ワールドカップ2018の審判はWear OS搭載のウブロ製スマートウォッチでゴールを判定する

2018年6月にロシアで開催される2018 FIFAワールドカップでは、スイスの高級時計ブランドである「ウブロ(Hublot)」が公式時計スポンサーを務めているのですが、2018年のロシア大会向けにスペシャルエディションの時計をリリースしています。

BIG BANG REFEREE 2018 FIFA WORLD CUP RUSSIA
https://www.hublot.com/en/news/big-bang-referee-2018-fifa-world-cup-russia

World Cup refs will use Hublot’s new Wear OS watch to check for goals - The Verge
https://www.theverge.com/2018/3/21/17148628/hublot-big-bang-referee-wear-os-fifa-world-cup-2018-goal-line

ウブロがリリースした大会公式のスペシャル時計が「Big Bang Referee 2018 FIFA World Cup Russia」です。ただの時計ではなくスマートウォッチとなっており、搭載しているOSはAndroid Wearから名称を変更したばかりの「Wear OS」で、心臓部にはタグ・ホイヤー コネクテッド モジュラーと同じIntel Atom Processor Z34XXを採用しています。

「Big Bang Referee 2018 FIFA World Cup Russia」の本体はチタン製でとても軽く、ウォッチフェイスは35.4mm、ディスプレイは解像度400×400のAMOLEDスクリーンを採用しています。無線通信はBluetooth 4.1、Wi-Fiは802.11nに対応しており、バッテリー容量は410mAh。フル充電で約1日利用可能とのこと。なお、ワールドカップを記念して2018本限定で販売されるモデルで、価格は約5200ドル(約55万円)です。

「Big Bang Referee 2018 FIFA World Cup Russia」にはワールドカップをテーマとした独自のアプリケーションが複数用意されています。例えば、画面上にワールドカップまでのカウントダウンを表示するアプリケーションや、ワールドカップ出場国向けの独自ウォッチフェイス、実際に試合が始まると試合の統計情報を通知するアプリケーションなどが用意されており、ワールドカップを存分に楽しめるモデルとなっています。さらに、試合でゴールが決まると本体が振動して画面上には「GOAL」と表示されるという機能まであります。もちろんWear OS搭載のスマートウォッチなので、その他のスマートウォッチ向けアプリケーションもインストールすることが可能です。

ワールドカップを記念して作成された「Big Bang Referee 2018 FIFA World Cup Russia」ですが、元はFIFAがスポンサーのウブロに「審判用にカスタムされた時計を作って欲しい」と依頼したところから開発がスタートしたスマートウォッチだそうです。実際、ワールドカップでは「Big Bang Referee 2018 FIFA World Cup Russia」の特別バージョンを審判が装着して試合をジャッジすることとなり、ボールがゴールラインを割ったかどうかの判断が難しい場面などではゴール・ライン・テクノロジーの判断を確認することができます。なお、ワールドカップで審判が使う「Big Bang Referee 2018 FIFA World Cup Russia」の特別版は、2017年のFIFA主催のサッカー大会の中で複数回に渡って慎重に機能がテストされているため、技術的な不具合は解消されているとのことです。

また、2018年のワールドカップではピッチ上でジャッジを行う審判団とは別に、試合の映像を確認するレフェリーが主審の判定をサポートする「ビデオ・アシスタント・レフェリー(VAR)」の使用が正式決定しており、「Big Bang Referee 2018 FIFA World Cup Russia」はこのVARにも対応しています。

スマートウォッチを使ったゴールの判定だけでなく、ピッチ上の審判では難しいジャッジをVARが正確に判断するシーンなども期待できるため、テクノロジーにより誤審が防がれフェアな試合が展開していくことが期待できそうです。