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「マルちゃん正麺」の本当にうまい食べ方の秘密を探ってみた


2016年11月に5周年を迎えた東洋水産の「マルちゃん正麺」は、発売から4年を待たずして累計出荷数10億食を達成し、袋麺市場に大きな変革をもたらしました。そんなマルちゃん正麺の人気の秘密はなんと言っても生麺のように滑らかでコシのある「麺」ですが、これは東洋水産が長年に渡り抱えていた課題をブレイクスルーしたことで生まれた特許製法「生麺うまいまま製法」によるものだそうです。しかし、この「生麺うまいまま製法」のポテンシャルを100%引き出すには従来の即席麺とは少しだけ異なる調理方法が必要だそうで、その調理方法に注目することでマルちゃん正麺のおいしさの秘密に迫ってみました。

マルちゃん正麺 | 東洋水産株式会社
http://www.maruchanseimen.jp/index.html


◆マルちゃん正麺のような麺がなぜ今まで存在しなかったのかを即席麺研究の権威・木島実教授に聞いてきた
マルちゃん正麺がなぜ誕生したのかを製造方法以外の側面から探るべく、まずは日本大学生物資源科学部の湘南キャンパスにやってきました。


今回話を聞くことにしたのは食品ビジネス学科の木島実教授。現在のように即席麺業界が大きな注目を集めるようになる前から同分野に着目し、その先見の明でこのカテゴリでは第一人者と言っても過言ではない立場になっています。


このようにさまざまな非売品で貴重な社史を資料として所有しており、インターネットでは調べきることができない膨大な知識に裏付けられた分析をしています。


GIGAZINE(以下、G):
さっそくですが、木島教授は食品マーケティング、中でも即席麺に関する研究を行っているとのことですがなぜ即席麺の研究をしようと思われたのですか?

木島実教授(以下、木島):
即席麺が登場する前の時代、農業経済の農産物はテレビCMで宣伝をしなくても良かったんですよ。

G:
宣伝をしなくても良かった?

木島:
昭和30年代、即席麺が誕生した当時は農産物はできたら売れるという状況でした。なので、農産物は基本的にマーケティング戦略がいらなかったんです。

G:
なるほどそうだったんですね。

木島:
ところが、テレビを見ていて気がついたのですが、加工食品が誕生してからはなぜか食品業界のテレビCMが多くなりました。今でも多いでしょう?

G:
確かに多いですね。

マルちゃん正麺「麺の正体・バー」篇 30秒 - YouTube


木島:
即席麺やビール、カレー、アイスクリームといった食品はテレビCMが多いですよね。広告宣伝費に関する調査データを見てみると一般の上場企業の売上高に占める広告宣伝費の割合は大体1%で、食品業界が2%。

G:
ほぼ2倍ですね。

木島:
そして、加工食品業界となると広告宣伝費は6%にまで上昇するんです。

G:
完全に破格ですね。

木島:
これがなぜなのかを、とある教授に依頼されて調べたのが即席麺研究のスタートです。アメリカではその時既に広告の研究がかなり進んでいて、加工食品の広告についてもかなり研究が進んでいたのですが、日本の農学系では全然やっていなかったわけです。


G:
なるほどそういう経緯で即席麺業界について研究なされていたわけですね。今回は東洋水産のマルちゃん正麺についてお伺いしようと思いやってきたのですが、GIGAZINEでは以前、マルちゃん正麺のカップ麺に関する記事を書いたことがあるのです。そこでは実際の開発者の方に、カップ麺になった理由や麺の製法に至るまでさまざまなことを聞きまくってきたのですが、そこで少し不思議だったのが、なぜ今までマルちゃん正麺のような作り方をした袋麺がなかったのかということなんです。

「カップ麺でも生麺に近いラーメンが食べたい」、知られざるマルちゃん正麺 カップ開発秘話を本社で開発陣にいろいろ直撃インタビュー - GIGAZINE


G:
それで、今回は即席麺業界について幅広い知識を持った木島教授にお話を伺えるというチャンスがやってきたので、教授にこの質問をぶつけてみようと思ったのです。予想で良いのですが、なぜ他のメーカーはマルちゃん正麺のような袋麺を作らなかったのかという理由に何か思い当たる点はありますか?

木島:
他のメーカーさんがああいったものを作れたとしてもやらない理由の1つとしては、メーカーの中で食い合いが起きてしまうからです。カップ麺でいうと、日清のラ王が誕生した時も、カップヌードルという昔からあるドル箱的存在があったため大変な苦労があったと言います。

G:
たしかに東洋水産だと、業界トップクラスの商品といえばカップ麺の「赤いきつね・緑のたぬき」や「麺づくり」、チルド麺の「マルちゃん焼そば3人前」などですから食い合いはしないですよね。

木島:
また、マルちゃん正麺は本当においしいのですが、スープはあっさり系なので、具材などをトッピングして食べるのが合うと思うんです。他のラーメンだとスープがこってりなものが多くてそういったものに野菜などを追加で入れて煮込んでも合わないな、というのが私の感想です。


木島:
また、人間は1回目は新鮮でも、2回、3回と同じものを食べると飽きてしまって他のものを食べがちなんですよ。ところが、地方のお菓子なんかだと歴史や製造工程などにストーリーがあるじゃないですか。すると、「なるほど、こういう工夫があるんだな」とストーリーが見えるようになって、同じものを買うようになるんです。マルちゃん正麺でもさまざまな苦労が重ねられてきたわけで、世間に広く受け入れられるようになったのにはそういった側面もあるかもしれません。

G:
たしかに話をするまではかなり漠然と「なぜなかったんだろう」と思っていたのですが、話をしてみるとマルちゃん正麺のような袋麺も「そりゃなかなか出てこないな」と感じました。私たちが簡単に「新しいもの」と呼びますが、それを作る側ではなく食べる側にいるからこそ感じるところで、内側からするといろいろな葛藤を経て出てきているんでしょうね。

◆マルちゃん正麺のもっとおいしくなる作り方
作り方も何も、パッケージの裏面に書いてあるではないかという気もするのですが、実はほんの少し工夫するだけでより一層おいしくなることがわかっており、以下の公式ムービーを見るとそのことがはっきりとわかります。

はじめて作るマルちゃん正麺 基本篇・応用篇 - YouTube


実際にマルちゃん正麺の醤油味を作ってみましょう。


まずは袋麺ひとつと蒸発する分量を考慮して2カップ半強の水を用意。


鍋に水を入れて……


強火で泡が立つまで沸騰させます。


お湯が沸騰したら中火にして麺を投入。


そして3分間、麺をゆでます。


ポイントは「麺をお湯に入れてから最初の1分間は触らずに放置しておく」ということ。パッケージの裏面にある説明ではスペースの都合上そこまで明記されていませんが、この一工夫を加えることにより、東洋水産独自の特許製法である「生麺うまいまま製法」を生かすことができるようになります。「生麺うまいまま製法」は、一般の袋麺と違い生の麺を工場で蒸さずにそのまま乾燥させる製法のことです。「生の麺をそのまま乾燥させている」と言われると実現はとても簡単そうに聞こえますが、実際には東洋水産が長年に渡り抱えていた課題を解決するための技術革新が詰め込まれています。


最初の1分間を触らずに放置したのち、1度だけ麺をひっくり返します。従来の即席麺には「蒸す」という工程がありますが、一方、マルちゃん正麺の「生麺うまいまま製法」では「蒸す」工程をカットすることで、工場で麺を乾燥させる段階ではなく、家庭でゆでるタイミングで、でんぷんを熱によって胃で消化できる状態に変化させるアルファ化が起きます。通常の即席麺では工場で麺を乾燥させる段階で起こるアルファ化が麺をゆでるタイミングで起こるので、これが起きる前に箸で麺をほぐしてしまうと、表面が擦れて滑らかさが失われたり、切れてしまったりします。そのため、マルちゃん正麺をよりおいしく食べるには、アルファ化が起こる前のゆで始め1分は箸で混ぜたりせずに放置、アルファ化によって麺に留めておいたおいしさが表面に満ちてくるのを待つことで、生麺本来の味わいが楽しめるようになるというわけです。


そして麺をほぐす際も軽くほぐすのが重要なポイント。その後、再び麺には触らず調理時間までゆでればOKです。ここまで素早くできるもう一つの理由が、マルちゃん正麺では高温で一気に麺を乾燥させているから、というもの。しかし、蒸さずに高温で麺を乾燥させるだけでは、麺の内部組織の密度が粗く割れやすい状態になってしまうという問題がありました。東洋水産はこの難関を打ち破るべく、乾燥の仕方や材料の配合などで試行錯誤を続け、麺に小さな穴を分散させる技術の開発に成功します。これにより、東洋水産が長年に渡り抱えていた課題である「麺の割れやすさ」を解消することに成功したのです。


残りの調理時間で丼に液体スープを入れておきます。


麺をゆで終わったらまずは鍋からゆで汁だけを丼に注いで……


液体スープとよく混ぜ合わせます。


その後、麺を丼に投入。麺とスープが絡むように軽くなじませれば……


よりおいしくなる調理方法で、もっと生麺に近く仕上がったマルちゃん正麺の完成。


調理時には麺をほぐす動作を最小限にしているので、麺の表面が擦れたり切れたりすることがなく、生麺のような滑らかでツルツルな食感が味わえます。


実際によりおいしくなる調理方法で作ったマルちゃん正麺を食べてみると、まさに生麺のように滑らかでコシのある食感で、確かにこれまでの即席麺とは一線を画する味わい。


そのままでもかなりイケますが、ほうれん草・チャーシュー・煮卵・長ねぎをトッピングすればもはや立派なおうちラーメンに変化。「ここまで簡単かつ手軽にこのレベルのラーメンが食べられるのか……!」と即席麺の進化に驚かざるを得ません。


ムービーでは応用篇として「豚の生姜煮込みラーメン」が紹介されていたのでこれも作ってみます。まずは2カップ半強の水を用意し鍋で沸騰させます。


沸騰したら中火にして豚バラ薄切り肉30gと生姜の千切り5gを加えます。


そして麺を投入。今回も投入してから最初の1分間は麺に触らないようにします。


基本の作り方と同じように麺を投入してから1分後、1度だけひっくり返して少しほぐし、そのまま時間までゆでます。


ゆで終わったらゆで汁を丼に注ぎ……


麺・豚バラ薄切り肉・生姜の千切りを入れ、さらに小ねぎ15g、コーン20g、バター10gをトッピングすれば豚の生姜煮込みラーメンの完成です。調理はとても簡単ですが、生姜の香りがスープにしみこんでおり即席麺とは思えない香り豊かな味わいが楽しめます。


◆麺のおいしさを引き立てる簡単トッピングレシピ
即席麺の具材でよく食べられているものを調査した「好きでよく食べるインスタント袋麺具材ランキング」によると、トップ3はもやし・キャベツ・長ねぎだそうです。


実際にこれらの人気の高い具材をトッピングしてみるとこんな感じ。たしかに何かと冷蔵庫の中などに入っていることの多い使い回しの利く野菜ですが、これらを盛るだけでは少し味気ないラーメンになってしまいました。


木島教授のインタビューの中でも「具材などをトッピングして食べるのが合う」という言葉が飛び出したマルちゃん正麺ですが、東洋水産は公式に麺のおいしさをより引き立てるような簡単トッピングのレシピを公開しています。これらを調べてみると想像以上に簡単なレシピが満載だったので、実際にいろいろ作ってみました。

食べごたえ十分!油淋鶏


まずは「食べごたえ十分!油淋鶏」を作ります。ねぎ10cmをみじん切りにして……


醤油小さじ1、砂糖小さじ1、ごま油小さじ1、酢小さじ1を合わせた調味料と混ぜ合わせます。


ねぎがしんなりしたら唐揚げに絡めればトッピングは完成。


あとは手順通りに作ったマルちゃん正麺にトッピングすればOKです。公式では醤油味・塩味にトッピングすることをオススメしており、見た目の通り唐揚げがゴロリと載るので食べごたえ抜群なトッピング。


ちょっとオシャレに♪アボカドとモッツァレラチーズ


2cm角にカットしたアボカド1/2個と手でちぎったモッツァレラチーズ50gにオリーブオイルを和えるだけで完成。


味噌味・塩味にトッピングするのがオススメで、実際に食べてみるとチーズと味噌の相性は想像通りだったのですが、そこにアボカドの香りが加わることで全体があっさりした独特の味わいになります。予想外の組合わせですが想定外に絶妙な味のコンビネーションで、簡単な調理で済む点からも特にオススメできるトッピングのひとつ。


後引くおいしさ!キムチとスモークチーズ和え


白菜キムチ50gとスモークチーズ30gにごま油小さじ1を加えて和えれば完成。見た目はただのキムチに見えますが、ごま油の香りがグッドなトッピングになっています。


醤油味・味噌味・豚骨味に合うトッピングで、特にオススメなのは味噌味と一緒に食べることだそうです。味噌味にトッピングして食べてみると、味噌・キムチ・チーズの相性が良く、チーズはスープに溶けてコクをプラスしたりスモークされているのでキムチに負けない香りを楽しめたりと絶妙な役割を担っています。味は濃いめなので、ガッツリ食べたいときにオススメなトッピングです。


かまぼこをちょっとアレンジ!かまぼこのわさびマヨ


かまぼこ50gをできる限り薄くカットして……


マヨネーズ小さじ1とわさび適量を混ぜ合わせたものと和えれば完成です。


トッピングするのにオススメなのは醤油味・豚骨味・塩味。家の冷蔵庫に残ったあまりものだけで簡単にできるトッピングで、「何もトッピングしないのは味気ない……」と言うときに気軽に作れます。


彩り鮮やかプチトマト添え


プチトマト4個を薄切りにして……


ラーメンに載せ、すりごまと青じその葉1枚を5mm角に切ったものを散らせば完成。7種類あるトッピングの中で最もシンプルですが、塩味のマルちゃん正麺にトッピングすると「イタリアンラーメン」という言葉がピッタリな味わいに変化します。正直なところ、最も期待していなかったトッピングだったのですが最も大きく味が化け、予想外の味わいに箸が止まらなくなりました。


食欲そそる、ホタテとコーンのガリバタ炒め


フライパンでボイルホタテ50g、コーン50g、バター10g、ニンニクのすりおろし少々を一緒に炒めます。


2、3分したら醤油を鍋肌から入れて……


完成。バター・ニンニク・醤油の香りが食欲をそそります。


味噌味・豚骨味・塩味に合うトッピングで、バターのコクと醤油・ニンニクの香り、そしてホタテのうまみがガツンと味わえ、濃いめのラーメンが食べたい時にはピッタリ。


醤油が香ばしい!こんがり焼きねぎ


ねぎ1本を長さ10cmの斜め切りにします。


温めたフライパンにサラダ油とねぎを入れ、中火で1分焼きます。


ひっくり返してさらに1分焼き、醤油小さじ1とみりん小さじ1を加え、照りが出たら完成。


トッピングするとこんな感じで、醤油味・味噌味・塩味に合うそうです。ねぎの甘みを良く感じられるトッピングで、「切っただけのものを入れることはあるけど、焼くとこんなにおいしくなるなら今度やってみようかな」という意見も出るほど手頃かつラーメンに合うトッピングになっています。


レシピはどれも簡単で、実際に作ってみるとどれも調理は5分ほどで済むものばかり。包丁やフライパンを使用する必要のないレシピもあり、「たったこれだけでこんなにおいしくなるの?」と驚きあふれるものがたくさんなので、マルちゃん正麺のよりおいしくなる作り方と一緒に覚えておくとおうちラーメンのクオリティを一気に上げることができるのでオススメです。

マルちゃん正麺 | 東洋水産株式会社
http://www.maruchanseimen.jp/index.html

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in 取材,   インタビュー,   試食,   広告, Posted by logu_ii

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