メモ

AppleがiOS端末向けのモバイル広告プラットフォーム「iAd」から撤退


今から6年前の2010年、AppleはiOS向けのモバイルアドネットワーク「iAd」をスタートさせました。iAdはサードパーティのデベロッパーが自身のアプリケーションに広告を直接組み込めるプラットフォームになっているのですが、Appleはこのプラットフォームから撤退予定であるとBuzzFeed Newsが報じ、報道通り撤退が決定しました。

Apple Steps Back From Its iAd Advertising Business - BuzzFeed News
http://www.buzzfeed.com/johnpaczkowski/apple-iad

Appleのモバイルアドネットワーク「iAd」は、スティーブ・ジョブズにより「新しいモバイル向け広告」として発表されました。iAdはiPhoneやiPadアプリの中で表示されるインタラクティブ広告にとっては非常に相性の良いプラットフォームであり、とても精密なプラットフォームでもあります。しかし、使用コストがとても高く、Appleが厳格な使用規定を設けていたため、多くのデベロッパーや広告主に採用されることにはなりませんでした。

ティム・クックCEOは2014年秋にiAdはAppleのビジネスにとって「とても小さなもの」とコメントしていますが、それでもサービスを停止することはありませんでした。しかし、サービススタートから6年が経過した2016年になって、AppleはようやくiAdから身を引くことを決意したようです。


Appleの戦略に近い複数の情報筋からBuzzFeed Newsが得た情報によると、Appleは現在の広告販売ビジネスをより自動化されたプラットフォームに変更することで、現在のiAdにおける開発・販売・管理といったあらゆる分野から撤退し、これらすべてをパブリッシャーにゆだねることになると見られています。Appleは段階的にiAdから撤退していくこととなると見られていますが、これによりパブリッシャーは直接広告を販売可能となり、広告収入の一部をアドネットワーク側に支払う必要もなくなります。また、BuzzFeed Newsはこれらの動きが今週中にも起きるとしています。

Appleの戦略に精通しているという広告業界のとある人物は、「出版側にとっては非常に大きな出来事になるでしょう。これまで間に入っていたAppleがいなくなり、出版者は直接顧客に広告を販売できるようになるので、理論上は、アクセスが豊富になり管理も楽になるはずです」とコメント。


なお、2015年にeMarketerが公開したモバイル端末における広告収入に関するデータによると、iAdのシェアは全体のわずか5.1%でした。なお、競合企業のモバイルアドネットワークでいうと、Facebookは37.9%、Googleは9.5%のシェアを獲得しています。

◆2016/01/18 追記
Appleは、2016年1月16日にiOSアプリに広告を配信する広告ネットワーク「iAd App Network」を終了させることを正式に発表しました。iAdサービスの提供は2016年6月30日で終了することになります。

iAd App Network will be Discontinued - News and Updates - Apple Developer
https://developer.apple.com/news/?id=01152016a

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in メモ,   モバイル, Posted by logu_ii

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