メモ

チケット販売会社がライバル会社に「ビジネス戦略」のようにハッキングしたことで10億円の罰金支払いが命じられる


アメリカのチケット販売会社最大手「チケットマスター」は、自社の従業員が以前働いていたライバル会社である「Songkick」のログイン情報を不正利用してSongkickにハッキングしていたことを認め、1000万ドル(約10億円)の罰金を支払うことに同意しました。

DEFERRED PROSECUTION AGREEMENT Cr. No. 20-563 (MKB)
https://www.justice.gov/usao-edny/press-release/file/1349741/download

Ticketmaster to Pay $10M Fine Over Charges It Hacked Rival's System - Variety
https://variety.com/2020/digital/news/ticketmaster-10-million-fine-hack-songkick-competitor-1234877108/

Ticketmaster admits it hacked rival company before it went out of business | Ars Technica
https://arstechnica.com/information-technology/2021/01/ticketmaster-pays-10-million-criminal-fine-for-hacking-a-rival-company/


2020年、チケットマスターはアメリカ合衆国司法省に提出された文書において、自社の従業員が2013年から2015年にかけて、Songkickのアカウントのログイン情報をチケットマスターに送信したことを認めました。このログイン情報は、販売前のチケットを管理するために使用されていた複数のアカウントのログイン資格情報だったとのこと。この従業員はチケットマスターで行われた会議の中で実際にアカウントに不正ログインし、まるで正当なビジネス戦略であるかのようにハッキングの有用性を提唱したそうです。

加えて2015年には、この従業員はSongkick上の未公開であるチケットページのURL生成スキームに欠陥があることを見つけ、新人アーティストなどの情報いち早く得る方法をチケットマスターの経営者に知らせたとのこと。チケットマスターはこれらの方法を使ってアーティストに自社サービスを利用するよう取引を行える状況を作り出しました。従業員はのちに顧客関係の取締役の地位にまで昇進しています。


以前から独占禁止法違反の疑いもあったチケットマスターについて、2017年2月、Songkickは連邦裁判所に反トラスト法及び反競争的行為に違反するとして提訴しました。これを受け、チケットマスターは「ハッキングに関与した」として役員2名を解雇しています。しかし依然として問題は解決されず、2017年10月にSongkickは倒産します。SongkickのCEOであったマット・ジョーンズ氏は顧客への手紙の中で独占禁止法とハッキングについて触れ、「2017年10月時点でも継続して行われている」と述べています。

2017年11月に正式な裁判が始まり、2018年1月、独占禁止法について、チケットマスター側がSongkickに1億1000万ドル(約110億円)の和解金を支払うことに同意しました。その後2019年に役員がハッキングに関する罪を認めた後、チケットマスターも正式にハッキングについて認め、今回の判決でコンピューターへの侵入と詐欺犯罪で約10億円の罰金が命じられたとのことです。

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in メモ, Posted by log1p_kr

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