【訃報】あの「スポンジ・ボブ」の生みの親であるステファン・ヒーレンバーグ氏死去

1999年にアメリカで放映開始した「スポンジ・ボブ」は、子どもから大人まで幅広い世代に人気のあるアニメシリーズです。そんな「スポンジ・ボブ」の生みの親であり、同シリーズのエグゼクティブプロデューサーを務めたステファン・ヒーレンバーグ氏が、2018年11月26日に亡くなったと報じられています。57歳でした。

Stephen Hillenburg Dead: SpongeBob Squarepants’ Creator Was 57 – Variety
https://variety.com/2018/tv/news/spongebob-squarepants-creator-dead-dies-stephen-hillenburg-1203037362/

ステファン・ヒーレンバーグ氏は1961年8月21日、アメリカのオクラホマ州に生まれました。1984年にフンボルト州立大学を卒業。在学中は海洋資源に重点を置いた自然資源計画について研究を行っていたそうです。卒業後はカリフォルニア州デイナポイントにある海洋研究所で海洋生物学の教師となりました。ヒーレンバーグ氏の海洋研究所での研究や経験が後に「スポンジ・ボブ」のキャラクターや世界観に大きく影響を与えたとのこと。

1987年、ヒーレンバーグ氏はカリフォルニア美術大学で実験アニメーションの学位を取得、1992年には修士号を取得しています。同年、オタワ国際アニメーションフェスティバルで、短編部門で最優秀アニメーション・コンセプト賞を受賞。その後もさまざまな国際アニメーションフェスティバルに出演しました。1993年から1996年には、児童向け番組専門のケーブルテレビ(CATV)チャンネル「ニコロデオン」で、「ロッコーのモダンライフ」の監督と脚本を手がけました。

SDCC 'Rocko’s Modern Life: Static Cling' Sneak Peek | Rocko's Modern Life | Nick - YouTube


その後、研究所に勤めていた頃に留学生用の学習資料として描いていたコミック「The Intertidal Zone」を原案としたアニメーション「スポンジ・ボブ」の制作を開始。1999年5月1日に放送が開始された「スポンジ・ボブ」は、2018年に至るまでおよそ250話以上のエピソードが放映されています。子ども向けアニメと銘打ってはいますが、大人にも「スポンジ・ボブ」のファンは多く、ファンによる自主的な鑑賞会もしばしば開催されているそうです。「スポンジボブ」はエミー賞などさまざまな名誉ある賞を受賞し、英語・日本語・アゼルバイジャン語・マオリ語など、60以上の言語で吹き替えられています。

SpongeBob’s Funniest Moments from NEW Episodes! ???? | SpongeBob SquarePants | Nick - YouTube


2004年にはヒーレンバーグ氏が監督・脚本を務める劇場版の「スポンジ・ボブ/スクエアパンツ ザ・ムービー」が公開され、全世界で1億4000万ドル(約160億円)の売上げを達成しました。また、2015年に公開された劇場版二作目「スポンジ・ボブ 海のみんなが世界を救Woo!」では、ヒーレンバーグ氏はエグゼクティブプロデューサーとして関わっていました。

ヒーレンバーグ氏の死因は筋萎縮性側索硬化症(ALS)で、2017年3月に診断されたことを明らかにしたばかりでした。

ニコロデオンは、Varietyに対して「ステファン・ヒーレンバーグ氏がALSとの戦いで亡くなったというニュースには驚いています。彼はニコロデオンの誰にとっても愛すべき友人であり、ずっと創造的なパートナーでした。ご家族にはお悔やみを申し上げます。ヒーレンバーグ氏は独特のユーモアと無邪気さを感じる『スポンジ・ボブ』で世代を超えて子どもや家族を喜ばせました。彼の作り上げたキャラクターは楽観主義、友情、そして無限の想像力の価値を思い起こさせるものとして長く続くでしょう」とコメント。公式Twitter上でもヒーレンバーグ氏への追悼の意を示しています。