画家としてのジム・キャリーを追ったドキュメンタリー「Jim Carrey: I Needed Color」
俳優のジム・キャリーは数年前から絵画の制作を行っており、その「画家」としてのジム・キャリーを追ったドキュメンタリー「Jim Carrey: I Needed Color」が公開中です。「絵に描かれた『色』から私の愛がわかるはず。いくつかの絵に描かれた『闇』から私の内なる人生が、そしていくつかの絵に描かれた『光』から私の求めるものがわかるはずです」と本人によって語られるジム・キャリーの絵画の数々は、見る者を引きつけます。
Jim Carrey: I Needed Color on Vimeo
巨大な絵画の上、柱のようなものにのって絵を描くジム・キャリー。
数年前、ジム・キャリーが「絵を描かないと」という強迫観念に捉えられて絵を描き出したころには、家の中は絵画があふれ、動くのもままならない状態だったとのこと。
家の中にある絵画は家具のようになり、食事も絵の上で取っていたと語られています。
そして冬のニューヨークで気分がめいってきたところで……
「自分にはもっと色が必要だ」と考えたそうです。
これまでにジム・キャリーが制作した絵画は以下の通り。確かに多くの色が使われています。
早朝5時に作業を行うジム・キャリー。「あなたは絵や彫刻が何を意味しているか、本当の意味でわかっていないでしょう。もちろん、あなたは分かっていると思っているはずです。私も絵を描き始めたときそうでした。でも1年後、『絵が私が私について知るべきことを教えてくれている』と気づいたんです」と語りながら粘土で彫刻を作っています。
巨大なキャンバスの前に立つジム・キャリー。
筆を使って描くこともあれば……
チューブから直接キャンバスに描くことも。
赤い縄に縛られたような男性の姿。
「子どものころ、1日の半分の時間をリビングに立ち人前でパフォーマンスすることに費やしました。残りの半分の時間はベッドルームにこもって詩を書いたり、スケッチしたりして過ごしました。人々が予想するような『部屋に行って反省しなさい!』と言われるような子どもではなかったのです」
「自分の部屋は天国でした。そこでは自分だけの孤独が迎えてくれました」
スケッチは頻繁にしたものの、「ペインティング」はあまりやったことがなかったというジム・キャリー。
しかし、6年前、自分のボロボロの心を癒やすためにペインティングをやってみようと考えたそうです。
「愛に包まれている状態のハートはふわふわと浮かんでいますが、愛を失うと、ハートは再び大気圏に突入しなければなりません。それはひどい苦しみを伴います」
スタジオに置かれた、大気によって引き裂かれそうになっているハートの絵画が完成作品。
続いて描いているのは……
キリストの絵画。
「私はキリストが現実の人物なのか、本当に生きていたのか、彼が示すものなのかを知りません。しかし、キリストの絵を描くこと、キリストの『意識』を伝えることが、私の望みです。人々が絵画に描かれたキリストの目を覗き込んだとき、彼が自分のことを受け入れてくれているのだと、人々に感じて欲しいのです」
「彼に見つめられることで、癒やしを感じてほしいと考えています」
今度はキャンバスにペンキをぶちまけています。
「絵画が私に何を教えてくれているのかはわかりませんが、私を自由にしてくれているのはわかります」とジム・キャリー。
ジム・キャリーが語る「自由」とは、「未来からの自由」「過去からの自由」「怒りからの自由」「心配からの自由」などのこと。
「あなたの内側にあるものは、常に物語を語っています。そして、あなたが目にするものすべてが、あなたに話しかけています」
「パフォーマンスであろうが、アートであろうが、彫刻であろうが、肝心なのは『愛』です」
「私たちは自分をさらけだしたいし、それを受け入れてもらいたいと考えています。生きることを愛すること、それがアーティストです」
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