ARMがスマホ向け新GPU「Mali-G76」&新VPU「Mali-V76」を発表、スマホで8K・60fps再生に対応へ
半導体大手のARMが、ゲーミング性能&機械学習性能を高めたモバイル端末向けの新GPU「Mali-G76」と、スマートフォンで8K(7680×4320)・60fpsのムービー再生に対応する新ビデオプロセッサ「Mali-V76」を発表しました。モバイル端末のグラフィックスの進化はまだまだ続くようです。
Mali-G76 taking high end graphics to the next level - Graphics & Multimedia blog - Graphics & Multimedia - Arm Community
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Mali v76 enabling efficient 8k60 content - Graphics & Multimedia blog - Graphics & Multimedia - Arm Community
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◆Mali-G76
モバイル端末向けGPU「Mali-G76」は、Mali-G72の後継となるモデルです。
Mali-G72比でパフォーマンスは30%アップ、エネルギー効率も30%アップ、INT8 Dot Productサポートにより機械学習性能はなんと2.7倍にまで向上。
OpenGL 3.2、Vulkan 1.1、OpenCL 2.0などのAPIをサポートし、4コアから最大20コアでの利用が想定されています。
ARMによるとMali-G76はハイエンドモバイル端末のグラフィック性能を総合的に50%アップさせているとのこと。モバイルゲーミング市場が拡大する中で、モバイル端末のグラフィック性能はMali-G76によってさらに向上するようです。
◆Mali-V76
新開発するビデオプロセッサ(VPU)「Mali-V76」は、「臨場感ある究極のUHD体験を可能にする」チップだとのこと。
Mali-V76はMali-V61の後継となるチップで、ARMのMali GPUと組み合わせることでスマートフォンのムービー規格を4K(3840×2160)解像度から8Kへと引き上げるもの。Mali-V61比でデコード性能が2倍、エンコード品質で25%向上し、フットプリントも縮小しています。
Mali-V76は2コアから8コアが想定されており、8コア時には8K・60fpsのデコードと8K・30fpsのエンコードに対応。そもそもモバイル端末向けの8Kパネルは実用化されていませんが、4K・120fpsのデコードにも対応します。
「4Kすらスタンダードになっていないのに8K?」という疑問についてARMは、2020年の東京オリンピックではスマートフォンでも8Kがスタンダードになる可能性を指摘し、スマートフォンなどのモバイル端末のメーカーが採用する2年先に準備を整えるためだ述べています。また、フルHD(1920×1080)のストリーミングを最大16枚同時表示可能な「4×4 Video Wall」をサポートします。
ただし、Mali-V76にはGoogleなどが開発する次世代コーデック「AV1」はサポートリストに含まれていません。また、AnandTechによると「HDR10+」は将来的にサポートされる予定です。
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