ハードウェア

Googleのドローン輸送システム「Project Wing」の仕組みが特許文書で明らかに


Googleが開発を進めている配達用ドローンプロジェクト「Project Wing」は2017年までに実用化とも伝えられているのですが、アメリカ特許商標庁が公開した特許文書にはその技術が書かれており、どのような仕組みで荷物を運ぶのかが明らかになっています。

This is How Google’s Project Wing Drone Delivery Service Could Work
http://www.fastcompany.com/3055961/fast-feed/this-is-how-googles-project-wing-drone-delivery-service-could-work

(PDF)US000009244147B120160126 - google-project-wing-drone-delivery-patent-january-2016.0.pdf


特許文書ではシステムの概要が以下のようなイラストで示されています。Project Wingで特徴的な点は、空を飛んで荷物を運ぶドローンと、目的地でその荷物を受け取るための「モバイル・デリバリー・レセプタクル(移動輸送容器)」と呼ばれるボックスを使うところ。以下の図はレセプタクル(130)の概要を示したものですが、ボックスの下には車輪(710)が取り付けられているほか、内部にコンピューター(131)を搭載し、ドローンと相互連絡するための赤外線信号を送受信するための装置(134, 135)を搭載することになっています。レセプタクルの上部には、容器を閉めるためのドア(705)が備えられています。


Project Wingのドローンとレセプタクルは、相互に連携を取り合いながら輸送と受け取りを行います。ドローンは輸送される荷物を搭載し、輸送の目的地へと飛来。現地では荷物を受け入れるためのレセプタクルが待ち受けており、ドローンが通信範囲内に入ると赤外線などを使って相互の通信を開始します。徐々にドローンが高度を下げ、荷物の受け渡しが可能になる位置まで到達すると、ドローンは荷物をレセプタクルへと移動させます。その後、レセプタクルは別の安全な位置まで移動して、荷物を受け取るユーザーに荷物が到達したことを通知。そしてユーザーはその場所まで荷物を受け取りに行くか、実際に自分のところまで運んでもらうかをチョイスする、という仕組みが特許を取得したProject Wingの中身です。


以下のムービーでは、オーストラリアの広大な土地で実施された実験段階のProject Wingの様子が収められています。レセプタクルは登場しないようですが、その大まかな様子は感じられるはず。

Introducing Project Wing - YouTube


「あーどうも、うちの犬のためのドッグフードを届けて欲しいんだけど」という注文が入ります。


別の場所では、Project Wingのドローンがスタンバイしており、荷物を詰んで目的地へと向かいます。


広い土地をドローンがスイーッと飛んで行き……


目的地に到着。ドローンは上空でホバリングを行います。


そして次に、機体からワイヤーを伸ばして荷物を降ろしていきます。


このように、上空に浮かんだまま、荷物を降下。レセプタクルを使う場合は、地表近くにまで降下するものと考えられます。


そして荷物を配達完了。このムービーではレセプタクルが登場しないので、荷物は地面に直接置かれていますが、実際にはボックスの中に収められる予定。


無事にドッグフードをもらうことができた犬くん。


その頃、ドローンは荷物を釣っていたフックを巻き上げ……


もとのステーションへと、帰路につくのでした。


このような仕組みはGoogleだけでなく、Amazonも「Amazon Air」という名称でサービス提供に向けた開発を進めている段階。実際にドローンによる輸送サービスが登場するのも、それほど遠い未来ではなさそうです。

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in ハードウェア,   動画, Posted by darkhorse_log

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