メモ

中年起業家の方が若い起業家よりも成功する可能性が高い


ビル・ゲイツ氏、スティーブ・ジョブズ氏、マーク・ザッカーバーグ氏の3名は、起業家のお手本とすべき例として知られています。そして、この3名は20代前半に起業して大成功を収めていることから「起業は若いうちにするべき」という概念を多くの人に植え付けることになりました。しかし、近年のアメリカのスタートアップ企業の傾向を調査すると、中年起業家の方が若い起業家よりも成功する可能性が高いことが明らかになりました。

Age and High-Growth Entrepreneurship
http://www.nber.org/papers/w24489

Middle-aged entrepreneurs are more successful than young ones. Here's why | World Economic Forum
https://www.weforum.org/agenda/2018/06/why-middle-aged-entrepreneurs-are-better-than-young-ones

若い起業家は「最新技術に長けている」「柔軟性がある」「家庭環境の障害が少ない」などの利点があることから、年齢を重ねた起業家よりも有利であるとされていました。しかし、全米経済研究所は調査の結果から、中年の起業家の方が若い起業家よりも成功を収める可能性が高いと指摘しています。

以下のグラフは、2007年~2014年のスタートアップ起業の成功状況を示したものであり、縦軸が創業者の割合、横軸が起業時の創業者の年齢となっています。グラフ上の緑の線が全スタートアップ企業の創業者の年齢の割合、黒い線がスタートアップ企業の中でトップ1%の成長率を記録した企業の年齢の割合を示しています。黒い線の推移を見ると、25歳未満の創業者の成功率が低く、25歳以上から徐々に成功率が上がっていき、44歳~46歳の間でピークを迎えていることがわかります。


若い起業家が成功しにくい原因とされているのが、業界知識や財務の知識が中年起業家よりも乏しいことです。さらに、業界経験の長い起業家ほど成功しやすいという報告もあることから、若くして起業した人ほど成功しにくい状況に追い込まれている現実があります。

この調査結果は「今後の教育プログラムを再考する必要があるかもしれない」とレスター大学で経営学の准教授を務めるスカンラヤ・サワン氏が指摘しています。多くのビジネススクールを始めとした高等教育機関では「MBAの取得=起業して成功するために十分なスキルを有している」と明言しており、MBA取得と同時に起業することを推奨しています。


当然、学校からこの説明を受けた学生の多くは「卒業後すぐに起業しないといけない」と考えるようになりますが、サワン氏は「思いとどまるべきだ」と語っています。サワン氏は「21歳で起業したジョブズ氏の場合、最も大きな成功を手にしたのはiPhoneを開発した52歳のときであり、急いで起業する必要はありません」と述べ、ジョブズ氏も経験を積んでから大きな成功を手にしていることから、すぐに起業する必要がないことを強調しています。

一方、業務経験を積んだ起業家の多くは、貯蓄や家を担保に起業時に必要な資金に充てていることが多く、なかなか起業に踏み出せない人が多いのも現状です。そこで、サワン氏は「ビジネススクールは起業家向け教育を若い学生ではなく、業務経験のある起業家を志望する人たちを対象にした方が良いかもしれない」と語っており、教育プログラムと担保なしで受けられる起業補助金制度を中年起業家向けにシフトすることで、起業時の成功率も上がり、学校の知名度アップにもつながるとしています。

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in メモ, Posted by darkhorse_log

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