無人島でたった一人孤独に暮らし「心は安らいでいる」と語る男性、一体どのような生活なのか?
「孤独」は一般的に人に悪影響を及ぼすものであり、その影響力は「肥満よりもはるかに有害」ともいわれています。しかし、イタリアの無人島でたった1人隠者のように暮らしている男性は、「心が安らいでいる」と語っています。一体男性はどのような暮らしを送っているのか、YouTubeチャンネルのGreat Big Storyが迫っています。
I Live Alone in an Island Paradise - YouTube
せわしない人混みと対象的に……
映し出されたのは、1989年以降、「島の守護者」として存在するという男性の後ろ姿。
何年も人と会っていないと話す男性は、人生のある時点で自然と共に暮らすことを選択しました。
「人生はこうあるべき」という強い思いから、男性は街中ではなく島の暮らしを始めたそうです。
男性が暮らすのは、イタリアのサルデーニャ島の北側にある、ラ・マッダレーナ国立公園の一部、ブデッリ島。船でしかアクセスできないブデッリ島は、地中海で最も美しい島の1つだといわれています。
広大な自然が広がっています。
道なき道を歩くのは……
マウロ・モランディさん。
「私がここに来たのは偶然で、当時はブデッリ島の存在すら知りませんでした。しかし、島の管理者が2日前に退役したと聞き、『幸運な偶然だ』ということで後を継いだのです」とのこと。
「美は人が存在しない場所にあります」とモランディさんは語ります。
海岸にぽつんとある建物が、モランディさんのおうち。
「ようこそ」と出迎えてくれたモランディさんの脇には、天井からつり下げられたベッドやテーブル、ソファが並びます。
島には電気が通っていないので、家の屋根に設置されたソーラーパネルで発電が行われています。
水は雨水を利用しているとのこと。
モランディさんが「クリスマスツリー」と呼ぶ木には、さまざまなものがつるされています。
バケツやサンダルに……
浮輪っぽいものなど。
「木に吊されているオブジェクトは人々が海に与えたものです。みんななんて寛大なんでしょうね?」とモランディさん。
「ここでの生活は、夏と冬で大きく違います」
「冬の間は誰もこないので、私は毎冬平均して30~40冊の本を読みます」と語るモランディさんにとって、本は「友だち」とのこと。
「本は絶対にあなたを裏切らないし、それどころかあなたを成長させてくれます」
インタビュアーに「植物、動物、通りがかりの人など、島についてどのくらい知っていますか?」と聞かれると、「全て覚えていますよ」と回答。
「私は植物学者に変わってしまったようです」とモランディさん。
「美しいでしょう、これがピンクビーチです」と語るモランディさんの前には真っ白な砂浜が広がっています。
「ピンクビーチ」という名の通り、その昔はこの場所にピンク色の砂が広がっていたのですが、今ではピンク色が失われています。
よく見ると、確かにピンク色っぽい部分もありました。
ピンクビーチには1994年だけで3000人もの人が訪れました。そして人々はボトルやバッグに砂を入れて持って帰ってしまったとのこと。自然がビーチを作るのに1万年かかりましたが、人はわずか20年でそれを破壊してしまったのです。
島で暮らして最初の1年、「誰とも話したくない」と考えたモランディさんは、ゲートを作り人が島に入れないようにしました。それこそ隠者のように暮らしていたといいます。
しかし、自分は自然の美しさを独り占めしていると気づき、自分を「自分勝手だ」と考えるようになったとのこと。記事作成現在では、人が訪れることができるように、島は開かれた状態のようです。
「いつもここに座っているんだ」とモランディさん。
美しい自然を一望できるスポットです。
「彼女は私にとてもよくしてくれているよ」と語るモランディさんのいう「彼女」は島のこと。「私は29年間、冬に一度も風邪を引いたことがありません」「私の体が許す限り、私はここで過ごすつもりです」
「私の心は安らいでいます。自分の考えに従って動き、心は平穏で、一人での暮らしに満足しています」
「ブデッリを愛しています。そして彼女も私を愛しているように見えますが、どうでしょうね。私は愛されていると思いますよ」とモランディさんは語りました。
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