「分子エレクトロニクスとは何か?」をアニメーションでわかりやすく解説するとこうなる
by fdecomite
分子を使った電子機能「分子エレクトロニクス」は近年、研究者が注目する分野となっています。分子エレクトロニクスとは一体何か?ということについて、王立化学会がYouTubeのアニメーションで解説しています。
ChemSci Pick of the Week: Molecular electronics - YouTube
私たちの生活はさまざまな面において、粒子の相互作用に依存しています。
そのため粒子の性質を明らかにすることで、技術の発達が見込まれます。
例えば、デバイスの小型化はデバイスを構成するコンポーネントのサイズに制限されますが、安定した構造として最小サイズの「分子」を使うことで電気回路自体を小さくすることが可能ではないか?と注目を浴びています。
しかし、分子レベルの電子装置は量子の世界でコントロールすることになり、記事作成時点では非常に難しいこと。
そこで現代の科学研究では、炭素鎖の性質を集積二重結合の性質とともに理解することにより問題の解決に取り掛かっています。
分子のつながりは空間的な分子軌道の方位によって決まります。
この前提のもと、二置換の炭素鎖ファミリーの量子力学的な特徴を利用することで……
らせん型の分子軌道を作り出すことが可能。
研究者は、このようならせん型分子軌道の上で、電流が輪状に流れることを発見しました。
また電流の方向は分子軌道が巻いている方向に左右されることもわかりました。つまり、電流が分子の構造と方向によってコントロール可能であることが示されたのです。
「デバイスのサイズ縮小」という目的が、電子回路の主要なコンポーネントを形作る分子を操作することにつながり……
そこから興味深い新たな研究が切り開かれてきました。
今後、上記のような炭素鎖がカーボンナノチューブやカルビンといった物質に応用されていくことも考えられるとのことです。
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