レストラン予約サービスがライバルサービスでレストランの空予約する迷惑行為を繰り返していたことが発覚

オンラインレストラン予約サービス最大手の「OpenTable」の従業員がライバルサービスである「Reserve」のユーザーになりすまし、シカゴにある45軒のレストランに約3カ月間で数百回の空予約を行っていたことが明らかになりました。Reserveおよび被害を受けたレストランの関係者によると、この従業員はReserveと契約しているレストランに対してOpenTableの優位性を示すために空予約を行っていたと主張しています。

OpenTable Fires Employee For Making Fake Reserve Bookings - Eater Chicago
https://chicago.eater.com/2018/3/5/17078210/opentable-reserve-fake-reservation-scheme-no-shows-chicago-restaurants-valentines

Reserveによると、このOpenTableの従業員は複数の電子メールアカウントを作成後、2017年12月から「レストランを予約して直前でキャンセルする」という行為を繰り返し行っていました。2018年2月14日に大量の予約キャンセルが発生したことで事態が発覚したと報告されています。Reserveは空予約が行われたレストランにすぐに連絡し、いくつかの座席を埋めることには成功したと説明していますが、実際の被害額の算出には難航しているとのことです。

OpenTableは問題の従業員を既に解雇したようで「このたび弊社の不適切な行動により、被害を受けてしまったシカゴのレストランに対して心からおわび申し上げます。現在はレストラン側への対応と再発防止策について検討しています」と謝罪しており、今後の対応は検討中であると発表しています。

By Robert Scoble

ReserveのCEOであるグレッグ・ホン氏によると「このような調査を行ったのは初めてのケースですが、この従業員だけが悪いわけではないと考えています」と語っており、OpenTable社内で厳しいノルマが設定されているなど内部的な要因が、従業員にこのような行動を起こさせたのではないかと考えているようです。

被害を受けたレストランの1つである「Tavern at the Park」のオーナーのピーター・デ・カストロ氏は「最大手のサービスであれば、模範的な行動を取るのが当たり前です。なぜ、競争に勝つためだけにレストランに被害を負わせようとするのか全く理解できない」と話しています。

Reserveのソフトウェアエンジニアによると、問題を起こしたOpenTableの従業員は接続元を隠そうとしていたようですが、IPアドレスの追跡が可能であったと報告しています。その後、Reserveの役員が2018年2月の第2週にOpenTableに連絡し、ログなどの証拠を提示したとのことです。OpenTableは提出された証拠に基づいて社内調査を行った結果、不正な操作を行っていた従業員を解雇しています。

OpenTableのCEOであるクリスタ・クォールズ氏は「弊社としても、このような戦略は当然受け入れられないものです。また、従業員に疑わしい行動があった場合は内部告発を奨励しています」と話しています。

By Christopher Michel

この件に関し、両社の間で賠償金等の話はなかったそうですが、Reserveは被害を受けたレストランに対し、OpenTableの連絡先や必要な情報などを提供しているそうです。

ホン氏は「正直に言うと、私たちはこんなことに時間を使いたいとは考えていません。しかし、レストランを成功に導き、より良い体験をお客様に提供することは私たちの使命でもあるため、今後もより多くの時間を費やす必要があります」と語っています。