Apple「iWatch」に新たな動き、医療関係エンジニアの雇い入れを強化、一体何を作っているのか？

By Ron Evgeniy

2014年秋にも発売と予想されながらも、一時は暗礁に乗り上げていたとも伝えられたApple初のウェアラブルデバイス「iWatch」ですが、実際には発売に向けて着々と開発が進められているようです。そんな中、Appleは医療関連企業からの人材を雇用する動きを強めていることが判明しました。iOS 8にも搭載されるといわれている「Healthbook」と呼ばれるヘルスケア＆フィットネス機能との関連や、それ以降の戦略について関心が高まっています。

焦点：米アップルが医療技術幹部を引き抜き、ｉＷａｔｃｈへの布石か | マネーニュース | Reuters
http://jp.reuters.com/article/JPbusinessmarket/idJPKBN0DN02L20140507

ロイターがLinkedInを通じて調査を行ったところによると、Appleはこの1年の間で少なくとも5～6名の医療関連分野のエキスパートを引き抜いたことが判明。この中には、医療分野のセンサー技術に関する人材が含まれており、これは同社のティム･クックCEOが注目しているといわれている技術でもあることから、同社がこの分野に強い関心を寄せていることは間違いなさそうな状況です。

Appleでは2010年にiPadが発表されて以降は既存製品のモデルチェンジを繰り返している状況。そのため、完全な新製品を求める株主から不満の声が挙がっているとみられ、同社の株価は2012年9月に最高値となる約700ドルラインを記録した後に400ドルレベルまで下落。以降は一進一退を繰り返して上昇傾向が見られるも、最高水準には戻っていない状況です。

Apple Inc.: NASDAQ:AAPL quotes & news - Google Finance
http://www.google.com/finance?cid=22144

あるモバイルヘルス関連企業の幹部が匿名を条件に語ったところによると、同氏はAppleのiWatch開発チームの幹部と同席した際の内容として「Appleはウェアラブルデバイスから先の展開に関心を抱いており、同社のApp Storeのビジネスモデルをベースにしたフィットネスサービスの提供を視野に入れている」ことを語っています。

2014年2月には、人体中を流れる血液が発する音を解析して心臓発作の発生リスクを予知する技術へ強い関心を寄せていることが明らかにされています。この動きには、かつて劇場用音響機器や家庭用AV機器のクオリティチェックを行うTHXで開発を担当し、2011年からはAppleに在籍しているTomlinson Holman氏が関わっていることが判明しています。

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次期iPhoneに搭載されるとみられるiOS 8のリーク情報では、「Healthbook」と呼ばれるヘルスケア＆フィットネス機能が追加される模様であることがわかっています。

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また、Appleでは次世代イヤホンの中に加速度センサーおよび体温・心拍数・発汗レベルなどのデータ収集が可能なセンサーを搭載する特許を取得しており、Healthbookとの連携が予想されています。

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現在予想されている血圧や心拍数などの測定機能に加え、いずれは採血しなくても血糖値を測定できるような端末が発売されるとの見方が示されており、これまでの「フィットネス機能」よりも高度な健康管理機能を搭載することが予測されていますが、その場合は医療機器の規制に抵触する可能性も懸念されています。ロイターの報道では、Apple幹部がアメリカ食品医薬品局(FDA)の高官と面会していたことが報じられており、さらにFDAは2013年秋、スマートフォンが医療機器となるような、もしくは規制される医療機器の付属品としての使用が意図されたようなアプリを主な規制対象とするとしていたことも判明しています。

足早に進歩を重ね、今や本来の「電話」としての役割をはるかに超える機能を搭載し、通常のPCですら凌駕する利便性をさまざまなセンサーとの連携によって手に入れているスマートフォンをさらに上回る新たな革新的デバイスが誕生するのか、それともスマートフォンを強化する関連デバイスにとどまるのか、今後の展開に要注目です。