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ルートボックス(ガチャ)や課金でゲームが有利になるようなシステムを禁止する新法案が登場

by ulricaloeb

日本のスマートフォン向けゲームなどでは「ガチャ」の名で知られる課金でランダムにアイテムをゲットする「ルートボックス」や、現金で購入したアイテムによりゲームが有利になるようなゲームバランスとなる「Pay to Win」課金サービスを禁止するため、アメリカ上院議員が新しい法案を発表しました。

U.S. Senator Introduces Bill To Ban Loot Boxes And Pay-To-Win Microtransactions
https://kotaku.com/u-s-senator-introduces-bill-to-ban-loot-boxes-and-pay-1834612226


Game studios would be banned from selling loot boxes to minors under new bill - The Verge
https://www.theverge.com/2019/5/8/18536806/game-studios-banned-loot-boxes-minors-bill-hawley-josh-blizzard-ea

アメリカ上院議員のジョッシュ・ホーリー氏が、「未成年者がプレイするゲーム」の中で「ルートボックス」および「Pay to Win」的な課金サービスを禁止するべきだという法案を発表しました。

新法案を発表したホーリー氏は自身のTwitterアカウントで、「ビデオゲーム会社はPay to Winやルートボックスといったシステムを使って、ゲーム中毒の子どもが親のお金を使うように仕向けています。ゲーム業界は成長する中毒経済における自身の役割に取り組む必要があり、子どもたちからの搾取を止めるべきです」とツイートしています。

Video game companies are using “pay-to-win” and “loot box” systems to addict children to their games and spend their parents money. The industry needs to be upfront about their role in America’s growing addiction economy & stop practices that exploit kids https://t.co/05AaGbojY8

— Josh Hawley (@HawleyMO)


ホーリー氏が発表した新法案は「子どもを搾取的なゲームから保護する法律(The Protecting Children from Abusive Games Act)」というもので、その名の通り、金銭的な感覚が養われていない子どもから搾取するかのような、「ルートボックス」や「Pay to Win」といったシステムを禁止するための法案です。


ホーリー氏が新法案を発表した報道資料の中には、Pay to Win課金サービスの具体例として、アクティビジョン・ブリザード傘下のKingが提供するスマートフォン向けゲーム「キャンディークラッシュ」の中で150ドル(約1万6000円)で販売されている「Luscious Bundle(日本語版では「グルメパック」)」を挙げています。また、新法案はオンラインゲームのルートボックスや、その他の「課金からゲーム上での利益を得ようというサービス」についても適用されるとのことです。

報道資料の中でホーリー氏は、「ゲームが子ども向けに設計されている場合、ゲーム開発者は中毒性を収益化するようなことがあってはいけません。そして、子どもが大人向けに設計されたゲームをプレイするときであっても、衝動的な課金サービスから守られるべきです。故意に子どもを搾取するようなゲームの開発者は、法的な影響に直面すべきです」と語っています。

by Attentie Attentie

ルートボックスやPay to Winといったシステムが問題視されるのはこれが初めてのことではなく、過去にはAppleが「ガチャの確率開示」を義務化したり、一部の国では実際に法律で禁止されるにまで至っています。アメリカでも「Star Wars バトルフロント II」のルートボックスが問題になった際に、連邦取引委員会(FTC)がルートボックスの調査を約束しました。その後、一部の企業はルートボックスを撤廃しましたが、依然としてオーバーウォッチ、FIFA、Apex Legendsといった人気ゲームが、ルートボックスなどの手法で大きな利益を得ており、これらのゲームの多くは大人と子どもの両方にプレイされています。

ゲーム業界のロビイスト団体であるエンターテインメントソフトウェア協会は、ホーリー氏の発表した新法案について、「アイルランド、ドイツ、スウェーデン、デンマーク、オーストラリア、ニュージーランド、およびイギリスを含む多数の国は、ルートボックスはギャンブルではないと判断しました。両親の手でゲーム内の支出を管理し続けることができるように、業界は提供しているツールや情報を上院議員と共有することに前向きです。また、子どもの親は既に使いやすいペアレンタルコントロールシステムで、ゲーム内課金を制限したり禁止したりすることができます」という声明を出しています。

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in ソフトウェア,   ゲーム, Posted by logu_ii

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