無料で世界中の芸術作品を見られる「Google Arts & Culture」は機械学習を用いてさまざまな検索方法に対応している
「Arts & Culture」は2015年にGoogleによって公開された世界中の芸術作品を集めたギャラリーアプリです。時代や製作者のほか、カラースケールによっても作品を検索できるなど、芸術作品をさまざまな方法で検索できるようになっており、作品名を知らなくてもお目当てのものを見つけ出すことができます。2018年1月には「自分の顔に似ている肖像画」を検索できるようになるなど、日々進化を遂げているArts & Cultureの検索機能ですが、その開発元のGoogle Arts & Cultureラボがこれまで行ってきた試みをムービーで解説しており興味深い内容となっています。
Putting Machine Learning to work for culture #GoogleArts - YouTube
Google Arts & Cultureのラボで行っている実験は「最新の技術を使って何百年分の芸術作品を探索できないか」というもの。
実験:ニューヨーク近代美術館の作品を機械学習で識別する
「機械学習で何かできることはないか?」というところからプロジェクトが始まりました。
ニューヨーク近代美術館には1930年代以降の展覧会の写真が保存されていましたが、展覧会でどの作品が展示されていたかの情報が欠落していました。そこで機械学習を用いて展示会の写真を分析し、写っている作品が何であるかを判別することに成功。
実験:アートセルフィー
「アートセルフィー」は人と芸術作品を非常に属人的な方法で結びつけます。自撮りをすると機械学習アルゴリズムによって……
数万の芸術作品の中から自分によく似たものが探し出されます。世界的な反響もあって、すでに数千万もの自撮りが行われ、芸術作品とマッチされました。
実験:ライフタグ
「LIFE」という雑誌は歴史において象徴的な出版物です。
400万枚を超える写真を……
認識アルゴリズムでタグに置き換えます。
「ライフタグ」はアーカイブされてきた雑誌のLIFEを探索しやすいインタラクティブな百科事典へと編集する試みです。
実験:アートパレット
アートパレットは色と戯れる試みで、いくつかの色でパレットを作るとそのパレットに一致する作品が検索できるというもの。アートパレットはデザイナーにインスピレーションを与えることを期待されています。
Google Arts & Cultureの目的は芸術と文化の探索に新しい方法を生み出し、そして新しい技術が芸術家や美術館、そして鑑賞している人をさらに後押しするためにどのように応用されるかを確かめることとのことです。
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