Waymo(元Google)が自動運転車搭載のLIDARセンサーを他分野に向けて販売開始
GoogleからスピンアウトしたAlphabet傘下の自動運転車開発企業のWaymoが、自動運転車に搭載している自社開発のLIDARセンサーをロボット、セキュリティシステムなどの他分野に向けて販売開始すると発表しました。
Bringing 3D perimeter lidar to partners – Waymo – Medium
https://medium.com/waymo/bringing-3d-perimeter-lidar-to-partners-6beaa7d3dcc2
Waymo is sharing some of its lidar tech with other companies - Roadshow
https://www.cnet.com/roadshow/news/waymo-self-driving-car-lidar-laser-bear-honeycomb-sharing/
Waymo starts selling its LiDAR sensors to power robots, security systems, and more
https://mashable.com/article/waymo-sells-lidar-sensors/
WaymoはもともとGoogle内の自動運転車開発部門でしたが、2016年に分離してGoogleの親会社であるAlphabetの傘下企業となりました。すでにアメリカのアリゾナ州やカリフォルニア州の公道で、自動運転車を運転手なしで走行させるテストを行っています。また、2018年末には自動運転車を使った配車サービス「Waymo One」を正式に開始し、自動運転車部門をリードする存在となっています。
自動運転車に乗れる配車サービス「Waymo One」が24時間体制でサービスをスタート - GIGAZINE
10年以上にわたってWaymoは自動運転車の開発を行っており、Waymoの自動運転システムが進化するにつれて、市販のセンサーではWaymoの自動運転車にとって十分ではないことに気がついたそうです。そこで、2011年からWaymoは自社で自動運転車用のセンサー開発を開始し、洗練された独自のLIDARセンサー開発に至ったとのこと。
「Laser Bear Honeycomb」と呼ばれるWaymo独自のLIDARセンサーは、95度の垂直視野と360度の水平視野を持っており、1つのセンサーで自動運転車などに必要なセンサーをまかなうことが可能。また、異なるパルスの光を照射することで異なるオブジェクトの位置や形を検知することができるとしています。これは、手前の物体に遮られたさらに奥に位置する人や自転車の存在を検知可能にし、周囲の環境をよりよく把握するのに役立ちます。もちろんゼロ距離に近い位置の障害物も検知可能となっており、Waymoの自動運転車に搭載するにふさわしいスペックとなっています。
確かにWaymo Oneも収益源の一つであるものの、記事作成時点では公道を走るWaymoの自動運転車はせいぜい400台ほどであり、Waymoを支える大きな収益源と呼ぶには心もとない状態です。そこでWaymoは、自社で開発した自動運転車搭載のLIDARセンサーを売り出し、自動運転車サービス以外にも収益源を確保しようと試みています。
Waymoは自社製のLIDARセンサーが「ロボット工学、セキュリティ、農業機械といった自動運転車以外の分野でも、大きな技術的進歩をもたらすことができます」と述べており、提携したパートナーに対してLIDARセンサーを販売すると発表しました。詳細な価格等は判明していませんが、興味を持った企業はコンタクトフォームからWaymoにLIDARセンサーの購入を打診し、やり取りを行うことが可能となっています。
Lidar - Laser Bear Honeycomb – Waymo
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