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無人で人工知能がバトルを繰り広げる「ロボレース」をフォーミュラEが開催


2014年からスタートした世界最速の電気自動車(EV)を競うモータースポーツ「FIA フォーミュラE選手権」が、新たに「無人で」世界最速マシンを競うレース「ROBORACE(ロボレース)」を開催すると発表しました。

Formula E & Kinetik announce driverless support series - Official FIA Formula E Championship
http://fia-fe.com/en/news/2015/november/formula-e-kinetik-announce-roborace-a-global-driverless-championship.aspx

ロボレースはその名の通り「ロボットがドライバーとして戦うレース」で、人間のドライバーに代わって人工知能がマシンを操縦します。各レースには10チームが2台のマシンを持ち込んで参加する予定で、ハードウェアであるEVマシン自体は統一規格のワンメークレースとなり、ドライバーにあたる人工知能部分であるソフトウェアを各チームが独自に開発するスタイルです。レース自体は約1時間で争われるとのことなのでフォーミュラE同様、比較的短期決戦になる見込みですが、最高速度は300km/hと想定されており、2015-2016シーズンを戦う現行のフォーミュラEのマシンよりもトップスピードでは勝る模様。


人工知能によるサーキット走行といえば、すでにアウディの自動運手カー「Audi RS 7 piloted driving concept」が最高速度240km/hでサーキット走行する様子が公開されていますが、ロボレースは単独走行ではなく、複数台のマシンが走るコース上を、随時的確に状況判断しつつマシンコントロールすることが求められるため、その難度はサーキットの単独走行とは比べるまでもありません。当然、オーバーテイクには高度な判断が求められるため、AI開発者の腕が大きく問われそうです。


ロボレースはフォーミュラEのサポートシリーズとしてフォーミュラEシリーズに帯同する形で行われ、2年後の2016-2017シーズンにスタートする予定。ロボレースをFIAと共に主催するKinetikのデニス・スベルドルフCEOは「私たちは、将来、世界中の自動車がAIと電気の力で動く様になると信じています。これによって環境や安全性を飛躍的に向上させられるからです。ロボレースはロボット技術とAI技術を現実世界に実用化させるための、革新的な技術開発の場になると期待しています」と述べ、ロボレースで開発された技術が現実の自動運転車にフィードバックされる、というレースの意義・目的について語っています。


すでに2シーズン目に突入し、F1を凌ぐバトルが展開されることで人気を博しているフォーミュラEが、音や臭いなど既存のレースと大きくスタイルが異なることは以下のムービーを見ればよく分かります。

Formula E offers all the speed without the side effects | The Quietest Race in the World - YouTube


また、静かさとは裏腹に熱いバトルが繰り広げられるフォーミュラEのエキサイティングなレースは、以下の360度公式ムービーでもよく分かります。

360° Video: Incredible Beijing Race Start Onboard - YouTube


ロボレースについてはフォーミュラEのレース開催に帯同して行われるというだけで、ワンメークのマシンにどのようなEVが採用されるのかなど、詳細についてはまだ明らかにされていません。フォーミュラE以上に静かでクールでそして熱いバトルが無人のロボレースで実現できるのか、2年後の開幕戦に大いに期待が高まります。

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in ソフトウェア,   ハードウェア,   乗り物,   動画, Posted by darkhorse_log

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