「iPhone XS」シリーズ発売後初の決算でAppleは過去最高の売上を達成するも株価は下落、来期からは販売台数の発表を取りやめへ
Appleが2018年第4四半期(9月期)の決算を発表しました。iPhone XS/XS Max発売直後の売上高は昨年同期比20%増で過去最高となる620億ドル(約7兆1000億円)となり、成長著しいサービス関連の売上も史上最高となる約100億ドル(約1兆1300億円)をマークするという好調さを見せているものの、市場の予測よりも低調だったことからAppleの株価は時間外取引で一時4%の下落をマークしています。また、2019年第1四半期の決算発表からはiPhoneやiPad、Mac製品の個別の販売台数を公表しないことが発表されています。
Apple Reports Fourth Quarter Results - Apple
https://www.apple.com/newsroom/2018/11/apple-reports-fourth-quarter-results/
Appleの税務会計上の第4四半期(Q4)にあたる2018年9月期決算(赤枠)は、売上高が629億ドル(約7兆1000億円)、純利益は115億2000万ドル(約1兆2900億円)、EPS(1株当たり利益)は2.91ドル(約328円)と過去最高の結果になっています。また、2018年度全体の売上(青枠)は2655億9500万ドル(約30兆円)、利益は595億3100万ドル(約6兆7000億円)となりました。
売上高の成長率は前年同期比で20%のアップ。興味深いのはiPhone全体の売上台数で、今期の売上げ台数が4688万9000台だったのに対し前年同期の数値は4666万7000台と成長率は0%。にもかかわらず売上は29%成長しているということは、端末1台あたりの単価が29%上昇しているということになります。また、注目すべきはサービス関連の売上で、今期は99億8100万ドル(約1兆1300億円)をマークして前年同期比で17%の成長を見せています。
今回のこの内容についてティム・クックCEOは「20億台めのiOSデバイスを出荷し、App Storeの10周年を祝い、Appleの歴史の中で最も高い収益と利益を上げた、驚くべき2018年の会計報告を行うことに興奮しています」と述べています。
この決算発表では、2019年第1四半期(2018年10月~12月)の業績見通しが発表されたのですが、その内容が市場の期待を下回るものとなっていたことが判明。株式市場が反応し、時間外取引で株価が4%下落しています。
アップル株下落、最新iPhone需要が予想より低調 - Bloomberg
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2018-11-01/PHJ8L06JTSFX01
米アップルが1日に示したホリデー商戦を含む四半期の業績見通しは迫力に欠ける内容で、最新「iPhone(アイフォーン)」の需要が予想より低調なことを示唆した。
アップルによると、10-12月(第1四半期)売上高は890億-930億ドル(約10兆-10兆5000億円)の見通し。ブルームバーグが集計したアナリスト予想平均は927億ドルだった。
1日の米株式市場の時間外取引でアップル株は4%強下落。通常取引終値は222.22ドルで、年初来では31%高だった。アップルの決算発表後に同社サプライヤーの株価も値下がりした。
もう一つ興味深いのが、次の決算期以降は端末の販売台数を発表しないとAppleが発表したこと。これまでにもApple WatchやAirPodsなどの数値は発表されていませんでしたが、来期からはついにiPhoneやiPad、Macの販売台数までもが発表されないことになりました。
Apple will stop reporting unit sales for iPhone, iPad and Mac from next quarter - 9to5Mac
https://9to5mac.com/2018/11/01/apple-stop-reporting-unit-sales/
今後、端末の販売台数を知る手がかりは数々のアナリストが発表する予測数値のみということになりそう。しかしここで言及しておくべきは、Apple以外にも販売台数を公表してないメーカーは存在し、Samsungなどもその数値を一切公開していないということ。AppleもSamsungなどライバル他社と同じ状況になるということになりますが、上記のように「iPhoneの販売台数成長率がゼロ」になったタイミングでの決定ということも何らかの関係があるのかもしれません。
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