ブレ補正に加え、スマホカメラなどによる映像の「ゆがみ」も除去できるソフト「Mercalli V4 SAL+」
撮影後の補正で滑らかな映像を実現するカメラアプリ「Steady Camera」や手軽に使えるカメラスタビライザー「StayblCam」など、きれいな映像を手に入れるためのスマホ用グッズやアプリが多く登場していますが、PC版ソフトウェアによる補正処理にはまだまだ及ばない部分があるのも事実です。ドイツのソフトベンダー「proDAD」のMercalliシリーズ最高峰となる「Mercalli V4 SAL+」は映像のブレ補正に加え、スマートフォンで撮影した映像によく見られるゴムのようにグニャグニャする映像を補正する機能を搭載しているとのことだったので、その効果のほどを試してみました。
proDAD Mercalli V4 SAL+ Video Stabilizer + CMOS Correction in einem Paket
http://www.prodad.com/home/products/video_optimization/mercalli_v4,l-us.html
「Mercalli V4 SAL+」は299ドル(約3万6000円)で販売されているソフトウェアですが、正規版を購入する前にトライアル版で全ての機能を試してみることが可能です。まずは製品ページを訪れて、「Try」をクリック。インストールするには、Windows Vista以降の64ビット版OSの環境が必要です。
「Just sign up here!」をクリックして、新規アカウントを作成。
メールアドレスとパスワード、氏名を記入し、「Mercalli V4 SAL+」にチェックを入れ、住所を記入して「Create Account」をクリック。
登録したアドレスにメールが届くので、認証用のリンクをクリック。これでアカウントが正式に使えるようになりました。
数秒後にアカウント開設の通知メールが届くので、本文に記載されているログイン用URLをクリック。
ログイン済みの自分用アカウントのページが開きました。「demo versions」をクリックすると、デモ版のダウンロード画面に入ることができます。
「Mercalli V4 SAL+ (Win) 64-Bit」をクリックすると、インストール用実行ファイル(26.8MB)がダウンロードされます。
ダウンロードしたファイルをダブルクリックして起動。
「実行」をクリック。
「次へ」をクリック。
「この使用許諾契約条件に同意します」をクリック。
インストール先のフォルダを確認して「次へ」をクリック。
ソフトに必要なビデオコーデック(FFmpeg)をインストールします。チェックが入っていることを確認して「次へ」をクリック。
「インストール」をクリックすると、実際のインストールが始まります。
そしてインストールが完了。「Mercalli起動」をクリックするとソフトが起動します。
起動時にフルバージョンへのシリアルコード入力を求められますが、今回は「Continue with Demo Version」をクリックしてデモ状態で使用します。
◆実際に使ってみた
ソフト起動直後の画面はこんな感じ。最も広いエリアにファイルをドラッグ&ドロップするか、クリックしてエクスプローラからファイルを指定します。
ファイルを読み込ませ、まずは「ここをクリックしてビデオを解析」をクリックしてデータの解析を開始します。
ちなみに、実際に処理に使ったムービーはこんな感じ。GoProを手に持ったまま歩きながら撮影したムービーのため、手ブレや画面の傾きが多く発生しています。
「Mercalli V4 SAL+」でブレ補正前のGoProで撮影した映像 - YouTube
解析中の画面には、水平/垂直方向へのシフトやロール、傾きなどの解析結果がグラフでリアルタイムに表示されます。このグラフを見るだけでも何となく期待が高まるというもの。
解析が完了しました。画面下部には、解析結果を示すグラフが表示されています。
処理を行った後のムービーはこんな感じになりました。元のムービーに見られたガクガク感はほとんど姿を消し、滑るようにヌルッと前に進んでいる様子がわかります。デモ版の場合には、画面右下にMercalliのロゴマークが追加されるようになっていました。
「Mercalli V4 SAL+」でブレ補正などを行ったGoProで撮影した画像 - YouTube
Mercalliでは、画面を分割して処理前と処理後の映像を比較するファイルをエクスポートすることも可能。分割方法は上下と左右の2通りから選ぶことが可能になっています。
実際に比較してみた映像がこちら。同じ画面で比べてみると、その効果のほどは一目瞭然です。
「Mercalli V4 SAL+」でブレ補正の前後を比較してみた - YouTube
引き続き、別のファイルを処理してみます。今度は解析を行う前に、「ローリングシャッター補正」「カメラの動きを平滑化」「使用されたカメラオプティクス」の設定を行いました。
「ローリングシャッター補正」は「振動/Wobble」を選択。
「カメラの動きを平滑化」では、今回はGoProで撮影したため「スポーツカム」を選択。
「使用されたカメラオプティクス」では、プルダウンメニューから「Gopro HERO 3 (IN-Housing) 1440」を選択。GoPro以外にも、幅広いメーカーのモデルに対応しています。
そして処理を開始。すると今回は、先ほどの処理の時にはスルーされていた「AMOSセンサーを解析」と「CMOS歪曲を修正」の項目の処理が行われました。処理中はCPUの使用率が100%で張り付く状態になり、かなり複雑な処理が行われていることを伺い知ることができます。
処理を行ったムービーをエクスポートするには、画面上部の「スタビライズしたメディアのエクスポート」タブをクリック。
「セットアップ」からは、エクスポートするファイルの形式などを設定することが可能です。
「出力を開始」をクリックすると、元ファイルと同じフォルダに処理後のファイルが新規に作成されます。
作成されたファイルには、元のファイル名の後ろに「-tryout-Mercalli」という文字列が追加されていました。
実際に処理を行った前後の比較ムービーがこちら。特に、自転車を大きく左右に振っている時の揺れ方や、路面から受けるガタガタ感が軽減されている様子がわかります。
「Mercalli V4 SAL+」でGoProの映像にブレ補正をかけてみた - YouTube
さらに、Mercalli V4 SAL+では、スマートフォンなどのCMOSセンサーに起因する映像のひずみ・揺らぎを軽減する機能を搭載しています。以下のムービーはiPhone 5を使い、ワザと大きく左右に振って乱れた映像を撮影したものですが、処理前にはまるでゴムのようにウネウネしていた映像が、処理後にはスッキリとした状態になっていることがわかります。
「Mercalli V4 SAL+」のCMOS歪曲除去機能を試してみた - YouTube
その他のさらに詳細な処理サンプル映像は、以下のサイトからもいろいろと確認することができます。
proDAD Mercalli V3 Funktionsbeispiele der Bildstabilisierung
このように、「Mercalli V4 SAL+」はさまざまなブレ除去機能を備えたソフトウェアとなっていました。無料のデモ版でも期間無制限で機能をフルに利用する事ができますが、本格的に使ってみたいという場合は299ドル(約3万6000円)の有料版を購入すれば、画面右下に表示されていたロゴを削除できるようになっています。
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