動画

なぜ人は孤独を感じるのか、どうすれば孤独から逃れることができるのか?

by rubberduck1951

現代社会に生きる人々は頻繁に「孤独」に悩まされており、時には孤独を紛らわせるためにアルコールやドラッグなどに依存してしまうこともあります。孤独はつらいことであるにもかかわらず、なぜ人は孤独を感じてしまうのか、孤独に対処するにはどうすればいいのかについて解説したムービーがYouTubeで公開されています。

Loneliness


私たちは昼食時に一緒に食べる友だちが見つからなかったり……


引っ越しでこれまでと違う環境に身を置くことになったりすると、孤独を感じます。


私たちの誰もが孤独を感じるものですが、ここ数十年の間で孤独を感じることが多くなってきています。イギリスでは18歳から34歳の人々のうち60%が孤独を感じており、アメリカでは全人口の46%が定期的に孤独を感じているとのこと。


インターネットやSNSの発達により、私たちはかつてないほど多くの人々とつながることができる時代に住んでいます。その一方で、孤独を感じる人の数も、これまでにないほどに増加しているのです。


一人で過ごしていることと、孤独であることは同じではありません。多くの人々に囲まれていても、人は孤独を感じることがあります。


孤独は主観的で、個人的な経験です。


一般的には、孤独は「他人との話し方がわからない」「知らない人たちに囲まれた状況での振る舞い方がわからない」といった人々に多い問題と思われがちですが……


研究の結果、社会的なスキルと社会的な関係の多さの間には関連がないことがわかっています。人との接し方がうまい人であっても、孤独を感じることがあります。


また、いくら富や名声を得ていようと、孤独は感じるもの。孤独とは生物学的なものだからです。


孤独とは、人が空腹を感じるのと同じような身体的機能です。空腹を感じると、体が食べ物を欲しているとわかるように……


孤独を感じる人は社会的なつながりを欲しています。


かつて、人間にとって社会的なつながりは生き残る可能性を高めるものでした。人間の先祖はお互いに協力して生き延びるために社会的なスキルを発達させ……


ちょっとした表情や声のニュアンスで人の感情を読み取り、社会的なつながりを維持できるように進化してきたのです。


かつて人間は50~150人ほどのコミュニティで暮らしていました。暖を取るにも食事にありつくにもたった1人だけでは難しいものであり、コミュニティ全体で協力する必要がありました。


孤独に陥ることはすなわち「死」を意味します。そのため、人間は社会的なスキルを磨き、他の人と仲良くすることが生存にとって重要なものになったとのこと。


そこで人間は孤独によって「痛み」「苦しみ」を覚えるようになりました。


もしもコミュニティから疎外されるような行動を取ってしまった場合、すぐに痛みを覚えてコミュニティに復帰できるように行動する必要があるからです。


孤独に痛みを感じなければコミュニティからはぐれても気にすることがなく、やがて手遅れになって死んでしまいます。


長年にわたってうまくいっていたこのメカニズムは、人間が新たな社会を築くことによって変化を迎えます。西洋文化はルネサンスを経て「個人」に焦点を当てるようになり、産業革命によって社会構造も大きく変化しました。


人々は仕事や教育のために長い距離を移動し、過去に比べて他人との接触が減っています。


多くの人々は仕事や勉強、Netflixなどで時間がありません。そこで友だちとの接触を減らして時間を捻出していますが……


やがて自分が孤独であることに気づいてしまい、いつしか孤独が慢性化してしまいます。


テクノロジーが発達しても、人間の体は基本的に5万年前から変わっていません。そのため、孤独によって痛みを感じる機能は依然として残っているとのこと。


孤独によるストレスは人々を老化させ、免疫システムが弱まるなどの悪影響を与え、肥満やたばこに匹敵するかそれ以上の害をもたらします。


孤独による社会的苦痛は、人々に防御態勢を取らせます。人々は周囲を危険な状況だと認識し、至る所で敵意や害意を見いだすようになるとのこと。


人々が孤独を感じる時、脳は社会的シグナルに対して非常に敏感になるだけでなく、適切にシグナルを受容できなくなると研究で判明しています。


他人の表情や言葉に対して必要以上に敏感になる一方、脳は人々の態度や感情を読み違えることが増えてしまいます。そのため、たとえ相手が中立的な感情を有していても、「この人は自分のことが嫌いなんだ」「自分に敵意を向けられている」と考えがち。


孤独によって他人の意図を読み違えることが増えると、社会に対しての不信感を募らせてしまい……


さらなる孤独へと自ら突き進んでしまうことが少なくありません。


孤独が自分の人生において大きな割合を占めている場合、人々は孤独のワナにはまりがちです。


ちょっとしたすれ違いに対して必要以上にネガティブな感情を抱き、他人に対する敵意を増していった結果……


人々は社会的なつながりを自ら避けることが増えます。これによって人々はさらなる孤独を感じてしまうとのこと。


この負のサイクルから逃れるのは難しく、教室でほかの人から離れて座ったり……


人からの招待を断り続けるようになります。


何年もかけてゆっくりと孤独は人々に忍び寄ります。孤独感がやがてうつ病などに発展してしまうことも少なくありません。


孤独に対処するには、まず「孤独を感じるのは当たり前の感情だ」と受け入れることが必要だそうです。


人々は人生のあらゆる場面で孤独を感じるものであり、魔法のように突然孤独が消え去るのを待っていてもうまくいきません。


そこで、まずは「自分が孤独を感じている」と認識し、その原因を取り除くための行動を起こすことが重要だとのこと。


本当にほかの人は自分に対して敵対的であったのかを考え直し……


自分が誰かの言葉に自らネガティブなニュアンスを付け加えていたのではないかと、自分自身を振り返ってみることが大事だそうです。


ひょっとすると敵対的に見えていた知り合いの行動は……


次の予定に間に合うかどうかを気にしていただけかもしれません。


自分自身が周囲の人を避け、招待を辞退するいいわけを探しているようならば……


自分が本当にその状況を望んでいるのか、それとも新しいつながりが欲しいのかを考えてみるべきだとのこと。


自分で自分の状況を解決できない場合は、専門家に助けを求めることも重要です。


専門家に頼ることは「逃げの行動」ではなく、自分の環境を変えるための「勇気のある行動」であると認識を改める必要があります。


人間はほかの人と関わらなくても生きていけるような世界を作ってきましたが……


社会的なつながりが人間にとって非常に重要なものであることは、何万年も昔から変わっていません。


もしも孤独を感じているならば、試しに誰かにメッセージを送ってみたり……


しばらく会っていない友人にメールを書いてみたり、同僚を喫茶店に誘ってみたりといった行動を取ることが大事です。


何人かは自分の行動に肯定的なリアクションを取らないかもしれません。しかし、人間はそれぞれ求めているものが違うため、それも当然のこととして気にしないことが重要。


筋肉を鍛えるように、少しずつ意識して社会的な接触を増やしてみることが、孤独に対処するために必要なのです。

この記事のタイトルとURLをコピーする

・関連記事
人生には孤独が身に染みる「3つの年代」が存在する - GIGAZINE

「孤独」が不快でつらいのは体に危険だと警告しているから - GIGAZINE

無人島でたった一人孤独に暮らし「心は安らいでいる」と語る男性、一体どのような生活なのか? - GIGAZINE

世界から隔絶された空間で孤独に生活すると人はどのようになってしまうのか? - GIGAZINE

孤独感をやわらげるにはネットでなくリアルで顔と顔をつきあわせる必要があることが研究で判明 - GIGAZINE

孤独になるのは致命的、社会的に隔離されることは肥満よりもはるかに有害 - GIGAZINE

in 動画, Posted by log1h_ik

You can read the machine translated English article here.