2017年登場のiPhone X/8/8 Plusでも意図的な性能低下が起こることが明らかに
2017年末に明らかになり大きな話題となった「iPhoneは早ければ1年後に性能が落ち始める」問題は、バッテリーの劣化による予期せぬシャットダウンを回避するために、端末のピーク性能をAppleが意図的に低下させていたというものです。Appleはこの問題について正式に謝罪しており、性能低下の対象となった端末についてはバッテリー交換費用を60%以上値引きしていました。それから約1年が経過し、iOSは最新バージョンのiOS 12.1がリリースされたのですが、その中で2017年に登場したiPhone X/8/8 Plusについてもピーク性能を低下させる機能が組み込まれることが明かされています。
Last year’s iPhones get controversial throttling feature after all - The Verge
https://www.theverge.com/circuitbreaker/2018/10/31/18047174/iphone-x-8-plus-performance-throttling-battery-management-ios-12-1-update
AppleはiOS 12.1の配信と同時に「iPhone のバッテリーとパフォーマンス」というページを公開。この中で、バッテリーが劣化するにつれ、iPhoneで突然のシャットダウンが起こる可能性が高くなり、動作が不安定になり使えなくなることを示しています。そしてこのページによると、iPhone 6、iPhone 6 Plus、iPhone 6s、iPhone 6s Plus、iPhone SE、iPhone 7、iPhone 7 PlusではiPhoneを継続して使えるようにするため、iOSが端末のパフォーマンスの瞬間的なピークを管理、つまりはピーク性能を低下させることで突然のシャットダウンを防ぐようにしているとのことです。そして、iOS 12.1以降では2017年に登場したiPhone 8、iPhone 8 Plus、iPhone Xにもこの機能が組み込まれるとしています。ただし、「これらのモデルはハードウェア面でもソフトウェア面でもより進化した設計になっているため、パフォーマンス管理の影響が目立ちにくいかもしれません」とのこと。
iPhone のバッテリーとパフォーマンス - Apple サポート
https://support.apple.com/ja-jp/HT208387
Appleによると、iPhone 8以降の端末はハードウェア・ソフトウェアの両面がより進化した設計となっているため、これまでのモデルよりもピーク性能の低下による影響は目立ちにくいとのこと。ただし、どのモデルであっても時間の経過とともにバッテリーの劣化は避けられないため、ピーク性能は低下してしまい、最終的にはバッテリーの交換が必要になるとしています。
iPhone 8 以降の各モデルは、ハードウェア面でもソフトウェア面でもより進化した設計になっているため、必要とされる電力とバッテリーの給電性能の双方をより正確に見積もり、システム全体のパフォーマンスを最大限に引き出せるようになっています。これにより、異なるパフォーマンス管理システムが可能となり、iOS が突然のシャットダウンをより正確に予測し、回避できます。その結果、iPhone 8 以降のほうがパフォーマンス管理の影響が目立ちにくいかもしれません。しかし、どの iPhone モデルであっても、時間の経過とともに充電式バッテリーの容量やピークパフォーマンスは低下し、いずれは交換が必要になることに変わりはありません。
Appleは最新モデル以外のiPhoneの性能を低下させていたことから、イタリアのAutoritàGarante della Concorrenza e del Mercato(AGCM)に独占禁止法違反に関する訴訟を起こされ、最終的に500万ユーロ(約64億円)の支払いを命じられました。
2017年モデルのiPhoneもピーク性能の低下が避けられないことが明らかになったわけですが、この機能による影響がどの程度のものになるかは記事作成時点では不明です。
なお、iPhoneが予期せぬシャットダウンを繰り返したとしても、ピーク性能が低下させられてしまうのは嫌だという場合は以下の手順で操作することでパフォーマンス管理機能をオフにすることが可能です。
「設定」→「バッテリー」→「バッテリーの状態」の順番で操作すると、自身のiPhoneのバッテリー状態を確認することができます。
バッテリーが劣化し最大容量が低下している場合、下部の「ピークパフォーマンス」を無効にすることが可能。ここでパフォーマンス管理機能を無効にすると、ユーザが手動でこの機能を再びオンにすることができなくなります。ただし、iPhoneで突然のシャットダウンが発生した場合、自動で機能が再びオンになり、無効にするオプションが表示されることとなるそうです。
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