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機械の登場によって人間の職業分布はどのように変化したのか?



時代の移り変わりによって、職業人気や社会の需要は大きく変わります。特に、技術の進歩と機械によって人間は労働の場を奪われていったといわれています。1850年代から2010年代まで、アメリカで職業がどれだけ増えてどれだけ減ったのかを10年単位で確認できる4種のグラフが公開されています。

How Machines Destroy (And Create!) Jobs, In 4 Graphs : Planet Money : NPR
https://www.npr.org/sections/money/2015/05/18/404991483/how-machines-destroy-and-create-jobs-in-4-graphs


まず示されているのが、大まかに職業の割合分布の推移を示したグラフ。Farming(農業)に従事する人は150年かけて減少し続けています。一方で大きく割合を伸ばしているのが総合職であるホワイトカラー。対するブルーカラーとサービス業の割合はあまり大きく変わっていません。


割合ではなく総数で見たグラフが以下のもの。農業は割合で見ると1870年から1970年までコンスタントに減っているように見えましたが、農業従事人口が一気に減ったのは1940年代頃からというイメージ。また、サービス業に従事する人口は少しずつ増えていることが分かります。


「テクノロジーが与えて、テクノロジーが奪った」というタイトルにある通り、さまざまな職業は新しいテクノロジーが登場するにつれて追いやられてしまったり、需要が高まったりしています。工場で働く労働者は1960年~1970年にピークを迎えると、あとは一気に減少を迎えます。ベトナム戦争の終結と共に特需が終わったことに加え、1970年代には産業用ロボットが工場に導入されていったことが影響していると考えられます。


機械工は1920年頃にピークを迎えた後は減少し、2013年には150年前とほぼ同じ割合にまで落ち込んでいます。1910~20年頃にフォードがベルトコンベア式の大量生産方式を工場に導入し、より少ない人員で効率的な工場生産が可能となりました。そのため、機械工も少しずつ需要が下がっていったと考えられます。


炭鉱作業員は1910年後半から激減します。同時期にガソリンエンジンの自動車が普及することによって、アメリカでも石炭から石油に少しずつ移行していったことが大きく影響していると思われます。


さらに非常に興味深いのがメカニック・修理工の推移です。1910年頃から急激に増え、1960年代にピークを迎えた後、ゆっくりと減少しています。機械が工場に導入されることで、その修理をする職業の需要が急激に高まったといえます。


一方でサービス業や専門職は、そのほとんどがどれも増加の傾向にあるとのことで、「時代の勝者」である職業といえます。例えば消防士や警察官は、1850年からその割合は増加の一途をたどっています。


俳優・芸術家・音楽家・デザイナーに就く人たちの割合もずっと増加していますが、ベトナム戦争が終結する1970年代からその増加の勢いが増しています。


大学教授の職は20世紀の後半から急激に増加している傾向にあります。


ただし、大学で資格を取得しなければ就くことができない医者や法律家といった職業は、他の職業と比べてあまり大きな増加傾向にあるというわけではありませんでした。



一方で、職人による手生産から機械による工場生産になって大きな影響を受けたのが製造職です。大工は19世紀後半からほぼ減少の一途をたどっています。


馬のひづめにつける蹄鉄(ていてつ)を作る「てい鉄工」や鍛冶屋は1850年から減少を続けていて、1980年代にはほぼ消滅している状態でした。

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in メモ, Posted by log1i_yk