ロボットによる自動化に反対して5万人の労働者がストライキへ
by Jehyun Sung
ラスベガスのリゾート施設で働く労働者約5万人が、2018年6月1日までに「ロボットの自動化からの保護」を約束した新しい労働契約が得られなかった場合に、ストライキに突入する予定です。記事作成時点で期限まで残すところ約10時間となっています。
2018 Contract Fight | Culinary Union Local 226
http://www.culinaryunion226.org/2018
Las Vegas Workers Strike Against the Rise of Automation | Digital Trends
https://www.digitaltrends.com/cool-tech/las-vegas-automation-strike/
コンサルティング会社のマッキンゼーの調査では、2030年までに最大8億人の労働者がロボットやAIによる自動化の影響を受けて職を失う可能性が示されています。特に日本では労働者の半数がロボットによる自動化の影響を受け、多くの人が職の変更を強いられると見られています。また、影響を受ける職業はホワイトカラー、ブルーカラーの双方ですが、特に長距離トラック業界はいち早く自動化が進むとして注目されています。
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接客サービスを提供するホスピタリティ産業は既にその影響を受けており、ファストフード・レストランやホテルの中には自動チェックインのシステムを導入したところも多々あります。自動チェックインが導入されることで効率性はあがりましたが、一方で従業員が働く場所を失っているという現状があります。
このような状況の中で、ラスベガスの労働組合に加わる約2万5000人が「高給・職業の安定・自動化からの保護」のための新たな雇用契約が現地時間2018年6月1日までに得られなかった場合、ストライキを実施することを投票で決めました。同市で人気がある34のリゾート施設で働く料理人・部屋担当・ポーター・バーテンダーを含めた従業員約5万人の労働契約は2018年5月31日に期限切れとなります。
労働組合に加入するGeoconda Argüello-Kline氏は「ストライキは最後の手段です。私たちは合意が得られることを望みますが、6月1日までに新しい労働契約が得られなかった場合に備えて、我々組合や労働者は準備を行っています」と述べました。また労働組合の通信部門代表であるBethany Khan氏はDigital Trendsの取材に対して「次の数年で、ホスピタリティに関係する仕事の多くが自動化されることを私たちは知っています。私たちは労働者とその雇用をどのようにして保護できるかを考えていきたいと思っています」と語りました。
ただし、労働組合はテクノロジーの導入自体に反対というわけではありません。「テクノロジーはお客様やゲストの体験をより良いものにできます」「テクノロジーは役に立つものであり、私たちはテクノロジーと共に成長してけるということを確信したいのです」とKhan氏は語りました。
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