Twitterが「いいね」機能の削除を検討か、より健全な会話をプラットフォームにもたらすため
by Anthony Quintano
Twitterが「いいね」機能の廃止を検討していると、Telegraphが報じています。機能廃止の理由は「Twitter上での会話や議論をより健全なものにするため」とのことですが、一部のユーザーからは反対の声も出ています。
Twitter to remove 'like' tool in a bid to improve the quality of debate
https://www.telegraph.co.uk/technology/2018/10/28/twitter-remove-like-tool-bid-improve-quality-debate/
Don’t Get Worked Up About Twitter Touching the Like Button Just Yet
https://gizmodo.com/don-t-get-worked-up-about-twitter-touching-the-like-but-1830070329
Telegraphによると、Twitterの共同設立者でCEOのジャック・ドーシー氏がTwitterのイベントで、「私はハート型ボタンがあまり好きではない」「(ハート型のボタンは)すぐに取り除くだろう」と発言したと伝えています。
ドーシー氏は2018年8月にも、ワシントン・ポストの取材に対して「フォロワー数や『いいね』ボタンの表示について再設計を行っている」と発言。かねてよりドーシー氏は「パブリックな会話の健全性」を重視するという発言やツイートを行っていました。
We’re committing Twitter to help increase the collective health, openness, and civility of public conversation, and to hold ourselves publicly accountable towards progress.
— jack (@jack) 2018年3月1日
2018年9月には、ドーシー氏は下院エネルギー商業委員会に出席し、「Twitter:透明性と説明責任」と題した聴聞会で「Twitterの目標は公開された会話の健全性を高めることです」と発言しています。
Twitterのジャック・ドーシーCEOは「Twitterをより健全な場所にするため率先して行動したい」と語る - GIGAZINE
「いいね」機能は、「新しくTwitterを始めた人にわかりにくいから」という理由で、2015年に星型アイコンの「お気に入り」に取って代わるシステムとして登場しました。しかし、TwitterやFacebookなどSNSにおける「いいね」ボタンはプラットフォームへの依存症を促すという心理学研究もあり、「いいね」機能が会話の健全性を損ないかねないという指摘も一部からありました。
「いいね」機能の削除に対して、一部のユーザーからは否定的な声が出ています。中には「私自身はめったにつぶやかないため、『いいね』ボタンは私にとって唯一のコミュニケーション手段といってもいいです」と、「いいね」機能がなくてはならないものとしているユーザーもいます。
For someone like myself, who has social anxiety & depression, the like button is often my only form of communication. The number of deleted replies I stack up every day is outrageous, and I rarely put my own tweets out there. This will do nothing for me except keep me more quiet.
— Krystal (@Arsenic82) 2018年10月29日
また、ツイートへのアクションがリツイートとリプライだけになると、議論が健全化するどころか、ネットの荒らし問題が悪化するという指摘もありました。
Eliminating the "like" button will absolutely, certainly, 100% make the troll problem here way worse. The most common interaction here is the "like," and it's friendly and affirming. In new Twitter, the most common interaction will be a hostile reply. Who the hell wants that?
— Max Kennerly (@MaxKennerly) 2018年10月29日
Telegraphの報道に対して、Twitterは「私たちは健全な会話を促すために、サービスに関わるすべてを再考しています。今はまだ作業の初期段階であり、今すぐその詳細を共有する予定はありません」と、内容を認めはしないもののはっきりと否定はしないというあいまいな姿勢をみせています。
As we've been saying for a while, we are rethinking everything about the service to ensure we are incentivizing healthy conversation, that includes the like button. We are in the early stages of the work and have no plans to share right now. https://t.co/k5uPe5j4CW
— Twitter Comms (@TwitterComms) 2018年10月29日
また、Twitterのグローバルコミュニケーション部門ヴァイス・プレジデントを務めるブランドン・ボアマン氏は「私たちは、健全な会話を促すためにサービスを再考するつもりだと明らかにしてきました。ジャックでさえアメリカ議会の前でそう発言しました。具体的な行動計画はなく、サービスの再考はすぐには行われません」と述べています。
Short story on "like." We've been open that we're considering it. Jack even mentioned it in front of the US Congress. There's no timeline. It's not happening "soon." https://t.co/jXBmkudWYv
— Brandon Borrman (@bborrman) 2018年10月29日
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