メモ

どうして人々はわずか数円のレジ袋が有料になったことに激怒するのか?

By Regan Walsh

環境問題意識の高まりに伴い、スーパーなどのレジ袋が有償になってしまうというケースが多く見られるようになりました。この変化に対して「これまではタダでもらえていたのにどうして!?」と怒りの感情が湧くことも仕方がなさそうなのですが、じつはその感情にはある心理的な要因が存在しているとのことです。

Why plastic bag bans triggered such a huge reaction
https://theconversation.com/why-plastic-bag-bans-triggered-such-a-huge-reaction-99935

「レジ袋有償化」は世界中の国々で話題になっている出来事です。特に環境に対する意識が高いとされる国では積極的な取り組みが行われており、その反動で人々の不満感も強くなっている模様。BBCスコットランドは、そんな様子を以下の風刺ムービーで表現しています。ムービーでは、レジ袋を街角でコッソリと売る「売人」が市民にレジ袋を売りつけようとしたところを警察に現行犯逮捕されるという、麻薬取引さながらの光景が繰り広げられています。

Short Stuff: Catching Scotland's bag dealers

Undercover filming reveals Scotland's growing 'bag' problem.

BBC Scotlandさんの投稿 2018年7月1日日曜日


レジ袋が有料になったことに対する怒りの感情は、心理的契約と呼ばれる概念で説明することが可能だとのこと。心理的契約とは主に企業と従業員の雇用関係を表す時に使われる考え方で、両者の関係が文面ではなく「暗黙の了解」として成り立っている状態のことを指します。ここから、「スーパーに行って買い物をすれば、無償でレジ袋がもらえる」という状態が一種の心理的契約であるというふうに考えることができます。

それまではタダでもらえていたレジ袋が、ある時点を境にしてお金を払って手に入れなければならないようになるという変化は、この「心理的契約」の内容が半ば強制的に改変されてしまうこととなります。しかもこの「契約内容」は文書化されたものではなく、暗黙の了解で成り立っていただけのものであるため、契約内容に手が加えられたとしても基本的に客側はなすすべもありません。このような状況が、人々の怒りを呼んでいると考えられているわけです。

By gracelinks

さらに、地域によっては人々の怒りを増大させる状況も存在している模様。法律や条令などでレジ袋の配布を禁じている地域でレジ袋の有償化が実施されたとしても、地域に住む住民は「仕方がないな」として受け入れざるを得ません。しかし、そのような規制がない地域にあるスーパーが「環境保護のために来月からレジ袋は有料になります」と急に告知した場合、その措置に納得できる人と、「実際には口実を作ってレジ袋代を客に転嫁しようとしているんじゃないのか!」と、疑いと怒りの感情を持ってしまう人が現れることは、ある意味で仕方がないことといえるかもしれません。

使い捨てのレジ袋を削減することには、以下の報告書で示されているとおり環境に対して良好な影響があることも判明しています。店側は環境問題への取り組みについて具体的に説明し、客側は活動への理解を示すといったように、お互いが環境問題の解決に向けて歩み寄ることが重要といえそうです。

Doing away with plastic shopping bags international patterns of norm emergence and policy implementation
(PDF)https://www.tandfonline.com/doi/pdf/10.1080/09644010902823717

・関連記事
スターバックスが2020年までにプラスチック製のストローを廃止すると発表 - GIGAZINE

「プラスチックごみ」問題解決に向けEUがストローや食器など使い捨てプラスチック製品の禁止を提案 - GIGAZINE

使い捨てストローやビニール袋の使用が段階的に禁止される - GIGAZINE

マクドナルドやスターバックスがプラスチック使用禁止違反で罰金を科せられる - GIGAZINE

中国の「プラスチックゴミ輸入禁止」が世界にどれほどの影響を与えるのかが判明 - GIGAZINE

トリンプ、買い物袋に変形するブラジャーを制作 - GIGAZINE

in メモ, Posted by logx_tm