ハードウェア

AMDがゲーム性能向上のためにゲーム開発者にRyzenとRadeonを大量にプレゼント中


AMDがゲーム開発者に対して自社製品を提供する活動を行っています。この背景には、大成功した「Ryzen」発売直後に得た教訓が生かされています。

AMD is sending Ryzen/Radeon care packages to game developers | OC3D News
https://www.overclock3d.net/news/cpu_mainboard/amd_is_sending_ryzen_radeon_care_packages_to_game_developers/1

AMDは2017年3月に「Zen」マイクロアーキテクチャを採用する最初のCPU「Ryzen 7」を発売しました。それまでライバルIntelとの性能競争で歯が立たず、長年の間くすぶっていたAMDが劇的な復活を遂げるきっかけとなった第1世代Ryzenでしたが、リリース直後は高い性能をフルに発揮できないという問題を抱えていました。これはソフトウェア側の最適化がなされていないのが原因でした。

ZenアーキテクチャはCPUコアごとに整数演算ユニットと浮動小数演算ユニットを統合するなど、既存アーキテクチャとは基礎から異なる設計だったため、プロユースのソフトウェアやゲームタイトルのほとんどが、発売当初は対応できていない状態でしたが、ソフトウェア開発者が、高い性能で市場を圧倒的に支配するIntel製CPUへの対応に開発リソースの多くを割く中で、AMDのRyzenへの対応が遅れていたのは仕方がないことでした。

そのため、Ryzenの高い性能をフルに発揮できるようソフトウェア側でZenの設計に対応するための「最適化」作業が続けられ、その後、着実に性能が高められていきました。その結果、ZBrushのPixologic Lightに関するワークロードでは、なんと2000倍以上の性能アップを実現するなど、ソフトウェアの対応が進むにつれてZenアーキテクチャの素性の良さが現れ始めました。


AMDは「多くのソフトウェアにRyzenへの最適化を行ってほしい」ということで、2017年4月に300台分のRyzenシステムをソフトウェア開発者に送りました。2017年末までに、合計で1000台を超えるRyzenシステム機が開発者に対して提供されたそうです。

2018年に入ると新マイクロアーキテクチャ「Zen+」として、AMDは初のRyzen APU(GPU内蔵CPU)をリリースし、その後、メインストリーム向けに第2世代Ryzenシリーズが発売されました。第2世代Ryzenでは、第1世代と同じ轍を踏むまいと、AMDは早くからソフトウェア開発者に対して製品を提供しています。特に、最近ではRyzenシリーズだけでなく、AMDのグラフィックボード「Radeon」シリーズを含めたAMD製品への最適化を促そうと、ゲーム開発者を中心に、AMDシステムをセットで提供している模様です。

2018年5月には、「Shadow warrior 2」を開発するFlying Wild Hogが、Ryzen CPUやRadeon GPUがAMDから送られてきたことをTwitterで報告しています。


Serious Sam」や「The Talos Principle」の開発で知られるCroteamには、大量の第2世代Ryzenがプレゼント。


Call of Juarez」や「Dying Light」を開発するTechlandも、第2世代Ryzenとともに「RadeonRX Vega」を大量ゲットしています。


OC3D NewsのMark Campbell氏は、「ゲーム開発者の多くが、ソニーやMicrosoftが開発する次世代ゲーム機で、AMDのCPU RyzenとGPU Radeonが採用される可能性が高いことを知っている」と指摘しており、AMDはPCだけでなくコンソールを含めて巨大なゲーミング市場への足場づくりを地道に行っていると推測しています。

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in ソフトウェア,   ハードウェア,   ゲーム, Posted by darkhorse_log

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