ワールドカップで対戦国をスパイしたところ創造的なかく乱をかまされてしまう
by Aziz Acharki
2018年6月14日からロシアでスタートした2018 FIFAワールドカップ。隣国の韓国は6月18日に初戦となる対スウェーデン代表戦を迎えるのですが、その対戦相手のスウェーデンが韓国代表の練習風景をスパイしていたことが明らかになり話題となりました。しかし、韓国代表はさらに一枚上手だったようで、「これまでのトレーニングセッションでは選手が大会で着用するものとは異なる背番号のジャージを身につけていた」と韓国代表のシン・テヨン監督が明かしています。
Sweden South Korea in World Cup spying row
http://www.espn.com/soccer/fifa-world-cup/story/3529977/sweden-south-korea-in-world-cup-spying-row
South Korea and Sweden World Cup match preceded by subterfuge
https://mashable.com/2018/06/17/south-korea-sweden-world-cup-spying/
スウェーデン代表は「特殊偵察要員」のラルス・ヤコブソン氏を使い、韓国代表の非公開練習を偵察していたことが明らかになっています。ヤコブソン氏は韓国代表の事前合宿地であるレオガンのふもとにある家を借り、ここから高性能望遠鏡やビデオカメラを用いて韓国代表の練習を観察していたそうです。なお、スウェーデン代表のスパイ行為が明らかになったあと、代表監督を務めるヤンネ・アンデション氏は記者会見で謝罪を行っています。
そんな中、韓国代表のテヨン監督が韓国代表VSスウェーデン代表の試合が開催される24時間前というタイミングで、対戦国をかく乱するためにこれまでのトレーニングセッションでは選手に試合で着用するのとは別の背番号のジャージを着用させていたことを明かしています。テヨン監督は記者会見の中でスウェーデン代表の偵察要員に向けて異例の戦術説明を行っており、「我々は対戦相手に全てを見せてしまうことを防ぐために、背番号を交換した」と話しました。
また、「スウェーデンのスパイは我々の選手の何人かを知っている可能性があるが、西洋人にとってアジア人を区別することはとても難しいため、我々の背番号交換は有効な対策であるはずだ」とも説明しています。加えて、ワールドカップの出場国が対戦国をスパイして少しでも多くの情報を得ようとすることはごく普通のことであると理解を示しており、「全ての監督が、対戦国に監視されていると思っていることだろう。できる限り多くの情報をお互いに得ようとすることは当然のことだ」と話しています。
2014年のブラジルワールドカップではドローンを用いて代表チームの練習風景を盗撮するというケースも起きており、各国のサッカー代表チームが大会で少しでも良い成績を残そうと高度な(?)情報戦を展開していることがよくわかります。
W杯に臨むフランス代表のトレーニング風景がドローンで盗撮される - GIGAZINE
なお、サッカー韓国代表は2014年のブラジルワールドカップでも親善試合でニセ背番号を使用して対戦国のかく乱を狙ったことがあります。
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