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HTTPが16年ぶり大幅アップデートで「HTTP/2」へ、知っておくべきポイントは?

By ntr23

ウェブブラウザがサーバーと通信する際の方法を定めた通信プロトコルが「HTTP(Hypertext Transfer Protocol)」です。現在使用されている「HTTP/1.1」は1999年に規定されたもので、それから16年が経過した2015年になってようやく新しいバージョンの「HTTP/2」の仕様が、インターネット標準規格の最終技術レビューを行う「Internet Engineering Steering Group(IESG)」により承認されたことが明らかとなりました。

mnot’s blog: HTTP/2 is Done
https://www.mnot.net/blog/2015/02/18/http2

The Largest Update to HTTP in 16 Years Has Been Finalized
http://thenextweb.com/insider/2015/02/18/http2-first-major-update-http-sixteen-years-finalized/


インターネット技術の標準化を推進する「Internet Engineering Task Force(IETF)」のマーク・ノッティンガム氏が、自身のブログ内で「HTTP/2」がIEGSの承認を受け、RFCによる技術公開に向けて公開する文章を編集する段階にまできたことを明らかにしました。

HTTP/2は、Googleの「SPDY」と呼ばれる通信プロトコルをベースに開発された規格です。SPDYは、ウェブページのロード時間を少しでも短くするために使用されている技術で、HTTP/2に期待されるのも、現在よりも速いコンテンツ転送の実現です。

以下の記事を読めば、SPDYとHTTPの接続速度の違いがどれくらいなのかが感覚的につかめます。

「HTTPS(SPDY)」と「HTTP」ではどちらが高速に接続できるか体感できる「HTTP vs HTTPS Test」 - GIGAZINE


HTTP/2は現在広く使用されているHTTP/1.1との互換性を維持しながらも、新たな機能や特徴が複数盛り込まれています。中でも注目すべき機能のひとつが「多重化」で、ブラウザとサーバー間のコネクション内に複数の仮想通信路を設けて双方向通信を行うので、多くのリクエストを同時に転送可能にし、通信時の負荷も少なくすることが可能とのこと。

そんなHTTP/2について知っておくべきこと、をThe GuardianとReadWriteがまとめています。

What is HTTP/2 and is it going to speed up the web? | Technology | The Guardian
http://www.theguardian.com/technology/2015/feb/18/http2-speed-up-web-browsing-desktop-mobile

Everything You Need To Know About HTTP2 - ReadWrite
http://readwrite.com/2015/02/18/http-update-http2-what-you-need-to-know


◆そもそもなぜHTTPがバージョンアップする必要があるのか?
そもそもウェブページが表示される仕組みというのがどのようになっているのかというと、例えばあるウェブサイトのURLをウェブブラウザに入力すると、ブラウザはHTTPリクエストをウェブサーバー側に送信します。そして、サーバー側はリクエストに応じた要素をブラウザ側に送信し、ブラウザ上でウェブページが見られるようになります。しかし、HTTP/1.1が登場してから既に16年が経過しており、現在ではウェブページの要素の数が増え、表示させるページが「重く」なっており、現在のHTTP/1.1ではウェブページを表示するためにサーバーと通信するのにかかる時間が長くなってきています。

そんなわけで、大幅なバージョンアップが必要になったというわけです。

◆HTTP/2はどう進化するのか?
最も注目すべき特徴は「多重化」です。これによって一度に多くのHTTPリクエストを送れるようになり、ページロードにかかっていた時間を大幅に短縮できるようになります。

現在、多くのデベロッパーは複数のイメージ画像をつなげることで、HTTPリクエストの数を最小化する、という荒技をやってのけています。しかしHTTP/2はこれまでよりも効率的になるので、HTTPリクエストの数が増えても問題なく処理可能になるそうです。

◆違いは実感できるのか?
既にブロードバンドインターネット接続のおかげでウェブページの表示速度はとても速くなっています。HTTP/2では、通信速度ではなく帯域幅をより広く使用できるようになるので、その分ページのロード時間も飛躍的に短くなります。

最新の画像やムービーなどが多数配置されているウェブサイトなどでは、HTTP/2の恩恵がより実感しやすくなるだろうとのこと。また、HTTP/2はモバイルブラウザでもその表示速度を高速化してくれるようです。

◆HTTP/1.1はどうなるのか?
現在でも多くの人々がWindows XPを使用していたり、最新版よりもIE 8.0が多くの人々に使用されていたりするように、すぐに消えるようなものではなく、多くのサーバー上でもしばらくの間はHTTP/1.1が使用されるだろう、とのこと。

◆ユーザー側で行うべきことは?
ユーザー側で何か特別なことをする必要はなく、ブラウザが自動でHTTP1.1とHTTP/2を必要に応じて使い分けてくれます。

なお、Googleは自社製ウェブブラウザのChromeにて、通信プロトコルをHTTP/2に切り替える方針であることを既に発表しているので、Chromeを使っている人はいち早くHTTP/2を体感できるようになるかもしれません。

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in メモ, Posted by logu_ii

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