バイドゥが自動運転車の公道走行テストを拡大、数年後の市販化を目指す
中国の検索エンジン大手のBaidu(バイドゥ:百度)が、自社で開発している自動運転車(セルフドライビングカー)の公道走行テストをアメリカで開始しようとしています。Baiduは2018年にも実際の市販車両を登場させることを目指しているとのことです。
Baidu to Test Drive Autonomous Cars in the U.S. - WSJ
http://www.wsj.com/articles/baidu-to-test-drive-autonomous-cars-in-the-u-s-1458160570
Baidu will test its self-driving car in the US | The Verge
http://www.theverge.com/2016/3/16/11250358/baidu-self-driving-car-test-usa
Wall Street Journalなどが報じたところによると、Baiduは160名規模の開発拠点をカリフォルニア州サニーヴィルに構えており、その多くが自動運転車の開発に携わっているとのこと。同社のチーフサイエンティストを務めるNg氏はこの発表について、アメリカを中心に世界で広がる自動運転車の開発競争で一歩抜きんでるための意義ある一歩であると語っています。さらにBaiduはアメリカ政府との関係構築を行い、公道走行実験開始に向けた足場固めを進めているとのこと。
Ng氏はBaiduでの開発に関わると同時に、スタンフォード大学でのAI(人工知能)の画期的な研究や、Googleでも同様の研究に携わっている人物。また、オンライン教育サービスを提供するスタートアップ「Coursera(コーセラ)」の共同設立者の1人でもあります。
Baiduは自動車メーカーのBMWと共同で自動運転車の開発を進めてきたことで知られており、2015年12月には北京市内での行動実験を成功させています。
Baidu開発の全自動運転車が北京市内の公道走行試験に成功 - GIGAZINE
Baiduが使用している車両は、BMWの3シリーズをベースにした車両で、Baiduの持つ地図データや人工知能技術を活用することで自動運転を実現させているとのこと。さらに、今後については中国系の自動車メーカーと車両の開発を行うことでコミットされているとのこと。ちなみに、BaiduとBMWは2015年の実用化を目指していましたが、実現には到っていません。
Baiduが目指しているのはGoogleなどが開発を進める完全自動型の自動運転車ではなく、一定の路線を常に周回するシャトルバスのような車両の開発とのこと。ある程度定まった走行パターンに沿って走行を繰り返すことで路面や環境データの精度を高め、信頼性の高い運転を実現させるというのが狙いとみられているため、不特定多数の道路での走行を目指すGoogleよりも早い段階での実現にも現実味を感じることができるのかも。Googleは2020年ごろの実用化を目指していますが、果たしてどちらが、あるいは別のどの陣営が初の成功例になるのか気になるところです。
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