「炭酸飲料をやめてフルーツジュースを飲む」というのは果たして健康的な選択なのか?



ビタミンやミネラルなどの栄養分を多く含むフルーツジュースは、コーラやサイダーなどの炭酸飲料よりもはるかに健康的な印象があります。しかし、さまざまな商品で比較テストを行うアメリカの雑誌「コンシューマーレポート(CR)」は、炭酸飲料のかわりにフルーツジュースを飲むことは健康問題の解決につながっているのか?という質問に対して、健康改善の効果はあまり期待できないだろうと答えています。

Is Fruit Juice Healthier Than Soda - Consumer Reports
https://www.consumerreports.org/healthy-eating/is-fruit-juice-healthier-than-soda/


コーラやサイダーなど、アメリカ人は一日に平均して880ml近くの炭酸飲料を消費しているといわれていて、肥満や糖尿病の大きなリスクとなっているとして問題視されています。そのため、炭酸飲料をやめてフルーツジュースを飲む人も増えているとのこと。実際に、果物には繊維・カリウム・ビタミンA・ビタミンCなどが多く、アメリカ人の食事に不足しがちとされる栄養分を吸収できるため、フルーツジュースであればコップに1.5~2杯、野菜ジュースであれば2~3杯を飲むべきだとCRは勧めていました。

by Aminul Islam Sajib

しかし、CRの食品テストラボを率いるマクシーン・シーゲル氏は、炭酸飲料の摂取量を減らそうという姿勢は認めながらも、「フルーツジュース中のビタミン・ミネラル・抗酸化物質は、炭酸飲料に比べて栄養面で優れていますが、糖分は同等以上に含まれているため、炭酸飲料の代替としてはあまり適切ではありません」とコメントしています。

本来、果物の糖は、植物細胞の中に含まれます。植物細胞は動物細胞と異なり丈夫な細胞壁に包まれていて、消化に時間がかかります。そのため、果物を生で食べると、ゆっくりと糖が体内に吸収されます。しかし、フルーツジュースは果物の植物細胞が破壊されているため、果物そのものを食べる時よりも素早く糖分が吸収され、たとえ100%のジュースであっても血糖値が急上昇してしまいます。例えば、コップ一杯のブドウジュースは同量のグレープ味の炭酸飲料に比べておよそ1.3倍の糖分を含んでいるとのこと。

by Marcia O'Connor

体内で血糖値が急上昇すると、インスリンと呼ばれるホルモンがすい臓から分泌されます。インスリンには、グリコーゲンの合成促進・脂肪組織による糖の取り込み・脂肪の合成促進という効果があるため、このインスリンを過剰に分泌すると体に脂肪がつきやすくなってしまいます。さらに糖尿病のリスクも高まるため、炭酸飲料をやめたからといってフルーツジュースを大量に摂取しても結局は健康へのリスクは変わらないとシーゲル氏は説明しています。

また、炭酸飲料を多く飲むとゲップが増え、それによって逆流した胃酸で食道が傷ついてしまうという「逆流性食道炎」に苦しむ人もいます。逆流性食道炎で炭酸飲料を飲むとつらいので、代わりにフルーツジュースを飲んでいるという場合でも、柑橘類の果汁からの酸性のジュースもまた胃や食道を刺激する可能性があるため、フルーツジュースを飲むのはやめた方がいいとCRは指摘しています。もし胃や食道が荒れて炭酸飲料をやめているというのであれば、スライスしたフルーツを水に漬けて飲むか、もしくはフルーツジュースを水で薄めて飲むことが勧められています。

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