世界各地に散らばったエンジニアをまとめ上げる方法

By ThoroughlyReviewed

Rainforest QAはウェブとモバイル製品の品質保証テストを迅速に実施し、テスト結果を収集するプラットフォームの運営を行っています。本社はサンフランシスコのダウンタウンにありますが、エンジニアリングチームに所属するメンバーのうち22名は、南アフリカから南米、ヨーロッパなど世界各地で働いているとのこと。最近ではIPOに向け、スタートアップしたばかりの企業には難しいとされるシリーズBにおいて2500万ドル(約26億5000万円)の資金調達が完了するほど注目されている企業です。エンジニアが分散すると管理する側の負担が重くなると思われがちですが、これを最小化するシステムやツールを作り上げたことで非常に効率的になったとのことです。

How To Build and Run A Geographically Distributed Engineering Team
https://medium.com/initialized-capital/how-to-build-and-run-a-geographically-distributed-engineering-team-609ffc897a79

◆雇用
Rainforest QAでは応募者に対して、テストを実施しており、内容は自身で完結できる基本的なチャレンジをテーマとしたものだそうです。共同設立者のRussell Smith氏によると「エンジニアリングやハッキングを楽しいと感じられる人であれば、素早くやり遂げられるはずです」と語っています。

最初のテストが完了したら、20分程度の電話面談を行うとのことで、面談ではプログラムの配列操作やループ、SQLなどの「基本的な技術知識」について問うとのこと。

By ThoroughlyReviewed

次に、採用候補者がオープンソースまたはサイドプロジェクトのどちらかを選択し、「機能」を修正または追加するために「バグ」や「追加すべき機能」などを提示します。この回答内容がきっかけとなって、実際にタスク管理システムに対して、Google認証を追加するなどの新機能を実現したケースもあったようです。

ここまでパスすれば、1週間の試用期間ののちに採用となるとのこと。Smith氏は「この方法であれば、本当は実力があるのに、面接が苦手で失敗してしまう人を助けられます」と語っています。Rainforest QAは、面接やテストのためだけに候補者本人を本社に呼ぶことはありません。過去に、候補者を自社に呼び込みテストを行ったとのことですが、テストの結果とリモートワークの実績が一致しなかったようです。

Smith氏は「リモートエンジニアを遠隔地まで来させて雇用することは、良くないことがわかりました。人によっては環境が変わることで、イライラしてしまうことがあります。彼らが遠隔地で働いたことがない場合には、自分が身を置いている環境こそが最高の環境で、そこが最大のパフォーマンスを出すことができる場所なのです」と候補者をリモートで試すことの重要性を語っています。

By Sekgei

◆世界中の労働者と企業文化を創造する方法
Rainforest QAのCEOのStevens-Smith氏は「AMA(なんか質問ある？)」を取り入れており、、匿名での質問やチームからの質問など、どんな質問にも答えているようです。この結果、オフィス内の温度管理機能の改善、高品質のマイクやカメラなどの機器を使用して、リモートのメンバーとやり取りすることが可能になり、他にも多くのフィードバックを得ているとのこと。また、Rainforest QAのオフィスで働くメンバーが「リモートワークの週」に切り替えることが可能となり、実際にリモートワークの文化を体験することで有益な点と欠点を把握させることもできたようです。その結果、リモートワークで働いているエンジニアを召集するのは四半期に1回のみになったとのことです。

Rainforest QAでは、なるべく不必要な会議を避け、可能な限り非同期で対応することが推奨されていますが、オフィスで働くエンジニアリングチームだけで行うミーティングも数多く実施されているのが現実で、オフィス組への情報共有はスムーズですが、リモートワークのエンジニアへの情報共有はやりづらいようです。

By Zach Graves

Smith氏は「リモートチームの構築を検討するにあたり、ビデオやチャット、スケジューリング、ワークフロー、ツール技術の向上により、これまで以上に容易になり、業務にフィットさせることも可能となりました。全てにおいて良いというわけではなく、悪い面も受け入れる覚悟が必要です」と語っています。