「寝る直前にカッテージチーズを食べると健康にいい」という研究結果

夜遅くまで起きていると空腹を覚えて、「寝る前に食べると健康に悪い」とわかっていながらも、ついつい何かを口にしてしまうものです。フロリダ州立大学の研究者によると、寝る前の軽食にカッテージチーズのような高タンパク質な食べ物を口にすることはむしろ健康にいい影響を与えるそうです。

Pre-sleep protein in casein supplement or whole-food form has no impact on resting energy expenditure or hunger in women | British Journal of Nutrition | Cambridge Core

Late night snacker? Make it cottage cheese - Florida State University News
https://news.fsu.edu/news/health-medicine/2018/10/25/late-night-snacker-make-it-cottage-cheese/

Fancy a late night snack? Choose cottage cheese because scientists say it could make you HEALTHIER | Daily Mail Online
https://www.dailymail.co.uk/health/article-6321029/Fancy-late-night-snack-Choose-cottage-cheese-scientists-say-make-HEALTHIER.html

カッテージチーズにはカゼインと呼ばれるタンパク質が多く含まれています。また、サプリメントのプロテインと異なり、カッテージチーズはタンパク質以外にも少量の炭水化物、ミネラルを含んでいます。そのため、ダイエットに最適な健康食品としても人気があります。

フロリダ州立大学で栄養・食品・運動科学を研究するMichael Ormsbee准教授率いる研究チームは、20代前半の健康な若い女性の被験者10人に実験室で寝泊まりさせて、夕食後2時間、そして就寝前の30分～60分に30グラムのカッテージチーズを食べさせました。そして、被験者の休息時のエネルギー消費・代謝率・食欲を計測したところ、休息時のエネルギー消費や代謝率は改善し、女性の食欲にも変化はありませんでした。

研究チームは、寝る前にカッテージチーズなどの高レベルのタンパク質を摂取することで、夜間にアミノ酸が安定して供給されるため、筋肉の構築や免疫機能の調節が行われて代謝も促進されると考えています。また、代謝が促進されると体重減少にもつながるため、「寝る前になにかを食べることは健康に悪い」という説は必ずしも正しいとはいえなくなります。

さらに、研究チームは、同量のカゼイン粉末を摂取した時と比べて、休息時のエネルギー消費・代謝率・食欲にどのような違いが表れるのかを比較しました。すると、カッテージチーズを食べた場合でも、サプリメントでカゼインを摂取した場合とほとんど変わらない結果が得られました。アメリカ空軍の研究栄養士で論文著者の1人であるSamantha Leyh氏によると、これまでの栄養学の実験は食べ物ではなくサプリメントで行われることがほとんどだったとのことで、「カゼインの摂取」ではなく「夜食としてカッテージチーズを食べること」そのものが健康にいいと確かめられたのは初めてだとのこと。

Ormsbee准教授は「食べ物でタンパク質を摂取した場合は、サプリメントで摂取した場合と同様に作用するとこれまで考えられていましたが、それを示す証拠はありませんでした。今回の研究結果は、食べ物によるタンパク質摂取が、サプリメントの補給と同様に機能することを示しています」と語っています。

また、Leyh氏は「今回はカッテージチーズだけを使っているので、すべての食べ物に対して当てはまるとは言い切れませんが、フルーツや野菜に含まれるビタミンやミネラルも、サプリメントで摂取する場合と同等の効果をもたらす可能性もあります」とコメントしていて、「この研究結果は食品消費に対する正確な代謝反応の研究基盤となり得ます」と主張しています。

研究チームは、夕食前に軽食を食べることについての是非を検討し、夕食に最適な食べ物を特定するつもりだと述べています。