iPhoneにユーザーの全医療データを記録するためのプロジェクトをAppleが水面下で進行中
by Alex Dodd
以前からAppleが医療関係エンジニアの雇い入れを強化していることが報道されていましたが、CNBCが報じた内容によると、Appleは病院や医療関係のグループとのつながりを強化しており、最終的にはユーザーの全ての医療記録をiPhoneなどの端末で管理できるようにすることを考えているとのこと。
Apple plots medical record integration with iPhone
http://www.cnbc.com/2017/06/14/apple-iphone-medical-record-integration-plans.html
CNBCによると、Appleのヘルスユニットを極秘で開発しているチームが、ユーザーの重要な医療データをiPhoneなどの端末に集約するため、病院や医療業界との取り組みを行っているそうです。このプロジェクトの最終的な目標は、来院記録・検査結果、処方箋・アレルギー情報などをiPhoneに記録し、ユーザーが必要な時にデータを取り出せることだと見られています。
記事作成時点でも既にAppleのヘルスケアアプリを使うと生年月日・身長・体重・血液型などの基本的なメディカル IDを作成でき、また血圧モニターや睡眠トラッカーといったサードパーティーデバイスと接続して情報を共有することが可能ですが、情報を共有するにはユーザーが都度デバイスと接続する必要があります。しかし、Appleが現在取り組んでいる計画では、病院を訪れた後のユーザーはiPhoneを使って簡単に医療データを閲覧でき、新しい医師にかかる時もiPhoneを利用して医療データを簡単に共有できるようになるとのこと。
CNBCは、Appleが医療組織内での情報共有のための標準規格「Fast Healthcare Interoperability Resources(迅速な医療情報相互運用のためのリソース/FHIR)」に関係するエンジニアを雇い入れており、ソフトウェア・テクノロジー担当副社長のバド・トリブル氏がプロジェクトに密接に関わっていることを伝えています。
また、2017年4月にはAppleが血糖値を測定するためのデバイスを開発していると報じられていますが、今回の報道では、健康デバイスがApple Watchに関係しているかどうかには触れられていません。
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しかし、新たに発表されたwatchOS 4ではCore Bluetoothを採用しており、Apple WatchはiPhoneをバイパスして血糖値チェッカーなどの特定のBluetooth対応デバイスと直接通信できるようになります。このことからもApple Watchが健康デバイスとして大きな役目を果たす可能性は非常に大きいと考えられています。
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