingy-and-how-can-i-help-115372

子どもが親から離れるのを嫌がってしがみつく行為は、非常に強い感情的行動です。幼児だけでなく小学校高学年になっても、子どもは親にしがみつく行動を示すことがあるそうで、幼児の場合は親から離れることへの拒否反応から泣きわめいてしまうこともあります。これらの反応は決しておかしなことではなく、親は子どもの反応をしっかりと受け止めることが重要だとのこと。


親から離れることへの恐怖や、自分の周囲が親などのよく知った人ではない他人に囲まれることへの不安から、子どもたちは親にしがみつきます。子どもは発達するに従って自我を持つようになり、その結果として自分の意思を表明し、周囲の環境に影響を及ぼしたいと願う感情から、「親にとどまっていて欲しい」という望みを訴えるために親にしがみつくと、ウェストラップ氏は指摘しています。

子どもたちは両親に対して強い愛着を抱くように社会的・生物学的にプログラムされており、保護者の存在は子どもたちが世界を探索し、自立していく課程において「愛情のある拠点」であるとのこと。

by ArtWithTammy

子どもたちが親にしがみつく行動を取る頻度や行動の強度は、いくつかの条件によって増加することがあります。1つ目が「子どもの性格」であり、非常に内気であったり非社交的な子どもは親から離れるのを嫌がるほか、感情を激しく表に出すタイプの子どもも、親から離れるのを嫌がって行動を起こしがちです。

2つ目の条件は、「大きなイベントや変化」です。新しい兄弟の誕生や引っ越しのほか、幼稚園や保育園、小学校への入学だったり、新しいクラスへの登校だったりといった大きな変化に直面した子どもは親から離れるのを不安に思います。

3つ目が「他の家庭的問題」となっており、親の別居や離婚、親がストレスまたは心身に問題を抱えている場合、子どもは親の変化を敏感に感じ取って不安を覚えます。親が不安に直面している時は子どもに大人しくしていて欲しいと思うはずですが、残念ながら親の不安を感じ取った子どもは親から離れるのを嫌がり、さまざまな手がかかる行動を起こしがちだとウェストラップ氏は述べました。

by Deedee86

そんな親離れを嫌がる子どもの行動に対し、親がどう対処するべきなのかについても、ウェストラップ氏は解説しています。

◆1:子どもにとって安全な拠点となる
多くの子どもは新しい環境への不安で親にしがみつきます。潜在的な危険がある場所へ子ども一人で入り込むことは危険なため、これは発達上適切な行動だとのこと。その一方で、子どもが親から離れて自分の能力に自信を持つことも重要です。

親は子どもの安全な拠点となりつつ新たなチャレンジをサポートして、子どもが新しい環境に慣れる手助けをすることができます。たとえば新しい保育所へ入ることを子どもが不安がっているのであれば、最初のうちは親も一緒に保育所でしばらく過ごすことで、子どもは信頼できる親を感じつつ保育所に慣れていくことができるとのこと。

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◆2:子どもの気持ちを理解する
子どもが親にしがみつくことは、必死で自身の感情を訴えているのと同じです。たとえ親が無視しても子どもが抱える感情自体は解消されないため、問題の解決にはなりません。親は子どもが抱えている不安や恐怖といった感情について話し合い、子どもが自身の持つ感情を理解して調整する手助けをするべきだそうです。

◆3:自信と穏やかさを持って子どもに接する
親は子どもにとって重要なロールモデルであり、親の行動を見て子どもは自分がどうするべきかを学びます。そのため、子どもが不安を感じている時にこそ、親が自信を持って穏やかに対応するべきであるとウェストラップ氏は指摘。たとえば小学校の入学時には、新たな環境が安全なのかどうか子どもは不安に思います。そこで、親が子どもに対して「小学校は安全な場所だ」と自信を持って対応すれば、子どもはそれを見て小学校への不安を和らげられます。

◆4:これから起きることについて話し合う
子どもに限らず、人間は未知のものを恐れます。新しい環境は何が起きるのかわからないため子どもにとって脅威ですが、親がこれから何が起きるのかを話してあげることで、子どもは未知への不安を軽減し、落ち着くことができます。病院に行くような場合でも、「これから服を着替えて荷物を持って幼稚園の近くにある病院に行き、受付を済ませてお医者さんに会う」といった今後の予定を話してあげることが重要です。

by Pexels

一方で、あまりにも子どもがしつこい場合は、何か他の問題があるのかもしれません。そのため、「子どもが親から離れたがらない理由がハッキリしているか」「日常生活の妨げになるレベルか」「毎日のように問題行動が発生し、それが4週間以上続いているか」といった項目に照らし合わせ、子どもの生活に支障が出ていると判断できる場合は、医師やカウンセラーなどの専門家に相談するべきだと、ウェストラップ氏はアドバイスしました。

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in メモ, Posted by log1h_ik

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