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日本とヨーロッパの製紙法をミックスして紙を作るヨーロッパ最後の紙職人を追ったドキュメンタリー「The Papermaker」


ガンゴルフ・ウルブリヒトさんは、発注された紙を手作業で作るヨーロッパ最後の「Papermaker(製紙家)」の1人です。ウルブリヒトさんは、日本とドイツ、フランスそしてイギリスで製紙法を学んだ経歴を持ち、世界中からの発注に応じてさまざまな重さや手ざわり、書き心地、透かしの加減・模様・色の紙を製造します。印刷業者や設計者、写真家、本や絵画などの美術修復分野、そして数々の著名な芸術家たちなどから発注を受けるウルブリヒトさんの仕事ぶりがドキュメンタリームービー「The Papermaker」で見ることができます。

Gangolf Ulbricht | Werkstatt fur Papier
http://papiergangolfulbricht.de/en/

The Papermaker on Vimeo


ウルブリヒトさんは、手作業で紙を作る職人です。


ヨーロッパでも数少ない昔ながら製造方法で紙を作れる一人であり、発注に応じた特殊な紙を作っています。


ウルブリヒトさんに特殊な紙を発注してくるのは、世界中の専門家たちで、印刷分野や美術修復分野、製本分野とデザイナー、写真家など。また、ジェニー・ホルツァーや、ルイーズ・ブルジョワラルフ・ロートマンジョナサン・ミースダミアン・ハーストマックス・マークといった著名な芸術家も顧客に持ちます。


ウルブリヒトさんが紙の材料を型枠ですくい……


乾かして、紙を作っていきます。ウルブリヒトさんの製紙技法は、日本などの型枠を使う手すきの製紙法とヨーロッパの製紙法を組み合わせたもの。


もちろんウルブリヒトさんが作る紙は、パルプなどの材料を型枠に入れるだけで思い通りの紙が完成するような簡単な仕事ではありません。


製紙に使う機械のハンドルを回して調節すると……


エンジンがうなります。


「紙には手ざわり色調・剛性・反射・すれの音といった五感に訴える力と、1000年に渡って記録を残す能力がある」と考えているウルブリヒトさんは、製紙作業の創造性や可能性に魅了されており、仕事における全ての製紙プロセスを自分自身で手がけたいという方針だそうです。


ウルブリヒトさんは、紙の材料に綿などの他に、和紙でも利用される亜麻や麻、絹、みつまた、雁皮(がんぴ)なども使います。


機械に配合した紙の材料を投入します。


ウルブリヒトさんは、使用済みの紙をリサイクルして使うことも。


地図や紙幣、譜面などの古紙からリサイクルします。


他にも材料を添加することで紙の性質を操ります。


炭酸カルシウムを加えると経年劣化を抑えることができ……


中性の収束剤を加えると、書き心地を良くすることができます。


他にも多くの顔料を使うことにより……


色を自由に付けることができ、壁紙の作成も可能。他にも透かしや厚さなど多くの紙の性質をコントロールできます


ウルブリヒトさんは、多くの業種が使う紙と種類をストックしています。


紙について「私は、紙にはそれぞれ個性があると常に言っています」と語るウルブリヒトさん。


「人は、紙を表面的にではなく、『何が書かれているのか』で見分けることができます」


「裁判所の身元確認資料、裁判所の書類……」


「紙は生死を左右する力があります」


「紙は、ラブレターが来た時の心のように感情を揺り動かします」


ウルブリヒトさんが、紙に光を当てて、女性の顔が映りだされる紙の透かしをうっとりと眺めています。


「紙を作ることは、他のモノ作りのように包括的な作業です」


「全体の作業が完了すると良い紙が作れます」


「製紙作業中は自分をなくし、紙のシートを次から次へと作り……」


「材料を入れて、レシピと型枠のスクリーンで完璧な完璧な配合を行うと、最高のものが完成します。」


ウルブリヒトさんが透けるほど薄い紙を息で吹いて持ち上げています。


本や絵画の修復分野で活躍する世界で有数の薄い紙Berlin Tissue(ベルリン・ティッシュ)は、「1平方メートル当たり80グラム」という一般的な紙の重さの40分の1に当たる、「1平方メートル当たり約2グラム」という軽さの紙です。ウルブリヒトさんはベルリン・ティッシュの製造を行える数少ない一人です。


「Papermakerという職は、1950年代に商業登記から除かれています。本質的にそのようなことを行う人は残っていなかったからです」


「正確で質のいい紙の需要が増えたことから、私たちが毎日の生活で使う『触り心地がよく、官能的で、感情に訴えるような紙』の存在は復活してきており、今後もニーズは増えていくでしょう」


最後にウルブリヒトさんが型枠を取り外すと……


現れた紙には、ウルブリヒトさんのロゴである手形マークが刻まれていたのでした。

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in 動画, Posted by darkhorse_log

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