3万6000台のWindows Phoneを廃棄してiPhoneに乗り換えるとニューヨーク市警が発表、理由は？

by Gary Chan

ニューヨーク市警察(NYPD) は2014年に「21世紀の大きな一歩」として「NYPD Mobility Initiative」という1億6000万ドル(174億円)出資の使い道の1つとしてMicrosoftベースのNokiaのスマートフォンを購入を決定。2年にわたるプログラムの結果、2016年に「3万6000人の警察官にWindowsベースのスマートフォンを配布した」と発表していました。しかし、NYPDは、この3万6000台のWindows PhoneをiPhoneに置き換えるという意向のようです。

NYPD needs to replace 36K useless smartphones | New York Post
http://nypost.com/2017/08/28/nypd-needs-to-replace-36k-useless-smartphones/

NYPD ditches Windows Phone for Apple iPhone - Business Insider
http://www.businessinsider.com/nypd-apple-iphone-windows-phone-2017-8

NYPD forced to scrap 36,000 Windows phones, will be replacing them with iPhones | 9to5Mac
https://9to5mac.com/2017/08/28/nypd-windows-phones-iphones/

当時、NYPDが購入したのは「Lumia 830」と「Lumia 640XL」という2つの端末。これらの端末にはOSとしてWindows 8.1が搭載されていましたが、Windows 8.1は2017年7月にサポートの終了が発表されており、OSを最新かつセキュアな状態に保つことが難しくなったとのこと。

Microsoftが「Windows Phone 8.1」のサポートを終了、Windows Phoneシリーズはこのまま終了か - GIGAZINE

そこでやむを得ず、NYPDは3万6000台のスマートフォンを廃棄することに。Windows Phoneの廃棄後、2017年末には新たにiPhoneが導入される予定であるとNew York Postが伝えています。

New York Postの情報源によると、Windows Phoneの導入は情報テクノロジー局副局長のJessica Tisch氏の決断によるもので、当時のNYPDがMicrosoftのソフトウェアをビデオ監視プログラムに使用していたことが理由だと言われています。しかし、Lumia 830がリリースされた同時期にはiPhone 6が登場しており、専門家らは「なぜNYPDはWindows Phoneを選んだのか？」と長年疑問視してきました。2016年には、ニュースメディアのCNETが「人の生死がかかった状況で私たちは時代遅れのWindows Phoneのソフトウェアに頼らなければいけない」と記事内で述べているほどでした。

報道を受けて、NYPDの広報は「NYPDはiPhoneに置き換えるプロセスを既に開始しており、秋から新しいデバイスが配られる予定です。アプリケーションは既に使用されているアプリケーションと同じですが、反応時間は8％短縮されます」とコメントを発表しています。なお、Microsoft広報は「MicrosoftはNYPDとのパートナーシップを誇りに思っており、私たちは引き続きNYPDのWindows Phoneをサポートし続けていく予定です」とBusiness Insiderに対して伝えていますが、どのようなサポートが行われていくかについてはコメントしていないとのことです。