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ウネウネとヒレを動かして氷の上や水中を進むロボット「Velox」の開発が進行中


ニューヨークのブルックリンに本拠を置くエンジニアリング企業Pliant Energy Systems(PES)が、流体についての分析を行いより少ないエネルギーで流体を流すエンジニアリングノウハウを開発しました。それに伴って、プロペラを使うのではなくシート状のヒレを波打たせることで推進するロボット「Velox」の開発にも成功し、実際にウネウネと動くロボットが水中や氷の上を進むムービーをYouTubeに公開しています。

Ice-skating Robot Also Swims


アイススケート場に張られた氷の上にのっているのが、PESによって開発されたVelox。


背骨のような形状をした胴体部分の下にペラペラのヒレがつながっており……


ヒレがウネウネと動くことで氷の上をスイスイと動きます。


厚さのないヒレだけで体を支えているだけでなく、かなりスムーズに氷の上を移動したり方向転換したりできる模様。前に進むだけでなく、体の向きを変えずに後ろへバックすることもできます。


ヒレをくねらせるだけでVeloxは意外なほど早く移動し……


ちょっと気持ち悪さを感じるほど。


Veloxは氷の上だけでなく、ヒレが埋まってしまうような積雪の上を動くことも可能。


一面の雪の上を進む際は、ヒレが氷の上を進む場合と違って90度横向きに倒されています。


胴体とヒレは10個もの連結部でつながっており、それぞれが微妙にズレて動くことでヒレにうねりをもたらしているようです。


Veloxは水中でも使用可能で……


横向きになったヒレをくねらせながらスイスイと泳ぐ様子は、まるで古代カンブリア紀に生息したアノマロカリスを連想させます。


水中でもそこそこのスピードを誇っています。


もちろん水中だろうと方向転換は自由自在。


その場でクルクルと回転することもできるようです。


Veloxは水中からそのまま陸地へと上がることも可能で……


その際はヒレを90度立てることにより、陸上モードへと切り替わる模様。


PESのCEOであるPietro Filardo氏は海洋生物学などの知識を元にVeloxを開発したとのこと。潜水艦などで使用されるプロペラの代わりに柔軟でうねるシートを用い、搭載されたCPUがシートを動かしてアカエイなどと似た原理でVeloxは水中を進みます。

陸上でも推進可能なVeloxは氷や砂地、舗装された地面や小石が敷き詰められた場所など、さまざまな路面環境に対応。研究資金の一部はアメリカ海軍研究所から支給されており、海岸に待機した軍隊へ医療用品や弾薬を補給するなどの活用方法が模索されているそうです。


また、シートをうねらせる推進方式は地面の堆積層や植物といった環境へのダメージが少ないため、デリケートな自然環境での探査などにも役立てられる可能性があるとPESは考えています。

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in ハードウェア,   サイエンス,   動画, Posted by log1h_ik

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