人間のような視覚・聴覚認識力を人工知能に与えるべくIBMとMITが研究協力すると発表


人工知能(AI)の進化はめざましく、GoogleやFacebookなどIT企業をはじめとして世界中の大学や研究機関が競うように開発しています。そんな中、IBMとMITが「現実世界の映像・音声へのAIの理解を高めること」を目的に研究協力することを発表しました。

IBM News room - 2016-09-20 IBM Research and MIT Collaborate to Advance Frontiers of Artificial Intelligence in Real-World Audio-Visual Comprehension Technologies - United States
https://www-03.ibm.com/press/us/en/pressrelease/50560.wss

IBMとMITは、AIを共同開発するプロジェクト「IBM-MIT Laboratory for Brain-inspired Multimedia Machine Comprehension(BM3C)」を発足しました。BM3CではMITの脳認知科学部問のジェームズ・ディカルロ教授がトップに就任し、MITコンピューター科学人工知能研究所(CSAIL)やIBMのスーパーコンピューター「Watson」の開発チームが参加します。

By ibmphoto24

BM3Cの開発ゴールは「人間のような視覚認識力・聴覚認識力を持つAI」を開発すること。例えば、人間は映像に映る複数の人や物体を個別に認識して状況を把握したり、その被写体がその後どのような動きをするのかを予測したりできますが、現状のAIではこのような作業はできません。物体の識別や行動予測が苦手なAIに、人間の脳のメカニズムを導入することで、人間並の視覚・聴覚認識力を持つAIを誕生させるのがBM3Cの狙いです。

BM3Cのディカルロ代表は、「人間とマシンが協力して一緒に作業する世界では、AIの視覚認識力の進化は、私たちの生活をより健康的で、生産的なものにするでしょう」と、BM3Cの意義を語っています。

BM3Cでは特定の製品やサービスを開発することはありませんが、AI開発者だけでなく脳認知神経学の専門家も加えることで、より人間に近い能力を身につけるAIの開発が実現する可能性があります。また、IBM・MITで個別に行っていた実験プロセスや研究成果を一体化することで、AI技術の開発速度が高まり、医療・教育・エンターテインメントなどさまざまな産業におけるAI技術確立に寄与できると期待されています。

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