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Facebookがアップロードされた動画に対する収益化のテストを今秋に開始予定と判明

By Birger King

世界最大のSNSサイトであるFacebookが、投稿された動画の再生回数に応じた広告売上をコンテンツ作成者に分配する仕組みを新たに2015年秋ごろから導入することが明らかになりました。これによりFacebookは動画配信によって発生する広告売上を収入につなげることとなり、YouTubeに類似したビジネスモデルを新たに構築するものとみられます。

Facebook Battles YouTube, Shares Ad Revenue With Video Creators | Re/code
http://recode.net/2015/07/01/youtube-beware-facebook-will-start-sharing-ad-revenue-with-video-creators/

今回の対象となるコンテンツ作成者はNBAやFox、コメディサイトのファニー・オア・ダイなどのコンテンツ制作企業となっており、一般ユーザーが今後含まれることになるのかは現時点では不明です。

このサービスは、これまでネット動画配信サービスを事実上牛耳ってきたYouTubeに挑むものともなっています。これまでFacebookはSNSサービスのフォーマットを生かした強力なリーチ力を武器に広告戦略を構築してきましたが、今回の施策により「広告収入」というさらに強力なメリットをクリエーターに提供することで、ムービーコンテンツを新たな武器にするというわけです。広告売上の分配比率はFacebookに45%、そしてクリエーター側は55%になるとみられています。

動画による収益化がFacebookでも可能になるという新サービスですが、Facebookがその強みとして推しているのは、より多くの人に動画を見てもらえるという点とのこと。これまでなかなか一般ユーザーの隅々にまで届くことが難しかった動画も、Facebookが重点的にページ内に表示させることでより多くの人に見てもらえるようになるとしています。Facebookのダン・ローズ副社長は「多くのパートナー企業からは『Facebook上にこれまでより多くの動画コンテンツをアップするモチベーションになる』という反応が返ってきています」と寄せられる期待を語っています。

By Roel Wijnants

このサービスを開始するにあたり、Facebookは新たに「Suggested Videos(おすすめの動画)」と呼ばれる動画配信に特化した機能を追加する予定とのこと。広告収入は「おすすめの動画」に表示された動画に対して分配されることになるので、「フィード」画面で表示されたものは対象外となる見込みです。

とはいえ、フィード画面とおすすめの動画機能は関連したものになるとみられています。例えばフィード画面で「バスケットボール」に関する動画を再生した一般ユーザーに対し「おすすめの動画」としてバスケットボールに関する動画がフィードされ、別ページでさらに多くの動画が表示されるという仕組みになるとのこと。そしてこの「おすすめの動画」のページには広告が挿入されるようになっており、これによる売上がFacebookとコンテンツの作成者に分配される仕組みになっているというわけです。


しかし、ここでの広告再生頻度は動画3本に対して広告1本程度になるものとみられています。つまり、広告1本に対して収益を受けるコンテンツ作成者が3人いて分配される売上金は55%を3等分したものになるため、「55対45」という比率どおりに売上が分配されるということにはならない模様。

この新機能の導入は、Facebookが動画コンテンツへの対応を最優先事項に置いていることを示していると考えられており、Facebookはこれまでになかった収入源を新たに確保することになりそう。動画広告のビジネスモデルは、本編が始まる前に広告を挿入する「プリロール広告」が主流となっていますが、これを新たに導入するFacebookにとっては、いかにユーザーを飽きさせることなく多くの広告を配信し、他よりも高い売上を得られるプリロール広告を配信できるかが鍵となってくるといえそうです。

FacebookなどのSNSサイト上で動画が再生されることで、より多くのビュー数を獲得できることも判明しています。フィード機能を開始したFacebookでは、一日あたりの動画再生回数が昨年秋の10億回からから2015年4月には40億回に増加したことが明らかになっており、今回の「おすすめの動画」機能の登場によりコンテンツ作成者はより多くの再生回数を得られ、Facebookは新たな広告配信チャンネルを獲得することにつながるとみられています。

By mkhmarketing

Facebookではこの新機能を「数か月間」にわたって実験的に導入し、その間は広告主に対して「インプレッション(表示回数)の特別増加」を行うとしています。

ローズ氏によると、スタート直後にこのサービスを利用できるのは数十社のパートナーに限定されており、その後次第に追加して行く予定とのこと。しかし、サービスを利用するためにはFacebookが指定するオフィシャルパートナーになる必要があるとしています。

なお、この機能はまずiOS版アプリに導入され、その後Android版アプリやウェブ版にも実装されていく予定です。

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in ネットサービス, Posted by darkhorse_log

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